デーテーペーな1日 デーテーペーな1日


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10月30日(Fri)


夕暮の買物

 子供達からケーキが食べたいと言われて、では買ってくるかと夕暮の街に車で出かけた。
 なに・・・キミはショートケーキでキミはチョコレートケーキ? うん、訊くまでもなくいつも同じなんだけど、ちょっと首をかしげ、一瞬なににしようかと迷いながら答えるキミ達の返事が聞きたいばっかりに尋ねてみただけ。あなたはモンブランにするかチーズケーキにするかで何時ものように迷っているようだから、これも両方買ってきてあなたがチーズケーキでわたしが最後にひとつ残ったモンブランに手を出すのがお決まりだった。

 なにかしら・・・説明できない気分に包まれたまま車を走らせる。とりとめもなく・・・夕暮の景色の中で思うこと。
 家族のためにケーキを買いに出かけるわたしというものの存在の不思議さが、そのささやかな目的故に、いとおしいような愚かしいような・・・なにかしら一種形容しがたい既視感と共に、わたしの裡からわき上がってきた。
 あれやこれやと不明な思いに駆り立てられて生きてきたつもりだったが、わたしが数十年に渡って生かされてここに在ることの意味は、こうして、秋めいた夕暮に家族のためにケーキーを買いに出かけることの、その一瞬の感慨の為にあったのではないのかと、ふいにそんな思いがしたのだ。
 ちっぽけな人間の身の丈に合わせたちっぽけな時間の瞬間に気づいた「わたし」というつましい人間の生きることの意味とは、恐らくこのあたりにあるように思えた。

 手に持ったケーキーの包みの頼りない重さを確かめるように少し揺すってから、通りを渡って反対側に停めた車に向おうと闇雲に駆けだしたわたしに、灰色のトラックのヘッドランプが巨大な生き物の目のように迫ってきた。

 一瞬、わたしの結末がかいま見えたような気がして、そうだったのかと・・・意味もなく納得する。

 あぁまたかと・・・当然中身はフィクションな訳ですが、最後の部分を除けばなんとなく日記のような気もするから一層厄介なんですが、まぁ、本日はそれほど「鬱な気分」という訳ではありません。ごく普通の「鬱」かも。<なにそれ。


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