|
去年はあんなに大騒ぎして、厚生大臣が山盛のカイワレ平らげるパフォーマンスとか学校給食から生野菜のサラダが姿消したりと、いろいろと馬鹿げた騒動が全国的に起きていたのに、今年の「O-157」に関しては騒ぐ人が見当らないのが不思議です。 先日も6歳の子供が今年最初の犠牲者と報道されて、決して病原性大腸菌による食中毒が下火になった訳ではない筈なのに、すっかり過去の話題のような塩梅。熱しやすく醒めやすい国民性と言ってしまえばそれまでなのですが、いやはや・・・我ながら実におめでたい国民ばかり。所詮は芸能人の離婚騒動と同じように、ただ消費されるだけの「事件」として、時間と共に肝心の中味は風化して雨ざらしのまま忘れ去られていくようです。 ここの処、あちこちで報道されるようになった「水戸パッケージ・知的障害者虐待事件」に関しても、そんなワイドショー的興味だけで報道されているようで、いささか気になります。地道な活動の間はまるで無関心だったくせに、いわゆる「絵になる騒動」となると息せききって駆けつけるテレビ局の姿勢にうんざり。ちょうどこの時期、何処のチャンネルでもくり返される「死」と「災害」を売物にした番組をたれ流しながら、一方ではニュース番組でしたり顔で正義を気取るあなた達が、僕には耐え難いのです。 被害者の言葉を聞こうとしない裁判官と同様に、他人の不幸を弄ぶ僕たち自身もまた、事件の被害者を陵辱している共犯者のひとりであることにもう少し自覚的で有るべきだと思うのです。 卑劣な加害者の言だけを信じて裁判が進むのだとすれば、子供や障害を持った人間に加えられた悪意に満ちた犯行を裁く者は何処にも居ないことになります。まぁ、日本の裁判制度に血の通った道理が通じないことを今さら嘆いても仕方がないのかも知れません。そうした制度を許しているのも、紛れもなく僕たち自身なのですから。
◆01/01~15◆01/16~31◆02/01~15◆02/16~28◆03/01~15◆ 1996年のバックナンバーはこちら。 ◆01/21~31◆02/01~15◆02/16~29◆03/01~15◆03/16~31◆04/01~15◆ ◆04/16~30◆05/01~15◆05/16~31◆06/01~15◆06/16~30◆07/01~15◆ ◆07/16~31◆08/01~15◆08/16~31◆09/01~15◆09/16~30◆10/01~15◆ ◆10/16~31◆11/01~15◆11/16~30◆12/01~15◆12/16~31◆ |