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朝夕の行き帰りに何時も通っている筈なのに、その空地の存在に気付いたのはつい最近のことだった。 通りの両側を埋めた建売住宅の家並が突然途切れ、立枯れたセイタカアワダチ草が一面に覆っている100坪あまりのその土地は、住宅街の一画に突如現れた異空間のようにあたりの風景とは完全に途絶していた。 フェンスのないその空地は通りに面した一画以外、全て同じような建売住宅が軒を連ねているのだが、何故かそこに向い合う窓がひとつもなかった。窓のない壁は巨大な墓石に似て、その空地を太古の墓所のように見せていた。都会のアスファルトとは違う土の匂いと一緒になにやら金気くさい空気が濃厚に匂った。枯れた雑草をかきわけて私はその空地の中央に立つ。 全裸の女の死体があった。 あたかもベルメールの壊れた人形のように胴体の部分で切断されねじくれた姿勢のまま雑草の上に横たわっていた。ぽっかりと開いた切断面はまるで巨大なジョイントのように空白のままだった。耳まで切り裂かれた口はやはり人形のそれのようで、いっそうその死体を作り物めいたモノに見せていた。 ソウカ ワタシ ハ オマエ トノ サイカイ ヲ マッテイタノカ・・・ 建売住宅の並ぶ通りに立った私はもう一度空地の奥を振返る。もうずっと何日も前からこの空地にかよい続けていることをようやく私は思いだした。 都心であればあるほど、不自然な空地が目に付くような気がします。その場所のウソ寒い雰囲気に、何かしら妄想の産物が転がっているような気がする事がしばしばですが、未だにそれを確かめに入ったことはありません。
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