デーテーペーな1日

1997.4.16~30

日記関係の発言はこちらで。
4月16日(Wed)
日々の日課

 執拗に鳴り続ける玄関のチャイム・・・その音に目覚めると、海の底のように蒼黒い光が何重にも閉ざしたカーテン越しに部屋中にゆらめいているような気がした。今は夜なのか昼なのか、それすらも判らない。なにやらひどく長く寝ていたような気がする。昨夜の記憶を探ってみても、まるで突然の記憶喪失者のように一切が曖昧で、何ひとつ浮んでこない。方向感覚を失ったまま玄関に向う間もしきりに記憶の襞を探ってみるが、真っ黒な記憶の闇だけが頭の中でカラコロと音をたてるだけだった。

 「印鑑お願いします」

 Tシャツ姿に宅配業者の帽子だけをかぶった男が認め印を返すと、かなり大きめの荷物をドア越しにズルズルと押込んだ。長さはおよそ1M以上・・・精密機械の移送にでも使いそうな厚手の段ボール製のその荷物は固く凍り付いていて、ひとりで持運ぶのに苦労するほど重かった。傾けると何かがゴトリと動いた。宛先欄の書かれたシールはひどく傷んでいて。辛うじてラベルにある私の名前だけは読みとれたが、後は破けたりインクが滲んだりでどこから届いたものか、まるで見当もつかなかった。ガムテープを剥がすと、中の荷物も凍っていた。
 透明なビニール袋で何重にも縛られたその中味は・・・年若い女性の完璧なトルソーだった。
 両手両足は付け根の関節にそってきれいに切断されていた。そこから覗いた真っ白な骨とそれにまとわりつく靭帯や筋肉の組織は少し融けかかって、ピンク色のしずくが灰色の段ボールにぽたりぽたりと音をたてて滴り落ちていた。

 ポーズを取ることを拒絶するトルソーの、それ自体がもつ厳しい美しさに魅せられた私は、ただ黙って「それ」を眺める。
 小ぶりな乳房はすでに弾力を失ってはいたが、バランスの取れたその優美なカーブはいささかの崩れもなく、凍り付いた乳首はいまだに固く張りつめていた。扁平に引き締った下腹部から続く茂みと、その奥のふたつに合わさったラビア・・・そこに見覚えのあるほくろを見いだした私は、現実世界の記憶が一気に蘇える。

 そこにもう一度玄関のチャイムが・・・今度はみかん箱ほどの荷物が届く。そう、この中にはやはり私自身が荷造りしたおまえの首が凍り付いたまま入っている。午後には両腕と両足が届くのだろう。お前のトルソーも荷札を貼替え、もう一度宅配業者に持たせることになる筈だ。
 こうしてお前は何度でも私の元に届けられ、私は印鑑を用意して待つことが日課となる・・・

 見知らぬ宛先から荷物が届いたりすると、妙に胸騒ぎがすることがあります。何が出てくるのか・・・いろんなモノを宅配便で送る人間と言うのは確かに存在するようです。


4月17日(Thu)
 PTAネタもずいぶん久しぶりの様な気がします。はい、何となく脱力気味だけど、行きがかりで今年もPTAのクラス委員引受ける事になりました。しかし、双子は必ずクラスが別れるので、こんな調子だと6年間ずーっと委員やることになったりするのかも・・・う〜ん、それはイヤすぎかも。
 で、今年最初の保護者会に出席してきました。例の「茶パツでイェーイ」の彼女とも今年は縁が切れてしまって、最近あまりおしゃべりすることもなくなってちょっと寂しいのかも。お母さん連中も子供たちが2年生ともなると急速に学校への関心も薄れているのか、本日の保護者会は何となく低調で盛り上がりに欠けていたような気がしました。もっとも、PTAの保護者会がそんなにノリノリで、教室で先生交えてお母さん達が大騒ぎするのもどうかと思いますが。

 相変らず、なんのために出席しているのか良く解らないお母さん達ばかり。なるべく面倒なことは避けたいのがありありと見えるけど、そんないイヤなら黙って欠席すればいいものを・・・どうもまわりの目を気にしてただ出席しているだけ、みたいなヒトが多すぎるようです。仕事を持っていても当然のように家事をこなすことを要求される忙しい日本の奥さんにとっては、まぁ、いまのPTA活動があまりにも魅力に欠けているのがその原因かも。そんなつまらないモノのせいで余計な雑事を増やしたくないのは当然でしょう。
 つまらない退職教師のつまらない人生講話の講演会だとか、今さらのようなベルマーク蒐集とか、いかにもヒマな人間にしか思いつかないようなくだらない事ばっかりやってるから、みんなに敬遠されるのでしょう。その上、どうしても断りきれずにPTA役員などを引受けても、ひたすら頭の上を「PTA役員」という厄介事が通り過ぎるのをじっと我慢しているような気分の人達ばかり。

 う〜ん、やっぱりPTA活動もこの際だから先ずは「カラオケ」あたりから始めるのが、現状打破には必要なのかもしれません。
 きゃー。結局はPTAダシにして「奥さん達」と遊びたいだけなのか?、このオヤヂは!

 がはははh、しかし一度はPTAで「カラオケ」でもやってみるのも楽しいかもしれませんね、秀島先生。オバサンは呼ばないで、もっぱら若い「奥さん」集めて秘かに・・・、きゃー。


4月18日(Fri)
 たまに仕事に熱中して、うっかり日記のネタを何も考えないまま、キーボードをポチポチ打ちはじめてから、はて?どうするかと考えて見たりする日が最近は多いような気がします・・・マンネリの兆候なんでしょうね。仕事自体に飽きてるという噂もちらほら。まぁ、飽きていてもマンネリでもやらなければいけないのが「お仕事」なのはどちら様もご同様でしょうか。そうか・・・更新が義務感になり始めたらそろそろヤメ時なのかも。
 そういえば、最初にネットサーフ始めた頃は矢鱈とリンク集に登録したり、なんだか不明な書込みをあちこちにしてました。投稿募集なんて処にはむやみやたらに書込んでいて、たまに覗いたりするとまだその当時の文章が残っていたりして非常に恥ずかしいです。う〜ん、あの頃は本当にうぶな若者でした<大うそ。
 がはははh、まぁ何事も「日記」なんだからと云う一言で片づけるのが、お気楽ご気楽で続ける秘訣なのでしょう。世の中には何十年と日記を書き続けて大学ノートが山になってます、なんて人はゴロゴロしてますから。Web日記もせいぜい始って2年・・・これからが長いのかなぁ。

 しかし、こんな事ばかりウダウダと何十年も書いているのはやっぱり悲しすぎるかも。でも、それって・・・日本の日記文学の伝統には正しく則っているのかもしれません。うん、このなかから平成の方丈記やら更級日記、あるいは紫式部日記が・・・出る訳ないか?

 ちび字も書くことないなぁ。別にコレといって何を書くと決っているわけでもないけど、結局日記の解説になってるようだから、従って日記の中身がない日はちび字も脱力するのみ。


4月19日(Sat)
 やっぱり、続くときは続きますね・・・PTAネタ。

 新年度に入ってまた色々と新しいメンバーとの顔合せがあったり、PTA総会があったりで学校にでかける機会も増えているようです。しかし、面倒だなぁ。もう来年はやめることにします。あまり可愛いお母さんもいないし。きゃー。
 あらかじめ決められていた議長と書記を選出するのにも、父兄席の一画から「議長一任!」とかのお母さんの黄色いかけ声かかったりして、どうも八百長くさいけど、いわゆる「シャンシャン総会」はどこのPTAでもお決まりなんでしょう。だったらこんな事最初から省略すればいいのに・・・コレって去年も同じ事書いていたような気がしますが、やっぱり愚痴が多いのは根っからの性分なんでしょう。う〜ん、進歩がないのはお互様ってヤツですなぁ。

 PTA総会後には、そのまま居残ったお母さん達集めて懇談会と云うのも例年通り。
 お決まりのご挨拶の後に、なにやら女性3名のグループが登場して童謡やらオペラ(!)の一節を唱うのは、一体全体どういう趣向なんでしょう?白木さん好みの、音大出の"行き遅れた"お嬢様3人組で、ひとりがピアノ伴奏受持って、残りの二人が、いわゆる「由季さおり姉妹」よろしく日本の名曲を朗々と歌うのは・・・ひたすら僕には退屈でした。
 やれ終ったのかと拍手したら、そうか!アンコールでもう一曲歌うのね。う〜ん、最後にもう一度童謡きかされて、完全に脱力してしまいました。しまいには花束贈呈とかもチャンとあったりしたけど、NHKの音楽番組を1000倍つまらなくして、10000倍ビンボーくさくしたモノと言えば、少しは伝わりましたでしょうか?

 やっぱり出席するんじゃ無かったかも。でも、日記のネタになったからイイのか。

 がはははh、ホントにお母さん達集めて「PTAカラオケ」行くかもしれません。結構ノリノリなお母さんばかりで、後は時間を決めるばかりかも。そうか・・・新曲も少しは練習しないとね。ミスチルは活動休止?だから、この際はシャ乱Qを重点的に。


4月20日(Sun)
 今日はそんなに遅くなる予定ではなかったのに、ついつい、ファミレスでおしゃべりしていて遅くなって日記の更新がこんな時間に。

 いえいえ、日記者のオフミなどではありません。で、どこへ出かけたかと言えば、これが・・・何故か、東京都日野市にある「日野ケーブルテレビ」を見学。
 東京の多摩地域には都市型CATVがあちこちにあって、最近なにかと話題になるケーブルテレビによるインターネット接続の可能性について色々とお話しなんゾをしてきました。
 人口16万人・世帯数6万5千程度の地方都市でケーブルテレビ事業を軌道に乗せるのはなかなか大変そうだなぁ・・・と言うのが感想ですね。3階建てのきれいなビルと立派な設備で、広いスタジオもチャンと完備しているのに、番組制作に係わるスタッフは3名ぐらいと聞かされて・・・う〜ん、やっぱりハード先行型なのは母胎にそうした機器メーカーが色々とからんでいるからなんでしょうかねぇ。まぁ、ケーブルテレビ局ってのはメディアじゃなくて、回線を売るのが主たる業務と言うのが実体なんでしょう。だから、そうした地域密着型のニュースは、ほとんどおまけ的あつかいみたいで、はなから作る側も見る側もまるで中味なんぞに期待していないように思えました。その上、インターネット関連のメンテナンスやらユーザーサポートにさける人材なんて手配つくんでしょうか?なんだか、部長さん自らとっても不安そうでした。<あぁ、URL入りの名刺を渡しているのに、こんなこと書いていていいのでしょうか。やっぱり、「きゃー」なんでしょうね・・・

 ケーブルテレビからのインターネット接続の何よりの魅力は、なんと言っても24時間繋ぎっぱなしの定額料金制という処でしょうね。しかし・・・そうなると僕なんゾはいつお仕事することになるのか?、まず自分自身がとっても不安。


4月21日(Mon)
 2、3日前から何故か「クッキーが作りたいから、お父さん材料買ってきて」と子供達がうるさい。そうなんです・・・わが家では分量計ったりホイップしたりのお菓子づくりは父親がするものと子供たちはすでに承知していて、母親にはそう言ったリクエストはしません。沖縄育ちのわが家の奥さんは、基本的に料理は「炒めもの」と「あげもの」のバリエーションですませてしまうような処があって、あまり手の掛るレシビに興味がないので、クッキーやら手づくりパンなんかをちまちまと作るのはもっぱら父親の役目なんです。もっとも最近はほとんどそんなものを作る機会もありませんし、なにより本人がすっかり飽きてます。子育てに飽きてしまったと云う噂もありますが・・・
 しかし、クッキー作るために学校から走って帰ってきたと言われると、まぁ・・・つくらない訳にもいかないでしょう。
 わざわざ買物するのも面倒だなぁと冷蔵庫の中を覗いてみると、ちょうど油くさいマーガリンが有ったので、後は小麦粉と砂糖を適当にこねただけの何やらクッキーもどきを作ってみました。
 味覚音痴な親子はそんなクッキーを「おいしい、おいしい」と、調子に乗って食べすぎたせいで、夕食時にはすっかり満腹していた模様。しかし・・・せっかく出された料理を残すと奥さんに叱られるので、クッキーでお腹いっぱいなのに、味覚音痴な親子はなんとか無理して夕食も全部食べたようです。
 う〜ん、夕食は揚物でした。完全に胸やけです。はい、食後の胃薬はわが家では欠かせませんてば。<しかし、コレの何処が「デーテーペーな1日」なんでしょう?

 油っこいマーガリンと天ぷらが胃の中であぷあぷしてます。そろそろサッパリした食事が欲しくなる世代に突入か?それはそれで悲しいと思う。


4月22日(Tue)
 訃報と云うものは、概して突然に届くものと相場は決っています。

 嘗ての仕事仲間というと、大体が同世代か精々何年か年上ぐらいで、まだまだ長患いでやせ細って死んでいく人間は少なくて、大抵が「突然死」やら「事故死」だったりするのが、そうした唐突な印象の原因のようです。動脈瘤破裂で救急車で運ばれた時点で、すでに手の施しようがなかったとか・・・そして、徹夜明けで自宅に戻る途中のバス停に倒れているところを見つけられたと聞くと、社長なんゾと名乗ってはいても、部下に仕事を押しつけるのがへたくそで、仕事が混合うと結局自分一人で明け方まで仕事をしていた、人の良さそうな彼の横顔がすぐに浮んできました。
 美食家で血管系の持病が有った彼には不規則な生活とストレスまみれの仕事で何度か入院したことが有ったはずで、たぶんその事が若すぎる彼のその死の原因なんでしょう。残された家族の嘆きは大きそうですが、まぁ・・・父親や夫として同じ立場に立っている僕自身に置換えて考えてみると、それなりに良い死に方のような気がするのは、例によって自分勝手な感想なのかもしれません。
 ボケ老人になり果てて、炊飯器から手掴みでご飯食べたり、洋服ダンスにウンコしたりして家族からとことん疎まれながら、なおかつ症状が進んで寝たきりになっても、頭以外の臓器はいたって健康で90歳迄生きてたりしたら、いい加減うんざりでしょう。本人はボケていて何も判らないと言うのは、やっぱり希望的観測で、日々消え失せていく脳細胞と残された意識の中で、人間は深く傷ついているような気がします。
 もうひとつは、長い闘病期間となりがちな「癌死」の場合、少しずつ死んでいく事を本人と家族で確かめ合うような処があって、死んでいく人間にとっては、そんなに納得されたらどうもやりきれないような気がするのです。どんなに慫慂と死についたと聞かされても、やはり死につつある人間にとって自らの死は理不尽きわまりない筈です。死んでいく瞬間には、やはり「存在せぬモノの存在」について声を上げて罵ってみたいけど、もはや死ぬことにすら精根尽き果てているから、そうしないだけなのでしょう。

 そう、冷たい路上に頬を付けながら、あぁ、俺はこのまま死んでいくのかとふいに実感し、暗い視野の向こうで乗合バスが少しづつ近づいてくるのをぼんやり眺め、不意に意識が途切れる・・・そうですね、やっぱり僕自身の理想にとても近い死に方かもしれません。

 死んでいく人間とって、遺された家族の事なんて・・・そんなモノは知ったこっちゃありません。死んでからまで家族に縛られてるなんてつくづくビンボーくさい。死んでいくのは僕自身なんですから。


4月23日(Wed)
 狙う側の方が狙われる側よりも何かにつけて有利だからこそ、貧弱な武器と僅かな人数で国家を向こうに回して交渉のテーブルに付くことができるだと言う、そんな自明のことを忘れてしまったのが、ペルーのテロリスト達の敗因なのでしょう。

 暗闇に潜んで狙撃の為の一瞬のチャンスを窺っていなければならない筈のテロリスト達が、交渉事の合間にゲームやサッカーを楽しんでいると聞かされて、その頃からすでに立場は逆転していたのでしょう。
 狙っていたはずの彼らが、大使公邸でついつい日常をくり返すあまり、いつしか地下に潜んでいた兵士達の息づかいにも鈍感になって、じっと狙われている事にもまるで気付かないまま。
 巨大な国家権力と日々対峙していた彼らの裡で、自分たちが力を備えた存在であるかのような錯覚が徐々に彼らの心を蝕んでいたのかも知れません。愚かな綱引きを国家権力と始めた時点で、すでに彼らに生きる望みはなかった筈なのに・・・ニュース映像で見る彼らはマスクで顔を覆っていても知れるその幼さ故に、やはり何処かで生延びたいと望むココロが楽観や希望を産んでしまったのでしょう。貧困の中で生れ、恐らくは一途な思い故に選んだテロリストとしての彼らの僅かな人生の何もかもが、銃弾と爆風に粉々に引裂かれて終ってしまったとしても、その事で嘆く人間はとても少ないのでしょう。英雄として死んでいった兵士達の名誉を讃えるのは巨大な国家権力に任せて、やはり僕は孤独に死んでいった名もないテロリスト達の死を悼んでみようと思うのです。

 白昼の襲撃はまるでハリウッド製のチープなアクション映画のワンシーンのようで、防弾チョッキ姿もりりしくマスコミの前で意気軒昂とした様子の日系の大統領も、何やらとてもウソくさい・・・

 果断な対応と勇気ある襲撃部隊を持ったペルー国家の威信は満たされたのでしょうか?へなへなの対応と腰抜け自衛隊しか持ち得ない日本国民であることに僕は満足してます。えぇ、腰抜けで結構。


4月24日(Thu)
 2、3日前から「楽しみ〜!」などと無闇に騒いでいたと思ったら、今日は子供たちは遠足だそうです。

 ただし、最近の学校では「校外学習」などと名付けていて、素直に遠足とは呼ばないようです。バス借切って動物園に行ってライオンバスに乗ってお昼にはみんなでお弁当食べるのって・・・やっぱり遠足でしょう。う〜ん、遠足と名乗る事に後ろめたい事でも有るんでしょうか?最近の義務教育は。
 そんな「校外学習」のせいか、こんな時にはつき物の「おやつ」が禁止ってのは、なんだかとても締らないなぁ。僕などの時代は、「おやつは300円まで」なんて制約の中で、いかにして自らの物欲を満たせるかがそれぞれの勝負どころで、1円の端数までもしつこく計算して買物したモノです。秘かに予算オーバーを指摘されやしないかとビクビクしたり、オモチャともおやつとも付かないモノ買ったばっかりにクラスの女子に密告されて先生に取上げられたり・・・思えば遠足の「300円おやつ」によって人生のほろ苦さをしみじみと実感したモノです。がはははh、そんな訳ナイか?はい、小さい頃から姑息なことばっかり考えてました。
 まぁ、普段はそんな風に自分の好きなお菓子を自分の好きなように買えるチャンスがなかったので、ここぞとばかりに張切ってしまったのでしょう。ビンボーくさいと言うよりも、文字どおりビンボーな家庭でしたから。

 モノの溢れる豊かな現代に生きるわが家の子供たちは、そうしたモノに執着する事がほとんどありません。スーパーなどでつまらないゴミの様なオモチャを欲しがったとしても、そんなモノを買っても仕方がないでしょうと言うとあっさり諦めてしまったりして、かえって親の方が拍子抜けしたりします。何事にも執着することのない子供たちの将来が、そんなのんびりしたモノで有り続けるのかどうか? 少し不安になったりします。

 カレーパーティと言いながら、ハヤシライスにするか?とちょっと思案中です。ビーフを柔らかくなるまで煮込むには相当時間がかかりそうで、その点ハヤシライスなら薄切り肉使うので調理が早いんです。まぁ、もう少し考えてみます。
 私信:しかし・・・鷹の爪4つは入れすぎ。ひょっとして種も入れちゃいましたか?アレは種が一番辛いんです。種抜いて、二人で1本ぐらいが丁度良いぐらいかも。


4月25日(Fri)
 しかし・・・刺激的な映像も2、3日でテレビ的には完全に消化されつくして、後は期首に組まれる特番の素材として、股間を直撃したボールに悶絶する野球選手の映像と同列に並べられて、ソレで日本国では事件は完結したことになるのでしょう。
 地球の裏側で子供のようなテロリスト達が射殺され、近くて遠い国では軍事パレードの陰で餓死する子供たちも出ているらしいと言うのに、わが国のテレビの話題はと言えば、相変らずの無責任な場当り的企画ばかり。オウム以後増えてきた午前中からの情報番組系が特にひどいようです。やれ何処ゾのイタリアンレストランは茹であがって5分たったパスタは捨ててしまうだの、天地まりが3ヶ月で15キロ痩せただのと、相変らずのお気楽ネタ。グルメ情報とダイエットのハウツーものって・・・それって、殆どマッチ・ポンプの世界でしょう。
 一方で食欲をそそる映像流しながら、もう片一方ではいかにして楽に痩せるかなんて話題をしらっとした顔で始める人間達ってのは、やっぱり何処か根本的なところが病んでます。美味しいものを食べても、それを消化する事の恐怖にトイレでみんな嘔吐している拒食症の患者のようです。
 こんなものを朝から晩まで眺めている日本の奥さんの脳味噌の中味って一体どうなってるんでしょう?そうやって日々大量に流される馬鹿げたテレビ番組って、オウム真理教のマインドコントロールよりも、トゥパク・アマルのアジテーションよりもはるかに恐ろしいモノのような気がするのですが・・・だからと言って「失楽園」読んで、うかうかと不倫に走るオヤヂとオバサンのカップルってのも、相当におぞましいです。何れにしても、日本人には最早そんな処にしか逃道はないのかもしれません。
 う〜ん、この際だから逃げるならやはり「失楽園」か?

 白昼、大仰な身ぶりで埋葬される者と、夜の闇と共に人知れず埋葬される者・・・何れにしても無機物に分解していく死者の存在に違いがない事が、現代の唯一の「救い」なのでしょう。


4月26日(Sat)
 そうか、学校は第四土曜日で休みだけど、子供たちのバレー教室はいつも通り午後から有るので、その送り迎えが残ってました。
 で、何時ものように子供たちや母親がゾロゾロと出てくるのを教室の前の駐車場で待っていました。今日は何時もより少し遅いかなと思ってると、やがて出てきた母親や子供たちが何やら大きめの茶封筒を大事そうに抱えているのをみて・・・う〜ん、何だかとてもイヤな予感が。

 「おとうさん、はいコレ」

 どれどれ・・・「日本・ニュージーランド少年少女バレエ文化交流」?、「国際市民交流事業」??、「オークランド市長からのお誘い」???
 なんでしょう?またバレーの発表会かな・・・「ニュージーランド・ノーザンバレーカンパニーとの合同公演」、「ご旅行代金・お一人様¥245,000」
きゃー。
 今年は南半球でバレーの発表会とわ!またもやってくれました、とほほ。
 日程表見れば4泊6日のビンボーくさいただのパック旅行だぞ! それも食事は朝食だけ! キウイ農園やら羊の牧場見学して、一体何処が「バレー文化交流」なんだよ!例によって彼の地でも、メイクさんの昼飯代やら会場設営費用さらには特別レッスン料だとか、また訳の分らない請求書が廻ってくるのは目に見えているのだとすると、それも数十万円・・・何度も言ってるようにわが家は娘2人いて、なんでも一緒ですから、当然全ては×2する事になるから、ああああああ、もう計算するのもヤダ。
 お願いだらか、通うのは書道教室かそろばん教室にして。ナンならふたつ一緒でもイイぞ。

 そろそろ来週のカレーパーティの下準備でもするかと近所のスーパーまでお買物する予定でしたが、完全に虚脱状態・・・奥さんも行きたいそうです「ニュージーランド」。


4月27日(Sun)
 あぁ・・・何だかとてもよい行楽日和ですね。こんな日に仕事ではまるでやる気になりませんが、普段サボってるツケがこんな処に出てきたりするのがフリーランスの悲しさ。世間一般のゴールデンウィークとは毎年少し違います。
 とはいえ、今年は連休前の仕事がとても少なかったようで、普段とあまり変りません。僕なんかがお付合いしている印刷会社とかデザイン事務所ってのは、いわゆる典型的な「中小企業」なので、今年は暦どおりのお休みという会社が多いようで、普通の連休と仕事の進行は大して違わないようです。印刷業界もいつまでたっても景気が悪そうですね・・・マックによるDTPで写植屋さんがバタバタ潰れたと思っていたら、最近は製版屋さんに迄それが拡がっているようです。う〜ん、最終的には印刷屋さんが潰れて、それで印刷業界ってのはおしまいなのかも。
 かといってWebデザイナーってのもどう考えても精々ここ数年の業種でしょう。プロとアマの差がどんどん曖昧になってきてるインターネットの世界で、お金払ってまで発注するようなお仕事って、どう考えても少ないような気がします。それとも、今こそが「格安でHomePageのデザイン承ります」とか言って、素人相手にボッタクる絶好のチャンスなのかも。
 だけど、インターネットのWebページでお金もうけるのって、なんだかひどくめんどくさいような気がします。奥さんの手前、そう言ってごまかすのには良い口実だけど、インターネットが全世界に向けた情報発信だとか、千載一遇のビジネスチャンスとかって言張るのは、そろそろヤメにした方がよろしいのでは? 特に日本語オンリーの日本のWebページなんて世界は、とても狭い箱庭でみんなが右往左往してるから活気があるように見えるだけのような気がします。

 前半にこんないい天気が続くと、ゴールデンウィークの後半のお天気が心配ですが、なるようにしかならないのが人生でしょう。傘さしながら河原でびしょぬれになってカレー食べるのも、それはそれで楽しいのかも知れません。僕はヤだけど。
 ま、土砂降りなら僕の家でやりましょう。しかし、わが家の駐車場でゴザ広げてカレー作るのは・・・近所の手前ちょっと勘弁して欲しいですが。


4月28日(Mon)
 やっぱり、この時期に子供がお腹が痛いとか下痢してるとかって聞かされると、なにかと気になったりします。
 2、3日前から麻美の方が下痢していて、すわO-157か!と、うちの奥さんなど大騒ぎして病院まで連れていったのですが、本当にあの病気だったら、呑気そうに町医者で診察の順番待っている状況ではないようです。基本的にクスリもあまり効かないようで、ひたすら本人の抵抗力に任せるしかないので、体力のない小さい子供から犠牲者が出るのが当然だとか。
 で、診断の結果は風邪からくる腹痛と下痢だそうで、大事をとって先週末から学校は休んでいたのですが、今日あたりはようやく直って元気に登校した模様です。はい、子供たちが学校に出かける時間は僕は寝ていて、何時頃に出かけるのかもよく知りません。まぁ、昼にいないからたぶん学校に行ったんでしょう。
 そう言えば最近は「お家で手巻寿司」なんてコマーシャルもあまり見なくなりました。原因はもちろんカイワレなんでしょうね・・・最近のニュースでまたもやカイワレから病原菌が出たとか言ってましたから、今年もカイワレ業界は大打撃かも。そもそも手巻寿司が家庭に普及しだしたのは、時期的にあの妙な葉っぱの流通と同じ頃のような気がしますから、ひょっとすると手巻寿司にカイワレ巻込んで食べるなんてことは「日本カイワレ協会」の陰謀なのかも知れません。
 時の厚生大臣にテレビカメラの前でカイワレ2パックも食べさせるほどの実力の持主といえば? う〜ん、やっぱり「フリーメーソン」とか「ロスチャイルド家」辺りが関与しているのかも? 彼らが暗躍するにしてはいささか情けない陰謀のような気がしますが・・・

 夏休みでもないのに絵日記つけてるのは、どうやら正美のようです。日記の中味も何やらとてもミョーで、そんな処は親譲りなのかも・・・絵入りで麻美の下痢をしつこく描写するのはヤめれ。


4月29日(Tue)
 すごくいい天気ですね。まだ日付は4月のままですが、文字どおりの五月晴で、戸外で過すのに一年中で一番爽やかな季節のようです。

 で、

 こんな日に限って薄暗い事務所で「PostScript Error」なんて無愛想なメッセージを吐き続けるプリンターとお相手して一日が終ってしまいました、とほほ。
 昨夜の裡に出力しておけば何事もなかった筈なのに、いきなりおかしくなるから始末に負えません。所詮はスーパーで売ってるようなパソコンでお仕事やろうなんて事が無謀なんでしょうね。その辺りに関してはWindowsもMacも大した違いは無いような気もするし、つくづくこんなヤワな機械でお仕事しなければならないわが身の不幸を呪ってみても・・・最早手遅れなのかも。「WindowsでDTP」なんて、現状の複雑怪奇な日本語フォントの状況をいっそう混乱させるだけで、アレでお仕事する勇気は僕にはまだないです。システムの安定性から言えば、UNIXで動くMacのエミュレーターと考えれば「Rhapsody」ってのはなかなか渋い選択なんでしょうけど、今のAPPLE社にはそれすらきちんとしたカタチで出せるかどうかさえ怪しいような気がします。

 あぁ、呑気にDTP談義している場合ではない。そうそう、プリンターの「PostScript Error」が当面の緊急事項でした。昨日はなんの問題もなく出力できていた筈のファイルがどうやっても「VMerror」で白紙でしか出てこないとなると、またまたジタバタするハメになってしまうのもいつもと同じ。illustratorのファイルを強引にテキストエディターで開いて怪しそうな部分けづってみたり、配置したEPSを別ファイルにしたりの、姑息な手段ばっかり。う〜ん、すべからく僕自身の人生もみんなそんな調子。ヤマカンで何となく生きているような処が我ながら情けない。

 何回かリトライしてるうちに何事もなく出力できたりして、「ほへ?」
 結局原因不明のまま。う〜ん、こんないやらしい展開を何回かくり返して、最後にハードディスクがクラッシュ!ってのが大体お決まりのパターンかも・・・きゃー。バックアップだけは取らないと。<けっこうマジ。

 デパートにでも出かけるつもりが当ての外れた奥さんや子供たちは、昼寝したりソファーに寝っころがって「なかよし」読んでみたりと、すっかりダレてしまったようです。ま、いつもと同じと云う噂も。


4月30日(Wed)
 デジタルな友人達とお会いすると、あたかも珍しい生き物のようにデジカメでカシャカシャ撮られることにも最近は馴れました。とくに日記者にはデジカメ日記でネタにしようなんて浅はかな考えから、うっかり買っちゃう人がとりわけ多くて、その所有率は世間一般と比べて異常に高いようです。10名ほどの集りで7、8台、それも各メーカー入り乱れて「カシオ」やら「キャノン」など、どっさり登場したことがあって、さすがにその時はいくらなんでもうんざりしました。女子高生のプリクラ笑ってる場合ではありません。
 そういう席ではモービルPCと携帯端末もお約束どおりで、ザウルスで赤外線名刺交換なんて恥ずかしい状況にもちょくちょく遭遇したりします。ファミレスのテーブル囲んで液晶画面眺めてる一行ってのは・・・やっぱり鬼気迫るものがあります。

 ところが、僕のまわりでは8インチフロッピーのNECの98の中古機買って、「これからワープロやるんで、是非教えて下さい」なんてお母さんがいたりで恐ろしく遅れてますが、そんなお母さんがけっこう最先端とか思われていたりするのを見ていると、「インターネットが世界を変える」だの、「今年はWindows97が主流だ」とか騒いでいるのは何処の惑星のお話しかと思えてきます。そうなんです・・・まずインターネットの説明する前にワープロとパソコンの違いから解説しなければならないのがとても辛いんです。
 でも、考えてみれば・・・日常の生活には今のインターネットもデジカメも、なんの必要性もないんですよね。テレホーダイ時間はいくらかけても繋がらないと文句言ってる人とか、必要もないのにデジカメ買って、ほらテレビに映ったとか言って喜んでいる人達の方が、雑多な情報に振回されているおめでたい人種なのかも。

 がはははh、なんだか各方面に向けたテロルネタのような気がしますが、まぁ、何時もの愚痴日記ですからそんなに気にされませんように。実は僕もデジカメと携帯端末は欲しいです。


Go Back My HomePageMail To Yaku