デーテーペーな1日 デーテーペーな1日


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9月16日(Wed)


 あまりに澄みきった空の蒼に誘われたのか、それとも、薄暗い事務所でモニターに向っていることにもいい加減飽き飽きしていたせいだったのかも知れません・・・そろそろ陽が傾きだす時間に、向いの公園にひとりで散歩に出かけました。
 子供達はピアノ教室に二人で自転車に乗って出かけたし、奥さんは何度目かの洗濯やら掃除で忙しそうで、本当は誰かと一緒に歩いてみたかったのだが、まぁひとりで公園を散歩することも嫌いではなかったので仕事も中断したまま、取りあえず歩く。
 「台風一過の青空」とは、いかにも陳腐な常套句だが、そんな形容がかえってぴったりくるほどに澄みきった空の色だった。空気にはかすかに雨の匂いが残っていて、梢をゆらす風と少し傾いた日差しも爽やかで、秋と云うよりもほとんど初夏のようだった。
 この空の色に誘われたのか、やはり公園の人影もいつもより多い気がした。子供達が小さいときは毎日散歩に出ていたが、こんな風にのんびり歩くのは随分と久しぶりだった。子供達がさんざん遊んだ機関車のかたちをしたジャングルジムはいつの間にか撤去されていて、色鮮やかなブランコがかわりに置かれていた。お昼寝の時間なのかあまり小さな子供連れの姿は見かけなくて、あちこちのベンチにポツンと座っている老人の姿がやけに目立った。公園の中央のコンクリート製の東屋に集って世間話をしている老人も何人かはいるのだが、大抵の老人はたったひとりで所在なげにベンチに座って、ただ呆然とどこかを眺めていた。誰かと打解けるでもなく、そのくせなんとなく物欲しげな様子であたりを眺める孤独な老人達は、ただこれが自分達の「日常」だと言わんばかりに暗く沈んで、今日の爽やかな天気にもまるで関心がなさそうに見えた。
 わたしもあと数十年もすれば、こうして公園のベンチでひとり、コンクリートの壁に向い合って終日黙りこくっているのかもしれないなと、ふとそんな風に感じた。そう、まるでここは・・・「煉獄」のよう。

 向うのベンチに座っている小柄な老婆・・・白髪で小さな髷を結い杖を持っている姿が、僕の祖母によく似ていました。公園に集る老人達の孤独なたたずまいが気になるのですが、だからと言って声をかける事はできないのですが。


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