デーテーペーな1日 デーテーペーな1日


日記関係の発言はこちらで。
5月20日(Wed)
 「如何に生くべきか。そういうことを考える年齢では早くもなくなった。もう五十を越した。一生は短きもの也。このまま転げるように生き終えてしまいたいものだ。」

 阿佐田哲也が色川武大の本名で書いた、いわゆる「純文学」に属する小説のなかの一節なのだが、そう書いた言葉通り、この小説の発表後すぐに心臓発作で文字どおり転げるようにして自らの人生を生き終えた色川武大の言葉だからこそ、いっそう実感があったりするのだが、要は私自身がそんな風に自らの生き方ではなく、死に方について考える年齢になったというだけの話しなのかも知れません。
 10代から20代にかけての時期など、自分が何れ年老いて死ぬべき存在だなどとは決して考えたこともなかった。ある日突然ビルの屋上から飛降りるとかアパートの鴨居にロープを結んでぶら下がるとか、路上で見知らぬ若者にいきなり刃物で刺されるとか、そんな突然の自死や事故死なら容易に想像もついたのだが、じわじわと時間に押しひしがれるようにして、ただなんとなく自分が「老い」を迎えて死んでいく処などは考えたこともなかった。
 魂の存在が信じられない以上、私が死ねば「私という存在」はただの物体と化し、そのまま放置すれば異臭を放つ腐肉となって何れは土に戻るのだが・・・私はその事を恐れているのか望んでいるのか、自分自身にもよく判ってはいないようです。ただ、私が如何にして生き終えるかについて考えを思いめぐらすことは多くなったことは確かです。
 そう、大して意味ある行為とも思えませんが、「私という存在」が無に帰すことを恐れるあまりなにも考えないでいるよりも、なにかしらの意義はあるような気がしています。

 昨日の訃報からの連想という訳ではないような気がします。何れにしても「日記」で書くには時間的にも内容的にも中途半端な話題だったようですが、そんなことをよく考えるというのは事実です。


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