デーテーペーな1日 デーテーペーな1日


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4月30日(Thu)

 ある朝目覚めると、見知らぬ部屋で見知らぬ女の傍らで寝ている事に気付いた私はひどく驚く。

 ここは何処だ・・・

 怠惰な日常そのもののような厚い脂肪の塊に包まれた女は全裸のままいぎたなく眠りこけている。枕元には使い捨てられたコンドームが死魚のはらわたのような醜悪なピンク色をして放置されたまま、すえたような匂いを放っていた。ティシュBOXが布製のカバーに包まれているのがひどく気になる。

 この女は誰だ・・・

 ドアを開けると短い廊下を挟んでトイレとおぼしき小さなドアが並んでいてその隣には階段があった。ドアを挟んだ向い側にはガラス戸が開いていて、雑然としたリビングが見える。34インチの大型テレビと焦茶色のソファー。テーブルの上には新聞がテレビ欄の側を上にして広げてあり、黒い小さなリモコンが何個も散乱している。
 反対側の壁には対面式のカウンターがあって、シンクの中にはコーヒーカップがふたつ放置されている。
 寝室に戻った私の足元で、女は一向に目を覚す気配さえない。微かに開いた口元と太ももの間から覗いたヴァギナがおかしな具合にねじれているのがたまらなく疎ましい。

 なんというありふれた日常なんだ・・・

 ふいにどす黒い怒りが沸々と湧いてくる。女の上に馬乗りになると、覆い被さるようにして両手で女の首に手を回して一気に締め上げる。私を見上げた女の目が、なにが起ったのかを理解するヒマもなく焦点を失っていく。チカラを緩めることのない私の身体の下で女の身体が小さく何度か痙攣して、そのまま動かなくなる。

 「お父さんなにしてるの・・・」

 そう呼ぶ声に振り返った私は、戸口に立つてこちらを見返している娘にむかって、「なんでもないからテレビでも見てなさい」と声をかけると、乱れた布団を直してそのまま朝の着替えをはじめた。

 記憶と言うものはひどく自分勝手なもので、思い出したくないからこそ人間は忘れるのだと聞いたことがあります。むしろ、忘れるからこそ人間は日々生きていく事が出来るのかも知れません。全ての記憶が鮮明だったりしたら・・・やはり僕には耐えられそうもありません。


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