歳時記(diary):九月の項

一日

診療所の日。
最近各種薬剤の工程管理の不良や品質の不良の指摘が相次いで、出荷停止のお知らせが引きも切らない。何か一つ出荷停止となると(特にそれが大手メーカーのものだと)その薬が足りないだけでなく、代替薬として他の薬の需要が突然上昇して、入手困難になったりする。
今日は活性型ビタミンD製剤──血液透析管理中の方では処方されている方が非常に多い──の内服薬が入手困難になってきたということで、一律に注射薬への変更指示を出す。
根本的には薬価が少しずつ下げられていて、以前からある薬については少しずつ薬価を引き下げていかないといけない圧力が常にかけられていること、それでいて人件費などは引き下げられないと考えると、あとは手抜きで薬価を引き下げて売るしかないような圧力がかかっていることが誘因だと思っている。「それってつまり持続的にデフレ圧力がかかっているってことじゃん」と思うのだが、これが最近何年も続く政府の政策で、アベノミクスで物価上昇を狙っているときでも医療費に関係する物価にはデフレ圧力をかけ続けていたってことで。色々言っても結局医療にしっかり投資して物価上昇に転じさせるということは考えなかった結果なんだろうなと思っている。
医療を支える医薬品の安定供給に不熱心な国で、コロナが蔓延するのはある意味仕方ないんだろうな。

二日

夜は薬剤メーカー主催の勉強会。講師の話はそれなりには勉強になるんだけど、触れている論文を読み取るのがそれなりに大変で。

三日

家で息子にPrime Smashを教えてみたら割りに面白がってくれた。素数はやっぱり魅力的ですね(違)

四日

出勤してそのまま当直。夜はベッドなしなのは相変わらずだけれど、「コロナベッド空いてませんか」の問い合わせは前より減ってきた気がする。

五日

当直明け。
結構疲れた感じがするので昼寝して、夜一つZoomのミーティングをこなして。録画のアニメの消化が進まない。

六日

救急に「調子が悪いので今日の透析を休んで受診した」とか曰う透析患者が。──透析しないと良くならない状態なんですが。透析休んだから悪くなった、と説明すると家族も含めてびっくりされるという。うーん教育が足りていないのか。
夜は勉強会があったのでそれに間に合わせるべく必死で巻いて対応する。

七日

仕事終わりに、病院内学習会の受講を。youtubeに動画が上げてあるので視聴して質問紙を書いて返すことで受講証明にするようなもの。個人的に動画って情報密度が低いので、文章で書いてくれればすぐ読めるのにとか思ってしまう。まあyoutubeだと再生速度を上げられるので少しは助かるのだけれど。

八日

診療所の日。仕事の多い日だったけれども夜になって待機の間に「君と漕ぐ 4」(武田綾乃/新潮文庫Nex)を読む。恵梨香がいないことが増えたながとろ高校カヌー部、って感じで。話の中心は上級生二人、だと思った。

九日

午後の外来はなんだかキャンセルも多くて。来週予定詰まってるのだけれどいいのかな。

十日

夕方になって院内急変。肺塞栓の重症患者と。あれやこれやと対応を始めると、透析もつけてくれと言われて結局帰宅はシンデレラの時間..

十一日

昼前にちらっと病院へ出向いてから、実家へ顔出し。PCの面倒を見て。微妙に挙動が怪しいのだけれど、なんとなくメモリ不足かなと。起動しただけで使用率が70%超えてるし。メモリ増設できないマシンみたいだし、根本的には買い替えかな...

プロセカイベント開始。"Echo"のMasterをギリギリクリア、ExpertもLv 25を大体クリアして。どう繋がったのかわからないコンボが繋がったりはしてるけど...

十二日

のんびり起きて、午前中に室内照明入れ替えの工事。天井から古い器具を外してシーリングに付け替えてもらったので、今後は器具を変えればそれでいいはず。もっともLEDなので次の交換はだいぶ先だと思うが。

十三日

昼過ぎ病棟の多職種カンファ行くと「カンファやりながらでいいんで鶴折ってもらえますか〜」って看護師さんから。‥‥ねぇこれってなんの二重課題?(違)

十四日

午前救急は行ってみると患者さん二人寝ててどっちも腎臓悪い...結局当科に入院二人。

十五日

診療所勤務。手隙の時間で本読もうかと思っていたけれど、結局「ヴァイオレット・エヴァーガーデン エバー・アフター」を読んだのみ。しっかりしたストーリーと描写の情熱が好き。

十六日

午前中で入院が二件きて、それを対応した後の午後外来は予約枠はみだしてる状態で、結構必死でこなす。

十七日

午前のPCR外来は濃厚接触の人くらいで「はい検査しますねー」といった感じ。だいぶ落ち着いてきた感が。

十八日

のんびり起きる。Web動画視聴での研修とか。

プロセカはHand in HandのExpertをFull Combo。

十九日

オンコールで出勤して、そのまま家族面談とか細かな仕事を。祝日も含めて三日間目を通してないと、いろいろ仕事が遅れていく感じがするし。

Web見てたら、ねとらぼの記事で教材の書体を変えるだけで子どもの読解力が上がった!?なんてものを見つける。視認性の良いフォントで記述された文章は健常とされる子供にとっても読みやすく有用、というデータがある由。これだけコンピューターで文書を作成することが一般化した中では、少しでも良く伝わるような文書の記述法について配慮することは大事なことなんだろうなあと。実際テンプレート作成時にフォントの配慮をするだけでそのあと自然に好ましいフォントが使われるようになったりとかしそうだし。

二十日

夜半に看取りで呼ばれて、寝るのが遅くなったので午前寝坊。
昼食食べにちょっとお出かけして、買い物して帰ってきた。夜自宅でカラオケ。通信カラオケの有料サービスとかあるので、もうカラオケボックス行かなくていいんじゃないか、単に一人で歌いたいだけなら。

二十一日

午前の救急外来にはハイター誤飲用の方が。口の中そう荒れてはいなかったので様子見だけ。台所を複数人で利用すると起こりやすいような印象がある。

夜は看取り対応についてのレクチャーを。最近の研修医はコロナ禍で家族と話す機会が極端に低下しているんだよね、そういえば。以前は結構看取りだと言って毎日家族が付き添う人とか珍しくなかったから、必然的に会話を交わすことも増えていたのだけれど。新しい課題なのかもしれない。

帰ってきたところでプロセカガチャを。ニーゴは星4キャラが絵名しかいなかったので、ここが天井まで投入のしどころと踏んで貯めておいたクリスタル投入して200連まわす。結果、ピックアップのリンが4枚も来るという。ピックアップ星4まふゆもきたので、ガチャシールを使って星4瑞希を手に入れて終了。星4が結局ピックアップ3枚を含む9枚増えて、星2までしかいなかった杏の星4も入手。しかし星3杏は結局ドロップしなかったんだよね....。

二十二日

診療所。
話していると耳に手を当てる癖がある人がいて、聞いてみるとその方が聞き取りやすいから、という。でも聴力に問題はないらしい。なんか聴力じゃなくて認知機能周りの問題じゃないかと思って調べると聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder : APD)という言葉に行きあたる。聴覚理解に特に症状が現れている発達障害の一種、というところのようで。ほかの能力は平均なのにどこか極端に落ちている、というタイプの発達障害ってなかなか気が付きにくくて理解されにくいので大変なんだよね。

二十三日

透析当番で出勤。そのまま当直へ。
だいぶ世の中のコロナが落ち着いているので、普通の救急に近い感じで仕事ができるようになってきた気がする。

二十四日

当直明け。
帰ってきて、古いメールの内容検索。ここ4-5年のメールはサーバーに残したままなので探せば出てくるのだが、それより古いメールはローカルに溜め込んである状態で、以前はMewで読んでいたのだがうまく動かなくなったまま放擲しているのでどうやって探したものか状態。なんとかMewは動いたのだが、multipartが解析できなくなっているので本文が読めなくなっていて。しょーがないのでいまさらWanderlustをEmacsに入れる。過去にmelphaからEmacsのパッケージをインストールできるようにしておいたことが役に立つとは。
とりあえず必要な情報は確認できたので、取っといてよかった、という感じで。

二十五日

出勤して仕事をしながら腎学会東部会。ちょこちょこ眺めながら仕事して。あんまりしっかり勉強できた気がしない。

二十六日

午前中に東部会と子供の歯医者。午後はバイク屋にオイル交換に。
プロセカプレイしててLv25のカトラリーExpertをFC. でもいまだにLv22のTell your worldをFCできない。

二十七日

夜は当直で。多少仕事して、あとは「青い春を数えて」(武田綾乃)を読んで。

二十八日

午前の救急には腎不全が二例。そのまま腎内科持ちに。一例はRPGNと判断して速攻で午後に腎生検まで実施してしまう。

二十九日

朝から診療所。比較的のんびりして、本も読んで。

三十日

朝から休みとってパソコンの前に陣取る。一日オンラインレクチャーを。
本日のお題は教育シミュレーション。グループワークとして事前に少し詰めてあったシナリオを整えて、実際にシミュレーションを実施して結果をフィードバックする。実際にやってみると暗黙の了解状態になっていて周りにはわかりにくい状態だった設定などがぽろぽろでてきて、ああこういうものかと思ったり。
自分も診察医師役をやったのだけれど、しゃべり方が思わず素に戻っていたら「やさしそうでよかった」と言われたのだけれど。素のしゃべり方だと割に患者さん相手設定だと距離を詰めた感じになるからなぁ。


Written by Genesis
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