|
我ながらその事の説明がつかないことに往生する一日でした。 何ひとつ始った訳ではなかった故に終った事もない筈の「あなた」への執着が、 かくも僕を捕えて離さない事にひたすら戸惑うのは、余りにも愚かしい経験でした。 微かな記憶の痕跡を求めてお互いの身体をまさぐるように、 人知れず眠るあなたの頬に口づけしたと思ったのは、 あれは僕自身の愚かしい過去が垣間みさせたひと時の幻想でしかなかったようです。 その事の不確かさに溺れ、 溺れることでいっそう「あなた」の記憶が僕の裡で確かなものになることに気付いた時にはすでに、 肝心の「あなた」を見失っていたとは・・・ まさに不明な記憶が作り上げた電子の海の蜃気楼とは、かくの如きものなのでしょう。 結局、誰にも送ることのないメールが、こんな日の文章の一片に紛れ込んでしまうのでしょう。臆病者のつぶやきはいつにも増して意味不明なモノのようです。
◆01/01~15◆01/16~31◆02/01~15◆02/16~28◆03/01~15◆03/16~31◆ ◆04/01~15◆04/16~30◆05/01~15◆05/16~31◆06/01~15◆06/16~30◆ ◆07/01~15◆07/16~31◆08/01~15◆08/16~31◆09/01~15◆09/16~30◆ ◆10/01~15◆10/16~31◆ 1996年のバックナンバーはこちら。 ◆01/21~31◆02/01~15◆02/16~29◆03/01~15◆03/16~31◆04/01~15◆ ◆04/16~30◆05/01~15◆05/16~31◆06/01~15◆06/16~30◆07/01~15◆ ◆07/16~31◆08/01~15◆08/16~31◆09/01~15◆09/16~30◆10/01~15◆ ◆10/16~31◆11/01~15◆11/16~30◆12/01~15◆12/16~31◆ |