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何故この時期になって、「断種手術」などと言った過去の亡霊のような言葉が唐突に蘇ってくるのか・・・いや、過去の亡霊と簡単に結論づけて良いのか? どうやら地道な調査取材の結果を公表したスウェーデンの日刊紙の記事がその震源のようです。 手厚い福祉と引換に余計なコストを招くだけの知的障害者やら精神病患者達の妊娠・出産を事前に措置するというのは、いかにも60年代の西洋合理主義的な理に叶った結論だったのでしょう。ただ、スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国のこうした行為を「人間性の欠如」とか「社会的蛮行」などと言って非難するのは簡単です。断種政策を人種隔離政策のために利用したナチス・ドイツと同一の、将に古ぼけた優生学思想を利用した「選良主義」そのものだと・・・ただ、自分たちの手ももう一度見てみる必要があるかも。ほら、何やら血まみれのような。 何事も西洋思想から学ぶことの多い近代日本のこと、優性保護法の名の下にまったく同じ事をやってきたのは周知の事実です。優性保護法にもとずく公的な不妊手術の影で、それに数倍するカタチで秘かに行われたであろう中絶や不妊手術の数は恐らく欧米以上かも。さらに言えば、そうした問題を過去のお話しとして片づけることは出来ないような気がします。むしろ最近は一層巧妙になってきているのかも知れません。たとえば、施設に暮す知的障害者や精神病患者が父親の判らない子供を妊娠すれば多くの場合、本人の意思を確かめるまでもなく妊娠中絶が実行され、保護者にはそれとなく今後のトラブルの芽を摘むためにと、不妊手術が勧められることになります。女性などは生理の処置が大変だろうと卵巣の摘出などを勧める医師さえいるとか。人間というものの存在をバカにする、効率いっぺんやりの愚か者達は、自分自身がそうした立場に立つ事があるなどとは想像したことすらないのでしょう。言葉もココロも貧しい人間達の想像力の欠如がこうした問題の本質なのかも知れません。人間の「命」の軽重を自らが計ることになんら恐怖を抱くことのない人間と言うものは、呪われてしかるべきでしょう。むろん「神」にではなく、汚物トレーの上に置かれた胎児達に。 言葉選びが特別に硬直している日は、書くことに往生している証拠です。今日のような話題には特別に逆上する恐れがあって、自分なりに言葉を選ぶのに苦労します。まぁ、僕が逆上して叫んだからと言って何ひとつ変るわけではありませんが・・・だからこそ逆上するのかも。
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