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とことん状況が追いつめられた時も、僕は誰かに向って「愛してる。」と言ったことはありません。それを卑怯な振舞いとなじる相手の、「愛する」が故の混乱と情熱を、いとおしく抱きしめながら、どこまでも不確かな自分自身に苛立つ事が多かったのでしょう。 立ち止らないとこれ以上の泥沼でお互いがのたうちまわることが解っていて、ただ無言で虚空を眺めていた夜明けもあったかも知れません。弱すぎる自分自身に目をつむって、ことさらに相手を傷つけることでバランスを取ろうと、愚かしいたち振舞いに及んだことも何度となくあったのでしょう。 言葉の不確かさを補うためのSEXが、一瞬の快感と引換に僕たちに一層の孤独と後悔を強いることの矛盾こそ、しょせん、人間が持ちうる感情の貧しさの証明に他ならないことを知るべきなのでしょう。 僕は「愛している」と言う言葉を失ったのではなく、「言葉」の氾濫にむせかえり、過剰故の無力さに絶望しかかっていたのかもしれません。「言葉」以上の確かなきずなを確かめようもない心寂しき人間たちは、今夜もまた空疎な「言葉」の海で溺れ、「愛」とは名ばかりの行為に自らを仮託する。 別に不機嫌なわけでも不明なわけでもありません。ときどき・・・日常と日記が完全に分裂してしまう事があって、あまり意図のハッキリしない文章を書くことがあります。ひょっとすると誰かに宛てた私信なのかもしれませんが、かといって、あまり信じ込まない方が無難なような気がします。
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