歳時記(diary):六月の項

一日

結構いろいろ本を読む。「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」(吉野朔実)など。

二日

外来で管理不良な透析患者さんが心筋梗塞起こしてきたようで緊急心臓カテーテル治療を開始。
先頃の診療報酬改定で、緊急で行う冠動脈形成術・ステント留置術の点数が引き上げられたのだけれど。「来院からバルーンカテーテルによる責任病変の再開通までの時間(door to balloon time)が90分以内」でなければ引き上げられた点数での算定ができない由。まぁ引き下げられてないだけましなのだが、次の点数改訂では待機的な冠動脈形成術の点数が引き下げられたりしそうで。そうすると「急性心筋梗塞になってからならカテーテルやる」みたいなモラルハザードがおこりやしないかと思ってみたりする。

三日

研修医入ってきて「忙しくしてください!」とかって言われたのに入院がない日。

四日

処方出してカンファやって夜は腎生検カンファレンスあって。なんだか盛りだくさんで。

五日

Duty的なことをやっているだけで日が暮れる。保険請求とかね。

六日

夜は当直。大雨降っているのでさすがにあまりこなかった。

七日

当直明け。ICUでCHDFまわしているのを相手しながら夜の透析まで。

八日

早起きして、ICUのCHDF患者の様子を見に行く。
それが終わってから子どもの保育園の同窓会。園の先生の趣味のドラム叩いて大騒ぎ。まぁ子どもは集まればそれだけで大騒ぎだけれど。

九日

透析の当番までやって、結構遅くに帰る。

十日

元気な研修医がローテート中。暑苦しいくらい元気なのだが、取り扱うこっちにも熱がないと、気合負けする感じで。

十一日

夜は当直。荒天もあって来院が少なかった。どうもあちこち病院は空いているらしい...。

十二日

外来にふらりと紹介状もなしで妊婦が来院。内科受診を勧められたらしいのだが....紹介状くらい書けよと心の中でぶつぶつ。

十三日

他院から高齢のネフローゼ症候群患者の相談有り。転院でいいですよと言って受け入れてみると、(半分ぐらい予想通りだが)認知症ありADL不良。治療上はなかなか難しいなぁとは思うのだけれど、個人的にはキツいところを引受けて方向性出してあげないととは思うので。

十四日

朝早起きして透析学会へ。睡眠時間4時間なのは気にしない方向で。 さすがに飛行機の中では寝てましたが。
気になった演題・シンポジウムを聴いてまわる。座長が特定に薬に肩入れするような発言するのはどうかな、と思ったり。 医療裁判について取り上げる講演もあったのだけれど、そこで解説された判例の判決を見たくなり。判例タイムズに掲載されたようなのでどこかでコピーできるかな....。

夜は職場の人々と飯を喰う。

十五日

朝はあまり早起きできず。例年だと朝一番でランチョンセミナーの整理券がなくなってしまうのだが、今年から整理券配付が電子化されて、参加証の二次元バーコードを認証して一枚ずつ配る方式にしたためか、8:30の時点でもまだ十分に選んで参加できるほどに整理券が残っていた。

ランチョンまで聞いて、新幹線で帰宅。

十六日

夜特に仕事はなかったはずなのに、そういえばやっとかないと的なことをやっていたらいつの間にか遅くなっている罠。

十七日

家に帰ってきてドアを閉めたところで電話が鳴る。……受け持ち患者急変ですかそうですか。取って返して緊急手術に入って、帰ってきたら二時。

十八日

夜は飲み会。少しだけ日中仮眠したけれど、ついつい帰ってきたら一時回っていた。

十九日

仕事が落ち着いているのを幸い、早めに帰って早寝した。最近疲れたまりやすくなったなぁと思ったりする。

二十日

子どもたちが学校へ出て、さて自分も出発しようかと思っていたあたりで息子が泣きながら帰ってくる。何事?と緊張したら「習字道具忘れた....」なぜそれで泣くのかは理解不能で。どうも取りに戻ったら遅刻しそうと思ってパニックしたらしい。

夜は当直。
tPA適応患者とか急性心筋梗塞患者とか居たようなのだが...わたしは相手せずにすんだりして。

二十一日

当直明け。息子の歯医者行って、学童の親子交流会に行って。昼飯をそこでいただいてから、万座温泉へ。
途中鬼押出し園でも寄ろうかと思ったら、しっかり豪雨で、観て歩くのをあきらめてトイレ休憩のみ。残念。

二十二日

朝は休日にしては早起き。既に子どもたちは目覚めており朝食とって出発。近くで朝風呂入って、軽井沢おもちゃ王国へ。残念ながらアスレチック城は雨で入れなかったのだが、息子はプラレールを堪能し、娘も観覧車にゴーカートと楽しんだようで。
最後にわくわく大冒険の森と木工工作をして。……これっておもちゃ関係あるのか?と思ったり。

帰ってきておもちゃ王国について検索かけてみると、これ結構面白い会社。「経営難あるいは閉鎖された遊園地やテーマパークの再建に対して強いノウハウを持つ」って、なんてニッチなノウハウなんだろう..。

二十三日

薬屋さんから情報提供に、といって資料をもらう。薬に関係ない情報の方が好きだったりするけど。

二十四日

やらないと行けないことはあるのだけれど今ひとつ取り組みきれずにいる今日この頃。

二十五日

午後後輩と面談。業務内容の調整なんだけど...人より少ない仕事をまかされるのすらいやがる素振りを示す相手にどうものをいうかという水面下の探り合いに疲れる。

二十六日

夜は当直。どういう訳か午後十時を過ぎたところから混みだす。

二十七日

当直明け。
家に帰ってきてついていたテレビを見ていたら黒子のバスケ事件の被告人の被告人質問のニュースをやっていた。ふと「これって関係妄想の一種?」とか思ったのだけれど、ただの思いつきなのでこの辺に書き散らすだけにしておく。

二十八日

子どもの学校へ。軽くみて歩くと図工の時間に描いたのだろう絵が飾ってあるのだけれど...なあんか、昔と変わらない構図の絵が..。崖のうえ、が好きな我が息子。
夜は学童保育についての学習会へ。子どもたちがお世話になっているのだけれど、今ちょうど転換期で。新しい制度設計が進められている時期ということでなかなか勉強になる。

二十九日

日直で出勤。
帰ってきてから子どもと晩飯を食べに出る。雨が不安定な一日。

三十日

自転車を走らせながらふと「イーシャの舟」は映画にしやすいかもしれないと思いつく。あんまり特撮とか使わなくても映像になりそう。でもよく考えるとイーシャは最後の最後まで美少女にならないので新人女優の出番が少ないしカップルになる年輝は強面だし取り上げづらいかも...と思い直す。
「星虫年代記」の諸作は十分映像化に耐えられるだけの作品だと思うのだけれど、気がつくと映像にはなってない。もったいないような、それでいいような。


Written by Genesis
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