デーテーペーな1日

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7月7日(Mon)
 人の心の奥底に紛れもなく存在する「狂気」や「殺意」が、時として一個の人格すべてを覆いつくすほどの巨大な怪物に姿を変えることがある。産業革命さなかのロンドンに突然現れた切裂きジャックと、それ以後の都市型の連続殺人者の存在に現代の狂った世相を重ね合せる事が多いのは致し方のない処があるのかもしれません。しかし、暗黒の中世や歴史以前の原初の時は言うまでもなく、裸のサルが草原に降立った時からすでに人間は人間を殺し喰らってきたように、そうした狂気に彩られた存在は避けることの出来ないもの・・・我々自身の心が産み出した心の癌細胞のような気がします。
 本人にはいかんともしがたい衝動として裡なる暗部から沸上がってくる殺意と、それが満たされたときの快感すべてが、実は我々自身の深層心理を強く揺さぶるが故に、かくも愚かな情報を求めて右往左往することになる。ジャーナリズムが説く知る権利や報道の自由が、結局は「好奇心」と「覗き趣味」を満たすための道具でしかない事はもはや誰の目にも明らかだとすると、連日テレビから流れる様々な人々へのインタービューが求めるモノとは、つまるところ相手の存在すべてを貪り喰ってみたいという我々の暗い情熱を敏感に察知しているだけなのかも知れません。殺人者のプロフィールや日常の行動を知ることで、彼が犯した犯行とその渦中で彼が覚えたであろう快感や不安、絶望や耽美を追体験してみたいという我々自身の裡なる狂気が、ザワザワと波立っているのでしょう。
 裡なる暗黒の闇から生れた殺人者は、こうしてもう一度我々の裡に戻っていく。更なる犠牲者と殺人者の連鎖のために・・・

 年に一度のロマンチックな物語の日に、かくも陰鬱な文章を書く事に我ながらうんざりします。もう少し違ったものを書いてもよさそうなモノですが、この狂気に満ちた世界で自分にとって好ましいモノだけを集めて生きていけると思うほど、ことはそう単純ではない事もまた紛れもない事実。


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