歳時記(diary):四月の項

一日

診療所。普段電車で行くのだけれど、通勤経路がちょっと気になってきたので車を使ってみる。
エイプリルフールどころじゃない日々.... 都内各自治体の感染者数とか見て一喜一憂する感じで。

二日

たまたま予約数が少なめ。あんまりゆっくりおしゃべりしてはいけない感じだけれど。

三日

コロナで人の動きが少ないせいか、外来受診自体はそれほど数少なく落ち着いている当直。

四日

未明に急変で呼ばれて対応開始。眠いまま朝を迎えて当直終了。
でも帰ってきてバーチャロンやったりしていたら結局昼寝しないで終わってしまった...。

五日

外出を避けて自宅生活の一日。
お出かけは子供と歯科矯正の受診だけ。たまった録画の消化とか。

六日

朝出勤する途中で小学校の脇を通ってみると、始業式らしい小学生。荷物持ったまま外で集会が始まっているようだったのは感染対策なんだろうなぁ。
帰ってきたところで鬱屈した子供に遊びを要求されてバックギャモン遊び始めてみる。‥‥初体験で勝てなかったって悔しがるのはよいのか。

七日

手隙の時間があったら免許試験場に行って大型免許の書き換えして来ようかなと思ってたけれど、昼前に入院依頼きて諦める。

八日

診療所。仕事が大変な週。食事もそこそこに、という感じなのだけれど、お喋りしながらランチ、というのがリスクになり得る世相なのでさっさと食べて仕事に戻る感じで。

九日

外来。少し電話再診が増えてきた。でも私の外来、定期的に注射が必要な人とかいて、受診しなくてもすむ人ばかりじゃないんだよね...。

十日

一件家族面談で看取りの相談を。施設看取りの手配中なのだけれど、考えてみると介護とか医療って基本回復・改善・よくて横ばいを善とするもので、悪化は防ぐものなのが基本的認識なんだよね。そこに老衰・回復不能病態の方がいると、日々悪くなっていくのをじっと見守らなければならずにかなり気持ちの上で大変なんだと思う。「その対応でいいですよ」「それで最善を尽くせています」という保証を適切に与えられる環境が設定できないといけないし、家族にも含めて何が最善であるのかがきちんと理解されていないと、看取っていくことは気持ちの上で難しい。
人手不足の介護現場に、看取りの対応というのはやらなきゃいけないこととは言え、とても大変なことなのだと改めて思う。

十一日

土曜出勤してそのまま当直へ。休みも出たりしてかなり神経質。このご時世だからね、少しでも体調悪けれど休んでもらって経過見ないといけないし。

十二日

最近はfacebookやらtwitterやらでCOVID-19がらみの情報収集が日常になってしまっている。直接自分が診てはいないのだけれど知っとかないといけない気がして。
レムデジビルの治験(NCT04280705)に期待する声も見たのだけれど、量産がすぐにできるのかなぁ。ここでいうすぐは、本当に今月すぐってくらいのスピードでないとと思うし。コロナ対応は時間かかりそうな印象は強いので、大きな効果が期待できる薬剤であれば後からでも役には立つと思うけれど。

撮り溜めていた「マギアレコード」アニメ13話まで視聴。‥‥第二期見ないといけないヤツかこれはっ。ここで終わるか。ゲーム本編やってた人なら途中で終わる予想はしてたのかもしれないけど...。

十三日

後輩が診ている患者さんがしっかり病態を詰めると割と珍しい状態のようで、尻を叩いて抜けなく調べさせている。大雑把こんなもんだろうというところまで見えるのはそう難しいことじゃないが、抜けなくきちんとやるのは大変ってこんな時にも応用できる課題で。
学会発表とかまだこなしたことがないようなので、この経験を発表まで繋げられるといいのだけれど。

十四日

退院相談が難渋する。そりゃあ病気治っててもシャバに出ると(違)コロナが怖い、って気分になるよね。入院長い人なら余計だろう。でもそれにそうだねその通りだねって同意してしまうわけにもいかないなかなか辛い立場。

十五日

診療所までお出かけ。透析の人で熱出た人のフォローとか。多分経過は細菌感染だと思うので大丈夫だと思うのだが。今一番診たくない症状は感冒症状、って感じがする。

十六日

外来の予定はかなりの部分を電話再診に充てる。もっとも血液検査などで評価しておきたい人はいるので、今後そういうのをうまくやっていかないとかなぁ。

十七日

「人間たちの話」(柞刈湯葉/ハヤカワ文庫JA)所収の「記念日」を読む。マグリットの絵がモティーフ。ついついピレネーの城を思い起こしてしまうのだけれど。

十八日

大雨な一日。
娘のところに箱いっぱいの教科書と課題が届けられてすっかり不機嫌になっている。授業をなんとなく聞いているだけでもある程度勉強になるのだけれど、登校して授業というスタイルを取れない分自ら調べたり書き物したりしないと自習にならないのがしんどいところかも。

十九日

いい天気になったので、娘の宿題に付き合ってお散歩とか。

二十日

他病院の先生と地域の医療連携の相談会。顔を合わせられないのでオンライン会議で。

二十一日

髭剃りがだいぶ刃が古くなってきたのか剃れなくなってきたので交換。もう何年も使っているし交換も初めてではないのだけれど、ふと見たら「一年半ごとに交換を推奨」って書いてあってそうだったのか...。

二十二日

診療所勤務の一日。
休憩時間に「裏世界ピクニック4」を読む。

二十三日

コロナ禍のあおりで電話再診だ予約延期だと色々。採血見ないとわからないことも多いからあまり延ばしたくはないんだけどね。

二十四日

金曜日はカンファレンスの日、なのだけれども顔合わせてディスカッション、にリスクありということで回避に。これ続けていると症例検討に支障をきたしてくるんだよな...。

二十五日

出勤してみると敗血症の入院が割り当てられる。結構危ないところなんですが。業務他にも多いんですが。自分で見るしかないですかそうですか。
コロナ対応というので予定入院が全体に減っていて、救急もあまり診られないのだけれど結構受け持ち多いんだよな...。

二十六日

息子の歯医者に付き合って、そのあとは家でだらだら。「映像研に手を出すな」見進めたり。
「プロジェクトぴあの」読み始める。これといい「最後にして最初のアイドル」といい、最近のSFではアイドルが流行りなのか..?

二十七日

夜は当直。わりと久しぶりなのだけれど、救急要請自体は減っている感じ。外に出るのがしんどいような時は救急車が減るというのは個人的には確かな法則だと思っている。

二十八日

当直明け。
早く帰りたいなーと思っていたのだけれど、昼過ぎから入院が立て込んで帰るどころではない罠。しくしく。

二十九日

日直で出勤する。自転車で通り過ぎる街に人が本当にいない感じで、ゴーストタウンってこんな感じになるのかなと思ったりした。

三十日

ワルプルギスの夜は家で過ごす。
ほとんど背丈が変わらなくなった息子と腕相撲勝負。基本の筋力は大体同じくらいじゃないかと思うけれど、拮抗したときの粘りで勝つ。勝負事はメンタル大事だよねとか。


Written by Genesis
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