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6月28日(Sun) ほんの僅かな・・・確かめようとすると、ただの錯覚としか思えないほどの、そんな微かな残り香なのだが、何かの拍子に不意打ちのように鮮明に蘇えってくる。それは、ついさっきまでわたしの腕の中でひそやかな喜悦の声を漏していた彼女のものに違いなかった。 その残り香は、ともすれば幻のように捕えがたいあの時間のすべてを、ありありと蘇らせるだけの切実さを秘めた、わたしの記憶の一部だった。 はかなげにもらす吐息も、わたしの愛撫に濡れる身体も、すべてはその残り香の記憶と共にあった。 そっと口づけする・・・最初はほんの少しだけ。 ふたつに重なる・・・すべてを許し与える彼女の身体の裡でわたしはわたし自身を見失い、ひたすら二つでひとつの「生きもの」としてそこに在った。 車のドアを開けた瞬間、そこにも彼女の残り香を一瞬感じて、わたしは彼女の裸身を思い浮べては、人知れず勃起していた。彼女を抱きしめた時の感触と、あの目を思いだしながら・・・ 妄想と共につづる文章には「過去」も「未来」も、すべてはないまぜのようです。いや、「現在」すらも意味を失って、そこにあるのはただわたしの「願望」だけなのかも知れません。
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