歳時記(diary):九月の項

一日

透析診療所の出稼ぎ。割と落ち着いていた,かな。

二日

夜は当直。比較的のんびりしていた。

三日

夜歯医者。時間ぎりぎりに駆け込むことに。

四日

普通に仕事は終わったのだけれど,ケースカンファレンス出て書き物してとやっていると夜が遅くなる。

五日

朝から荷物をまとめて千葉方面へ。途中ちょっと道を間違えて時間を食ったりしたけれど昼前には館山へ。
昼飯どこで食うかと物色してスーパー回転寿司やまとへ。入ってみて「寿司回転してないじゃん...」回転寿司みたいに頼んだものが届けられるスタイルのすし屋と言ったほうがいい気がする。味はそこらの回転寿司より上なので満足して食べ終わったけれど。
その後は北条海水浴場のあたりでのんびり水遊び。子供たちは水着に着替えてしっかり海に入っていた。
夜はたてやま夕日海岸ホテル泊。目の前で夕日が海に沈む絶好のロケーションなのだけれど,この日は残念ながら水平線上に雲が多くてサンセットの見物はできず。「黄昏迄」とかきっとこんな海岸なのではないだろうかと思ったりした。
夕食後のお楽しみで海ほたる見学会。ホタルと同じ原理で海水中で光るとのこと。「夜が明るくなると減ってしまう」という生態に残念な思いが。意外と保護が難しいなそれ...。

六日

館山旅行二日目。のんびり朝食摂った後,釣り体験目的で市原市海釣り公園へ。レンタルの竿と,仕掛け・餌が買えるので身一つで行ってもそれなりに遊べる。サビキ釣りでトライしたけれど本日の釣果は残念ながらボウズ。二度ほど針がかりしたけれどもあげられず。それなりに遊べたのでよしとする。
そのあとは車を飛ばして帰ってきた。

帰ってきて宿題終わった息子がMacのチェスをやりたいと寄ってくる...どこで見つけたんだか。
わきで見てるとまぁめちゃくちゃですが。好きなら止めはしないですけど。

七日

休みが多いので一人当番。トラブルは少なかったのでなんとか。

八日

大量に処方を書く日。

九日

朝から検診。たまには胃カメラなどのオプションもつけてみようと思い立って、朝から絶食で検査に臨む。‥‥経口内視鏡は結構きつい。喉の力をしっかり抜けないと苦しいのだけれど、喉にものが当たると反射的に押し返そうとしてしまうという。コツをつかめないと苦しいのが続くんだろうなぁ。
あとは腹部エコー受けたんだけど、これも苦手。くすぐったがりなんですな。お腹にゼリーつけたプロープ当たるとくすぐったくて。

十日

昼間腎生検、夜は糖尿病の勉強会。出てきたお弁当がほっともっとのタニタ監修弁当で。うむ、糖尿病の勉強会の食事としては極めて正しいとうなってしまった。
その後の二次会ではカロリー制限知ったことかの飲み食いだったんですが。

十一日

結核の治療薬って実は近年あまり有効な新薬が登場していない領域なのだが、デラマニド(商品名デルティバ)が発売されたことを知る。多剤耐性結核菌に適用を限定するというのはなかなか思い切ったところと思う。
製薬メーカーとしては沢山売れれば儲かるわけで、金をかけて開発した新薬となれば、できるだけ制限の少ない適応を取得して「古い薬より当社の新薬の方がよく効くので是非こちらを!」と宣伝しまくるのが商売としては正しいはず。けれども抗生剤の領域は頻用された薬剤に対しては耐性菌が登場するのが宿命とすら言える領域。一般抗結核薬に感受性であれば割と問題なく治ることが多いのだけれど、諸般の事情から多剤耐性となった時に使える薬がなく苦悩していたところへ、乱用を抑制するために適応を絞って発売されたというのは、「ものの道理を理解した」対応にわたしには思える。
というわけで開発・発売元の大塚製薬がんばれと言いたくなるわけだ。

十二日

土曜出勤、夜まで仕事。

十三日

日直勤務。なんでも総合内科専門医試験の受験日だったらしい。そうすると勤務者ががたりと減るんだよな....この調子で学会フル参加じゃないと専門医資格の維持ができないとか言われたら学会日は医療崩壊状態ってことになるだろうなきっと。

十四日

外来観てたら隙間をぬって代謝科の先生が直々においでになって質問を受ける。先輩にあたる先生なのでこちらもできるだけ丁寧に。そうやってキチンと診療に穴がないように考えることってとっても大事だよな、と。

十五日

外来透析診て処方書いて診療情報提供書を書いて。つまりはるーちんわーく?

"軽減税率を還付金で返すのをマイナンバーで管理するには、日本のすべての商店にネット接続のカード読み取り装置つきレジが必要"って記述を見て、それって日本全国の消費の動向をリアルタイムに政府が把握できてるってことで、その状態ならば還付金とかせこいことを言わずに軽減税率でも低所得者は無税でも高額所得者は消費税20%でもなんでも可能状態なんじゃないかとふと思う。

十六日

夜は某会議。そろそろ内容の取りまとめに入りつつあるのだけれど....正直に取りまとめると結構絶望感に浸れそうで。大丈夫なんか?

十七日

夜は当直。

「人類は衰退しました 平常運転」田中ロミオを読む。
食玩的短編集、ということなのだがラストの"旅の手土産に最適なもの"が気に入る。 ネタバレなので詳細は省くが、(この作品シリーズにおける)いつものように妖精さんがお菓子で釣られた挙句カタストロフに至るのだけれど、そこで子供達に渡される「あんたはどこでもいきてけます」と書かれた卒業証書。
この作品シリーズで妖精さんは無茶苦茶で万能ですから、その妖精さんのお墨付きは当然に万能でこれ以上確かなものはないくらい。学校を卒業するってことが、「あんたはどこでも生きていける」というこれ以上ないほどの保証であってくれればいいのにとふと思った。

十八日

明けで普段どおり仕事して、回診やって夜仕事までやって、帰る。

十九日

午前中は学校公開で子供の授業の様子を見に。息子授業聞いてない感たっぷり....課題はやってるみたいだったけど。
そのあと午後はキャンプ企画に出かける子供を送りに行く。電車で集合場所まで行って、お預けして。勇んで二人して出かけて行った。

夕食に相方と二人してカレーを食べて帰ってきた。

二十日

子供もいない休日となればのんびりすることで一致。
映画でも観ようということで「心が叫びたがってるんだ」を。
「あの花」のスタッフが集結している、との事前情報で観始めたので、エンディングの「原作:超平和バスターズ」に驚いたり。劇中ミュージカルの曲が既存の曲+オリジナルの歌詞であるあたりも高校生らしい気がした。
言葉を交わすことで人は結びつき、言葉をぶつけ合って人は傷つく。話さなければ、傷つくこともないかもしれないけれど人とつながることもわかってもらうこともできない。そんなことを思いながら観終えた。

二十一日

祝日出勤で透析当番。

二十二日

予定なし,ってことで、家の片づけを少しやってみたり。

二十三日

子供たちが帰ってくるのをお出迎えしにいく。

二十四日

休み明け。病棟診て外来やって、夜は早帰りして子供たちの歯医者。

二十五日

休みの先生が二人出てたものでその分仕事肩代わり。1.5人分くらい業務がある...

二十六日

土曜出勤してそのまま当直へ。

二十七日

当直明け。

GATCHAMAN CROWDS insight」最後まで観通す。割と好きな終わり方だった,と思う。「空気に戦いを挑む話」というキャッチフレーズをふと思いついたのだけれど,調べたら東のエデンと丸かぶり。
まぁ、いくら自分で考えようよって呼びかけてもしない人はしないと軽く諦めながら,少しでも空気より確かなものを拠所にしたいと思う。

二十八日

夜は会議があってその後腎生検検討会。

二十九日

透析診療所まで出張。その前に早起きして負荷試験を手伝って。

三十日

ここのところ落ち着いているのだけれど,だからといってのんびりするわけでもない。


Written by Genesis
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