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子供の頃、風邪で何日も学校休んでいて、やっと自分でも治ったと思えて「明日からまた学校だなぁ」と、ふいに小休止の終りを告げられたような不本意な気分に包まれたりする事がありました。とりわけ熱がでると悪夢にうなされてとりとめもないうわ言を繰返して両親を心配させていた筈なのだが、熱の下がったことが本人には、なにやら不本意のようで・・・そんな日の午後、ぐずぐずと布団に潜ったまま、病気みまいと称して買与えられた本を読んで過す時間と言うのが、僕にとって最初の至福の時の記憶のようです。 明日からの日常の予感と昨日までの熱にうなされていた非日常の間の、宙ぶらりんな時間の海を漂っているような不確かさが、何故かとても安心できたのです。こんな時間が永久に続けばいいと思いながら、やがて夜は明け、日常が再びやってくることにそれ程苛立つことがなかったのは、若さ故の無知と同時に、未だ日常にそれ程絶望することの無かったよき時代だったからでしょう。 未だに寝転がって本を読む癖は治りません。多分、最初に本を買与えられた機会と云うのが、風邪で寝ていた5、6才の頃の筈で、何を読んだのかの記憶は有りませんが、随分熱中して読んでいた覚えがあります。どうもそれ以来本は横になって読む習慣が付いたような気がしますが、まぁ、両親がキチンと机に向って本を読むようにしつけなかったせいと云うのが本当の処でしょう。以来、机と椅子できちんと座って本を読むのが苦手で、ソファーに座っていても本の中身に集中しだすと、いつの間にか横になってページを繰っていたりします。 さらに言えば、うちのこども達も、なにかというとすぐ寝転がって本を読む癖があるようです。両親の背中をみて育つのが子供だとすると、後ろぐらい背中の持主にとって、「しつけ」や「行儀作法」については、あまり大きな口は訊けそうもありません。 いぇーい、何だか復調!?
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