| 第二章、まずはチューニングをしないと始まりません。チェロ欲しさに駆られて楽器が到着する前に近所の楽器屋さんで購入した教則本と“超入門”DVDを参考に、電子チューナーとピアノの音に頼りつつ音合わせ開始です。
はじめに一番低いC線から。組み立て時に起こった糸巻きゼンマイ事件を繰り返さないように気を配りつつ、弦を指ではじいて音を聴きながらゆっくりと巻き上げていきます。といってもギターなどと違って木の穴に丸い棒を差し込んだだけの糸巻きですから回すと「キュキュッ、クックッ」とかいってかなりおっかないです。でもテールピースに設置したアジャスターはネジを回すと微妙なピッチ調整ができる器具でして、先ずおおまかに糸巻きで音を合わせて調整はアジャスターで行えばそれほど難しい作業ではありませんでした。
続いて次に低いG線。同じ要領で“ソ”の音に合わせます。次いでD線を“レ”、最後にA線を“ラ”に合わせて・・・・よし!完成と思いきや、再び最初に合わせたはずのC線をはじいてみると驚くほど狂ってる。C線どころか他の弦も全部狂ってる。
弦の張力で楽器が反ったのか?
まあいい。気を取り直して再調整。今度は4本の弦を徐々に巻きながら合わせていき、なんとなく全体でいい具合にするまでに至りました。
さてさて楽器の様子はどうかな?と全身を見回してみると・・・?!
なんと、楽器じゃなくて駒が反ってる!というか傾いてる。弦を巻き上げる課程で一方的に上へ上へと引っ張られて持ち上がってしまったらしい。オマケに駒の位置が微妙に楽器の右側に寄ってる。これは問題。
やむを得ず再度弦を緩め、なんとなく持ち上げられる角度を見込んで駒を若干下向きにして締め直し。
ようやく見た目も音もそれらしい感じになってきました。
よし。いよいよ弓の出番です。
かるく弓に松脂を擦りつけて、いざ!勝負!
・・・・・・あらら、なんだこれ?ぜんぜん音がならないじゃん!!
弦にしっかり弓を押しつけて、擦っても擦ってもスルスルとなんの抵抗もなく滑るだけ。恐るべき無力感。
おかしいなぁ、松脂が足りないのかな?
改めて松脂を弓に擦りつけてもう一度・・・う〜ん、ぜんぜんダメ。なんでだろう?なにか忘れてるのかな?それとも組み立て時になにか失敗してるのかな?原因はなんだ?
困ったときのネット頼み。こういうことはネット検索して調べるのが一番。なになに?「新しい弓にはなかなか松脂が馴染まない」「15分くらい擦れば・・」えっ?そんなに擦りつけなきゃいけないの?
こうなったら音が鳴るまで擦り続けるしかないらしいので、ひたすらにスリスリ擦ってみることにしました。
しかし、最初に擦ったときも思ったんですが手応えというか弓に松脂が付いてるという実感が全くありません。オマケに松脂の両サイドにある木枠が出っ張ってるわ尖ってるわでものすごく邪魔。うっかりすると毛がひっかかって切れそう。慎重に、まんべんなく毛を切らないように擦り続けました。
5分ほど経ったか、とりあえず試しに弦に押し当てて引いてみました。あ、確かにさっきより引っかかる感じするかも。まだスカスカだけど一番細いA線がヒュ〜とかいってます。
でも10分経過。さっきとあまり変わらず。15分経過。やっぱりあまり変わらず。
あー嫌んなってきた。こうなったら力ずくで擦りつけてやる。こんな弓壊れたってまた買えばいいや。完全に投げやりです。弓を机に固定して松脂の角をぐいぐい押し当ててゴシゴシやってみました。するとなんとなく摩擦感が出てきたじゃありませんか!
今度は松脂のほうを固定して角に弓をあてて引いてみました。数回繰り返すうちに松脂の角がみるみる削れているのが見て取れます。これはいいかも。
試しにチェロに弓を当ててみました。するとビロ〜と弦が音をたてて振動しはじめました。一番太いC線はヒョロヒョロとして妙な音しかしませんが、他のG線、D線、A線はバッチリです。
俄然、やる気が出てきました。夢中で松脂を擦ること30分。C線も他の弦よりも軽く圧をかけるように弓を引くことで音が鳴るようになり、ついに格安チェロが楽器らしくなってきました。 |