デーテーペーな1日

1998.12.1~15


日記関係の発言はこちらで。

12月1日(Tue)


 今日から師走と言う事で世間的には気ぜわしいのかも知れませんが、僕にとっては何時もとまるで同じ、なんの変哲もない怠惰な一月がまた始ると言うだけのお話しです。
 逆に12月というのは普段以上に世間様とは違った季節感の中で暮しているような気がします。12月と言えばお歳暮だのボーナスだのクリスマスに暮れの大掃除と、いつも以上に年中行事と呼ぶべきイベントが目白押しの季節だと思うのですが、わが家ではそうしたものとはほとんど縁がないようです。親戚も少ないのでお互いにお歳暮を送りあう習慣もないし、だからと言って自営業の癖に仕事の取引先にお歳暮ひとつ送るでもなく、ボーナスはその自営業のせいでまったく無関係だし、そんな調子ですから暮れだからといってわざわざ掃除をしようなんて気にもならない訳です。まぁ子供のいるせいでクリスマスだけは何もしないわけにも行かなくて、ケーキやらプレゼントも用意するんですが、子供達もそろそろサンタクロースの存在をまともに信じる年頃ではなくなってきたので、要は合法的にプレゼントのもらえる日ぐらいの感覚でしかないのかも。
 麻美は辛うじてそんなサンタの存在を信じてる節もあって「どうしてサンタさんは自分達が欲しがってるものがわかるんだろう・・・お母さん教えてるの?」なんて訊いてきますが、正美の場合は完全に冷め切ってます。母親に今年のプレゼントはなにそれが良いからお父さんにそう言っておいてなどと、実に夢のない会話を交しているようで、我が子ながらその夢のなさはなんだかなぁ・・・父親にはそうした可愛げのないセリフは吐かないところもなんとも姑息な奴なんです。
 もっとも、僕自身も「世間並」に踊らされて適当にプレゼント選んでるだけの父親ですから、お互いに「夢」のない世界に生きる親子なんでしょう。

 子供達どうしてまたもやクリスマスパーティやるんだとかで連日遅くまで打ち合せに出歩いているようです。奥さんもこの週末は忘年会らしいし・・・オフミ好きな父親と言い、わが家の家族全員、最近そんな事にばっかりかまけてます。家庭生活が相当につまらないのかも。



12月2日(Wed)

 なにかと気ぜわしい暮れのこの時期に、いい年したオヤヂが仕事もしないで昼間からクッキーづくりにせいを出すというのもやはり平成不況の影響なんですかねぇ。
 夜にかかる仕事ばかりで昼間がやたらとヒマな事もあって、最近は時間つぶしにいろいろとやってます。まぁ、ネット巡りも時間を浪費するにはなかなか便利なオモチャのひとつだとは思いますが、エッチサイトで怪しげな画像を探すほどの情熱はすでに失ってるかも。そのあたりを放浪してると、てきめんに英文のDMが増えるのもなにやら怪しげだなぁ・・・クッキーから個人情報バレバレなんでしょうね。ただし、一度ポルノビデオの直輸入に挑戦しようとは思ってるんですが、ああしたサイトに住所まで知られると海の向うからエロビデオのエアメールが届いたりしたら相当に恥ずかしいからなんとか断念してます。

 そんな訳で、昼間からケーブルテレビで市川雷蔵主演の、謡の家元の息子と桑名の芸者のラブストーリなんてまか不思議な映画を観てみたり、ヒマにまかせてクッキー焼いてみたりという、実にどうも訳のわからんオヤヂライフを満喫しておりますが、まぁ、なんだかんだ言っても去年とやってることに違いはなさそうです。
 もう少しまともなことで人生をまっとうすれば良さそうな気もしますが・・・

 う〜ん、いつの間にか奥さんのコートが新しくなってることに気がつきましたが、それが誕生日プレゼントなんでしょうか? 奥さんが自分の好きなものを買ってきて、それを称して僕からの「お誕生日プレゼント」と言ってるだけのようです。う〜ん、贈った本人がよく知らないプレゼントというのもアリなんでしょうね。



12月3日(Thu)

 学校から帰ってくるなり「お父さん、雪降ってるよ!」という子供達の大きな声ではじめて気がつきました。なんとなく雨かなと思っていたのですが、いつの間にかみぞれ混じりの雨から雪に変っていたようです。この冬初めての雪はいきなりだったようです。
 12月に入ってそうそうに雪が降るなんて、そんなのもあまり記憶にないような気がするんですが、きっと今年の冬は雪が多いんでしょうね。2月や3月に大雪が降ってもすぐに融けてしまうので、今年は根雪になるぐらいに思いっきり降らないかなぁ。はい、毎朝通勤する人じゃないんで、東京の交通網がいくら大雪で寸断されてもちっとも困りません。こんな不景気な時代なんだから皆さんもそんな時はあくせくせずに、お家でのんびりテレビでも見ていましょう。

 あぁ、まだ雪はやんでいない処を見ると、ひょっとしたら今夜は積もるんでしょうか? 子供達は3階のベランダに薄く積った雪を集めてさっそく小さな雪だるまを作ってるみたいで、毎年冬はしもやけで真っ赤になって痛がるくせに麻美なども手を真っ赤にしてはしゃいでいるようです。正美など。ズボンまでびっしょり濡らしてすっかり冷えきってるようですが、こちらは麻美以上に張切ってます。

 と、日記を書き終って外を眺めてみると・・・いつの間にか雪はやんでしまったようです。3階の雪だるまも既に融けかかってます。もう少し降れば良いのに。

 手が冷たくてキーボード打つのにひと苦労です・・・って、わはははh、いい歳して子供と一緒に雪遊びしてました。今年は絶対に「かまくら」作ろう。うん、その中でお持ち焼いて食べたいです。



12月4日(Fri)

 ここの処、子供達は連日のように友達の家に遊びに行って帰りが随分と遅いようで、いったい何をしているのか気になって尋ねてみると、なんでも自分達だけでクリスマスパーティを企画してるんだとか。
 中にやたらとしっかりしたガキ(じゃなくてお友達)がひとり居て、会費集めて自分達でクリスマスケーキを作ったり、唄を歌ったりゲームをしたりなんて事を考えているようです。まぁ、先日のお誕生日会が意外と好評だったのに味をしめて企画した事のようですが、なにやら一生懸命になってやってます。クリスマスソングをあれこれテープにダビングしてみたり、飾りつけに使うリボンやら色紙などをせっせと集めてなにかと忙しそうです。
 例によってぜったい企画倒れになると思うんだけど、正美はみんなで「美女と野獣」のお芝居をやるんだと、一生懸命のようです。自分は主人公の「美女」と決っているのは、一応演出家としての特権というやつなんでしょう。「野獣」は身体のでかいお友達がやるとかで、「美女と野獣」の絵本眺めては、あれこれと衣装選びにも熱が入っているようです。ところで野獣のメイクはどうするつもりなんでしょう? 「マジックで顔に直接書いたら」なんて、父親の無責任な提案にも真剣に検討している様子もちょっと怖いものがあります。マジックで顔にらくがきしたら後が大変だぞ。
 麻美はポット夫人とか、その他もろもろのキャスティング与えられてどうしようかと悩んでます。ガストンをやる人が居ないとか、ローソクだと髪の毛剃らないといけないから大変だとか、どんなお芝居にするつもりなんだか・・・そんなもの総勢6人の出演者で出来るわけないだろう。と言うか、全員でお芝居すると観客が誰も居ないことには気づいてないようです。

 もう寝なさいと言われて3階の自分達の寝室に上がってからでも、なにやら洋服を引っぱり出してごちゃごちゃやってるようです。当分お芝居熱は醒めそうにもないんですが、一体どんなものが出来るのやら。



12月5日(Sat)

 本日は1日中「お留守番」でした・・・と云うか、現在も「お留守番」続行中です。はい、夕方に出かけた奥さんの帰りはいつになるんでしょう。
 なんだかめちゃめちゃリキ入ってたからなぁ、本日のわが家の奥さん。見覚えのないコートはひょっとすると今年2着目でしょうか? いつの間にそんなコート買ったんだか。う〜ん、そのバッグもあまり覚えがないけど・・・迂闊にそんなことを詮索してせっかくの奥さんの機嫌が悪くなったら困るので、えぇ、なにも言えませんでした。奥様連中が集っての忘年会にイチャモンでもつけたら、後でどんな恐ろしい事態がまきおこることやら。ここは大人の分別あって然るべき場面なんでしょう。というか、日頃の後ろめたさからなにも言えないんですけどね。
 なんでもスペイン料理のお店で、「メニューが脂っこいからおいしくないらしい」とか言いながら、なぜかとっても嬉しそうなんですが、そのあたりも迂闊な感想は漏さないように、大人しくしておりました。

 子供達も寝ちゃったし、これからひとりでテレビでも見ますか。って、別に寂しい訳じゃないんですよ、えぇ・・・とほほ。<やっぱり寂しそう。

 「夜もヒッパレ」独りでみてるのはとっても空しいなぁ・・・今ごろ奥さんは二次会でカラオケなんでしょうか・・・だから、寂しいくないって言ってるじゃないですか。



12月6日(Sun)

 ここ1週間ぐらい、Macの挙動がどうにもおかしいのでこれはひょっとすると「ウィルス」なのかもと思って、Mac用のウィルス検査ソフトとしては定番の「Disinfectant」でチェックなど。うーん、一応怪しい処はなさそうだったのですが、手元に有るモノのバージョンが古いので、やっぱり最新版で検査した方が良いだろうとWebで検索してみると、どうやら去年から全然アップデートがされていないようです。Macに感染する新しいウィルスなんてものを作ろうとするプログラマーも少ないからアンチウィルスソフトの「Disinfectant」もぜんぜん更新されていないようです。
 でも一応念のためとあれこれ検索してみると、どうやら今年になって香港あたりで発生した新しいウィルスが存在するようです。それもDTP関係に蔓延しているようで、どうもこいつが怪しそうです。市販の「ウイルス検査・ワクチンソフト」を買えば良いんでしょうが、でも、絶対フリーウェアでワクチンソフトが出ているような気がするのでいろいろと検索してみる。
 がはははh、ビンボーくさくてすいません。でも、何年ぶりかで出現した新種のウィルスの為だけに市販ソフト買うのもバカバカしいかぎりだからなぁ・・・あぁ、やっぱりありました。最近のMacの事情に疎いだけで、けっこうあちこちで話題になっていたようです。
 さっそくワクチンソフトダウンロードしてチェックしてみると・・・きゃー、やっぱり。あぁ、しっかり感染してるじゃないですか。これって感染源は絶対あそこだよなぁ・・・先方からファイルもらっての仕事って最近では例の「木曜日」のクライアントだけなんです。まったくなぁ・・・仕事も最低だけどウィルスまで持込んでくるようでは本当にどうしようもない会社です。でも、先方の担当者はなにも知らないんだろうから早めに連絡しないとアッという間に被害がひろがってしまうのかも。明日さっそく連絡しないと。
 コンピュータウィルスなんてものにホントに遭遇するとは思っても見なかったんですが、どうやらこんな田舎の印刷業界の人間も認識を改める必要がありそうです。

 ここにリンクしておきましたので、MacでDTP関係のお仕事してるような人でチェックがまだだったら一応ダウンロードしておいた方が良いみたい。
 って、お仕事なのにアンチウィルスソフトも用意してない僕とかまわりの会社がお粗末なだけなんでしょうね。



12月7日(Mon)

 一昨日の土曜日、忘年会だという奥さんを車で30分ほどの待ち合せ場所のお店の近くまで送って行きました。最初は電車で出かけるという話しだったのですが、あいにくの雨模様だったせいで送っていく事に。
 駅で待ち合せて一緒に出かける予定だったご近所の奥さんもついでに同乗したんですが、わが家の奥さんは自分のお友達に僕のことを紹介するのがあまり好きじゃないようです。それはなぜかと言うと、大抵の初対面の方が「夜久さんのご主人ってやさしそうな人ね〜」と、妙に僕のことを誉めるのが気に入らないようです。えぇ、日記関係の方には口うるさくてどうしようもなく性格の悪いテロリンオヤヂとしてつとに有名なんですが、現実の世界では口数少なくてこまめに動く良くできた旦那というキャラクターで押し通してますから、事情を知らない方などはコロリとそんな演技に騙されるようです。
 わざわざ車で送ったりして、忘年会などと称して出歩く奥さんの夜遊びに理解がある良き亭主と思われているようですが・・・なに、日頃の自分自身の後ろぐらい行動の穴埋めに、たまには奥さんにも出かけてもらった方がありがたいぐらいなんで、そうしているだけです。要は姑息なギブアンドテイクなんですが、そんな事を知らないよその奥さんには単に「気の良いご主人」という風に映るようです。奥さまの人間観察眼をごまかすなんてチョロイもんです。がはははh、
 まぁ、自分にとって得策ではないと考えているのか、わが家の奥さんもあまりムキになって否定する事もないので、未だにいい加減でだらしないこの僕のことを誤解している奥さん連中というのは多いのかも知れません。テロリンオヤジの日頃考えている事を知られたりした日には、一気にそんな評価が下落するのは目に見えるようです。うん、この日記読まれただけでもかなりヤバイかも。 

 やさしいんじゃなくて、たんに飽きてるだけなんですけどね。まぁお互様と言う事でわが家は平穏無事なんですが・・・相手がなにを考えているかなんてことは、あえて想像しないことにしています。
 そんな事が結婚生活の極意なのかも知れませんね。がはははh、この部分はわが家の奥さんにはナイショ。



12月8日(Tue)

 要は、日記猿人について何ごとも為していない人間は文句を言わずに大人しく管理者の言うことに従っていればよろしいと言う事なんでしょうか?
 「日記猿人」が個人のHomePage上の単なるコンテンツ・Web日記のリンク集なのか、それとも望むと望まざるとに関わらず公的な性格を帯びてしまった巨大なコミニュケーションの場なのか・・・なんてことは「日記リンクス」の崩壊の時にもさんざん議論された記憶があります。まぁ、僕は別に「日記猿人」が池川さんと遠藤さんのモノでも一向にかまわないし、何もしていない奴は文句を言うなとする遠藤さんのお考えも、それはあって当然だとは思います。ただし、僕は日記猿人に何も貢献していないから文句を言うことを止めようとは決して思わないだけですが。
 これからも、「日記猿人」について自分に言いたいことがあれば日記にも書くし一行コメントにも書くと思います。それがダメだとおっしゃるなら、僕の日記を削除するなりペナルティを課すことは「日記猿人」の管理者たる遠藤さんのご自由でしょう。えぇ、そうした権限を遠藤さんが持っていることは当然承知しています。

 まぁ何れにしても、僕自身の存在は何処にあっても「異分子」で在り続けるんでしょう。なれ合うよりも疎まれる事の方がずっと気が楽に思える人間ですから。



12月9日(Wed)

 最近特に日記が短めなのは・・・まぁ、訳を書くまでもないですよね。
 なにもヤル気にならない日というのが頻繁で、そんな時は1日中ボーっとしてるだけなんです。昼間でも5分で返事書くというのをモットーにしているんですが、メールのお返事も滞りがちなのは、僕としては珍しいかも。あ、メールチャット系のお返事なら簡単なんですけどね。えぇ、なにも考えないで脊髄反射で書くメールならぜんぜん平気です。
 と言う事は・・・僕からすぐに返事が届いたら、それはなにも考えてないお返事だという事なんで、あまり深読みしないようにお願いしますね。<そうやって言訳するあたりが、すでに己の考えなしの発言に対する開き直りなんでしょうね。

 などと・・・言訳にもならないような言訳で日記書くのもいい加減にしないと。

 本日もオチがない模様です。その上、いかにもヤル気のなさが横溢してます。日記に飽きてると言う事よりも生活に飽きてるような処が、一層ダメなのかも。
 言訳とゴマカシが、つまりは僕の人生なんでしょう。



12月10日(Thu)

 今日は子供達と一緒にツリーをだしてあれこれと飾付けなどを。<仕事しろよ。
 確か、子供達の生れた年の冬に買ったわが家のクリスマスツリーはかなりくたびれてるようで、枝ぶりも何となく貧相なんですが、今さら買替えるのもバカバカしいような気がして、毎年「まぁ、イイや」という事で結局古ぼけたままです。
 どうせなら本物のもみの木でやりたいところですが、そんなものをどこに置くのかを先ず思案しなければいけない「うさぎ小屋」住いの身には、どう考えても不釣合いなようです。いわゆるアメリカ映画の中の世界に憧れた団塊の世代のオッサン達の妄想が育んできた日本のクリスマスの風景には、やはり安っぽいビニール製の組立式のもみの木とプラスチック故の毒々しい色合いの飾付けがピッタリなんだと思います。

 で、メイドインチャイナの電飾で飾りたて、タイで飼育された鶏のもも肉と、どこの家庭も似かよったオードブルをテーブルに並べ、工場から冷凍されたまま店頭に並ぶ大量生産されたデコレーションケーキを家族みんなで食べれば、そうしたちっぽけなシアワセが満喫できるんですから、まぁ僕達が築き上げてきたシアワセとはなんといじましい代物なんでしょう。
 もっとも、シアワセだと思えたのは単なる僕の錯覚だったのかも。

 暮れのこの時期になると何となく不吉な予感がするのは、果してただの「予感」なのでしょうか。それとも既に見てしまった未来に対する抜きがたい「諦め」なのか・・・いずれにしても一瞬の時間の中を生きる人間にとっては己のシアワセなど、なにほどの意味もないのかも知れません。



12月11日(Fri)

 ここの処毎日電話がかかってきて連日一緒になってあそんでいる、近ごろの正美の一番大切なお友達の布井さんちに、明日はお泊りでお出かけらしい。オフミなのか?<違うって。
 普段のしつけのいい加減さが露呈するから、親としては麻美や正美をよその家庭に野放しにするというのはかなり不安なんですが・・・まさに三つ子の魂という奴で、今さら焦っても仕方がないので、そのあたりはまぁ見なかったフリをしておくに限ります。
 そんな訳で、奥さんは子供達の新しいパジャマ買わなきゃとか、7分袖の肌着も買わないといけないしなんて、ひとり騒いでます。別に昨夜着ていたパジャマを洗濯して持っていけばそれで問題ないと僕は思うんで、そんなお泊りのためだけに新しいパジャマやら新しい下着まで買い揃えなくても良さそうな気もするんですが、母親としてはこうした場合に色々と不明な情熱に駆られるもののようです。単なる「見栄」とも言いますが。
 そんな訳でうっかり奥さんのお買物のお付合いを・・・あぁ、子供達のパジャマ選ぶぐらいならそれほど時間がかかるわけではありません。普通なら半日仕事ですが、今日はせいぜい1時間ぐらいだったでしょうか。やれやれ。
 わはははh、どうしたってそれぐらいはかかります。えぇ、奥さんにしてはかなり投げやりな買物ぶりなのは、近所のスーパーのパジャマコーナーに迷うほどの品揃えがなかったせいなんです。これで駅ビルだとか百貨店などでお買物をすれば間違いなく1日かかるから、明日のお泊りに間に合わないので仕方なく近くで間に合せただけのようです。
 えぇ、僕だったら1分で終る買物なんですが。

 ピンクとブルーのテディベアのパジャマにしました。なぜか正美は好きな色はブルーなんです。奥さんは女の子だからという事でやたらとピンクや赤を着せたがるんですが、正美は昔からそうでした。
 麻美の場合は、これはもういかにも女の子然としてないと落ちつかないタイプなんで、当然ピンク。自分が気に入らないと親がどう言っても着ない奴なんで、麻美のものを選ぶ時はついついピンクになりがちです。あんまり似合ってないのは本人にはナイショですが。



12月12日(Sat)

 お泊りにだけなら、別に夜になってから出かければようさそうなものなのに・・・朝食が済んだらさっそく出かけようとする正美に、「いくらなんでも早すぎるんじゃないの。お友達のお母さんにはチャンとその事を話した?」と訊いてみると、案の定子供達だけで「明日は朝からあそぼう。」「うん、そうしよう。」という相談がまとまっていただけでした。もう一度確認させると、午後1時に来てと言われてちょっとガッカリしているようです。
 パジャマや替えの下着にバスタオルまで持って、子供達のリュックサックはどこぞへ旅行にでも行くようにえらい大荷物です。その上落書用のノートやら筆箱一式、最近寝る前に必ず枕元に置いている小さなぬいぐるみまで詰め込もうとするから、麻美など重い荷物にふらついてます。
 いい加減にしておけばと言う父親のコトバに、しぶしぶぬいぐるみは諦めたようですが、それにしても大げさな荷物であることにはかわりがありません。さらにビニール袋にプリンやヨーグルトにパックのジュースと、冷蔵庫のあまりもの目一杯詰込んで、正美などはまるっきりホームレスのよう。
 明日は何時に帰ってくるのやら。そんな訳で今夜は奥さんと二人・・・むふ、<また1ヶか? いやん、

 夕食は面倒だから二人でファミレスにでも出かけますかと尋ねると、奥さんは居酒屋あたりでイッパイやろうだとか。う〜ん、最近忘年会で「アンズ酒のロック」なんて代物をずびずびやるのを覚えたらしくて、なんだかちょっとコワイです。その後はひょっとすると「カラオケ」なんでしょうか? 奥さん、最近はやたらと燃えてるからなぁ。
 そんな訳で早めの予定日記なんですが、どこに出かけるかはまだ決ってません。

 で、僕は運転手なのでここでも「コーラ」がぶ飲みなのかなぁ・・・とほほ。



12月13日(Sun)

冬の午後

曇りがちの空は手が届きそうに低い

ものぐるおしく垂れこめた灰色の空の下・・・

真っ黒な火山性のdesertには

音もなく突風が吹き抜けていく

不確かな関係性を確かめるために

わたし達はお互いのポートレートを撮る

人気のない背景の前で微かにほほえむ「おんな」に

昨夜のベットの上でわたしに見せた

淫らな面影はない

こうしてシャッターを押すわたしは

この「おんな」と肩を並べて

desertの風景のなかにおさまる術はすでにないのだと

不意に気づいたのだった

 冬枯れた風景のなか、急斜面に不安定な姿勢で立つ「おんな」の姿が夢の中に浮ぶのだが・・・その顔をしかと確かめる事の出来ないのは、既に夢見る前から承知していたような気がします。



12月14日(Mon)

 昨日向いの公園で、子供達の学校の同級生が散歩させていた犬に正美が噛み付かれたらしい。
 至ってのんびりした奥さんで、傷もあまり大したこともなさそうだからとそのままにして、病院にも行かず、先方にも連絡していないんだとか。そんな事も今日になってから言い出すからなぁ・・・って、はい、父親はぜんぜん知らされてませんでした。<日頃の己の無関心さ故なんでしょう。自業自得とも言います。

 帰ってきた正美の右手見てみると、そう酷くはないにしても引っかき傷と内出血の跡がしっかり残っていて、ふざけて甘咬みしたと言った程度ではないようです。もうひとり、小学2年生の男の子もお腹を咬まれたらしくて、そっちは正美以上にひどくて奥さんが応急処置しておいたようです。どうやら咬み癖のついた犬を子供だけで散歩させてるようで、飼い主だけが気づいてないのだとすると危険すぎるよなぁ。それもジャーマンシェパードのずいぶんと大きな犬のようです。小さい子にでも飛びかかったら大事だからと、一応飼い主に電話してみると、案の定、親の方は何も知らなかったようです。
 犬が人を咬むのは100%飼い主の責任なので、きっといい加減な人達なんだろうなと思ってると、やっぱりそのようでした・・・電話でのやりとりは省略・・・がはははh、
 犬を飼うことの責任と自覚の足りなそうな人達なので、こうした時はきちんとした対応を覚えてもらおうと、正美は医者につれていって診断書を貰うことにしました。えぇ、かなりイヤミ入ってますが、こんな飼い主のせいでどこかの子供が大ケガでもしたら子供も犬も可哀想でしょう。飼い主の事はシラン。

 実は僕も小さい頃に咬まれたことがあって、正直なところは今でも犬が苦手です。猫に引っかかれたことも何度も。えぇ、要は余計なチョッカイ出して反対にやられてばっかりだったんですが・・・未だにそんな癖が抜けないのかも。



12月15日(Tue)

 どこやらの住宅街・・・きっと「ヴィラ・○○」とか「邸宅の丘・○○」なんて、こじゃれた名前の付いた、それでいてビンボーくさいただの建売住宅の集合にしか過ぎない街で、それぞれの家庭が競うように建物の外観をクリスマスのこの時期に無数のイルミネーションやら照明器具で飾りたてるのがブームになっているらしい。日頃の長時間の通勤と果て知れぬローンの支払いに追われながらも、自分達のシアワセを外に向けてアピールするよい機会だと言わんばかりに、それぞれの家庭なりに精一杯に飾りたてているようです。
 郊外に自らのシアワセを追いやられたせいで、あたりには街灯もあまり見当らないような処で、イルミネーションが闇夜に映えるのがまたどうにも切ない気分なんです。いわゆる神戸のルミナリエの地域限定貧乏くさバージョンとでも言ったところでしょうか。

 えぇ、何日か前に朝のワイドショーでそんな映像をチラと見て、日頃のミーハー魂がメラメラと燃上がってしまったのは、まぁ何時もの悪い癖という奴なんでしょう。
 ちょうどツリー用のイルミネーションの古いものがたくさん余っていたので、通り面した窓にそんなものをぶら下げてみたり、わざわざ外から見える位置にツリーを移動したりして・・・スイッチ・オン。
 「ちかちかしてとってもキレイ、(はぁと)」と奥さんに大好評です。えぇ、結構僕も好きかも。<好きなんかい! 

 日頃はバカバカしいことにはあまり乗気じゃない奥さんなんですが、こんなのはマジで好きなんです。どんどんエスカレートしてご近所と見栄のはりっこになったりするとそれはそれで大変そうなので、あまり奥さん乗せすぎるのも要注意かも。


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