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3月30日(Tue) 子供達は春休みで暇を持て余しているようで、なにかというとテレビを眺めている事が多いようです。つられて父親も昼間から「エイリアン4」だの「ロストワールド」と言った、愚にも付かないハリウッド製娯楽映画をぼんやり眺めていたりします。 そんな訳でつまらないアニメ映画を物色中の子供達に付合ってビデオショップの棚をぼんやり眺めていると「全身小説家」なんてタイトルが・・・「さよならCP」とか「ゆきゆきて神軍」と違って、こんな大手のレンタルビデオショップに並ぶようなメジャーな作品なんだと、認識を新たにしました。だって原一男の作品を観るなんてことは、アングラ(死語だなぁ)な場所でのブルーフィルム上映会みたいなイメージがずっとあって、「ゆきゆきて神軍」なんて確か新宿の薄汚い喫茶店みたいなところで隣の人間と膝付合わせるようにして観た覚えがあります。あれは完全に秘密上映会みたいな感じでした。 そんな原一男の作品が、まさか「極妻」とか「ふーてんの寅さん」と同じ棚に並んでいるなんて・・・いささか不意を突かれたような気さえしました。ベストテンにランクインしたり海外で映画賞を受賞したりで、かなりメジャーになったという事なんでしょう。ひょっとすると「奥さまカルチャースクール」なんぞの教材になったりしてるのかも。なんと言ってもあの「書かれざる一章」の井上光晴の死を扱ったドキュメンタリーなんですから、団塊の世代の奥さま達には意外となじみ深い作家なのかも知れません。大竹しのぶの映画の影響もあったりするのかも。 井上光晴という作家にも随分と傾倒した事があって、彼の書くものならとにかくなんでも読むという時期があった筈なんですが、この映画の中で文字どおり自らのはらわたをえぐり出して見せる彼の「自己表現」の、その暗い情熱に触発されて、久しぶりに彼の書く小説を読んでみたくなりました。 肝心の「全身小説家」については明日の日記にでも書くかもしれません。あれはやっぱり原一男の作品と言うよりも、やはり井上光晴の大いなる虚構の一編なのだと思います。どこまでも「井上光晴」を演じ続けようとする男の、切ない想いのこもった作品なんでしょう。
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