歳時記(diary):七月の項

一日

いつもの仕事をこなしていくだけで精いっぱいの月曜日。患者さんの回診をするというか挨拶をしに行くというか。

二日

ルーティンワークで日が暮れる。
月頭なのでレセプトの詳記のおまけ付き。

三日

午後に面談二件と会議付き。

四日

夜に透析室の今後の運営を検討。院長ののんびりっぷりにつっこみをびしびし入れる会と化する。いいのかねこんなんで....。

五日

患者家族の厨理論の相手をする。「○○して欲しい」「それは出来ないとお話しましたが」「そこを是非お願いします」「無理です、そこまで希望されるのならご自分でなされてはいかがでしょうか」「……」以下略.....。
自己中心的な要求だけ押し付けてくる相手にどう対応するか(しかも丁重に)ってのは難しい課題かと。

六日

ワケのわからない替え歌を唄っている息子。これは作詞の見込みがあるとみるべきなのかただのお莫迦さんなのか。

七日

午前中お友達と遊んでいる子どもを尻目にお出かけ。
帰ってきたところで子どものお出かけリクエストに付きあう。結構暑いのですぐに汗だくになる。水沢山飲んでちょっと出かけて家に戻る、ってのが暑熱馴化に役立つ、だろうか?

八日

外来の予約数がメチャ多い。患者さんとの雑談封印して速度上げてやったらまあそれなりの時間に終わる。それがよいことだとは思わないけれど。
そして午後は入院患者さんを計三人相手。

九日

生命医療倫理教育に有用な映画作品リスト。あんまり観てないなぁと反省したり。とりあえず「イノセンス」から(ばき

十日

夜透析まで。長い.... 。

十一日

午後外来は....普通かな?あまり妙な人もおらず。
夜は当直。入院ベッドないこともあって少なかった、かな。

十二日

当直明け。
夜は専門医制度についてのお勉強会。卒後臨床研修制度から始まり、次は専門医制度の整備に議論は移っている。確実に時代は進んでいるのだけれど、よい方向に進んでいるのかどうか。

十三日

朝からお仕事。土曜日は少しゆっくりペースで。
夜は当直。ここまで続くのは院内基準的に禁じ手なんだけど、前後の調整で自己希望なのでよいことにしている。
調子悪くなると何でも「熱中症かも」って受診してくるのやめようよ....「過去最高の発症」とか報じられてるけど、診断自体がいい加減なんじゃないかって気が。

十四日

当直明け。呼ばれない間寝ていたくても窓から差し込む暴力的な朝日の熱感で起こされてしまう.....。冷房つけっぱなしだとそれはそれでのどやられたりするしね。
どこかに寝袋しまい込んでいたはず...と家探し始めたら納戸の大掃除に。まあたまにはやったほうがいいよね。

十五日

マンション:63平方mに12人…組合「脱法ハウスだ」 こんな業者もあるんだ、とまずはびっくり。もともとの意味は「ひとつの住居を複数人で共有すること」だそうなんで、こういう改造した家もシェアハウスだというなら、カプセルホテルでもシェアハウスだと名乗れてしまうような感じがしていい感じがしない。

十六日

医局で新聞読んでいたら、昨日のシェアハウスのニュースの続報が。シェアハウス改築:設備負担が数千万円 消防法特例除外でとなっていたんですが。「違法性はない。これまで問題になったことはない」ってどこまできちんと確認してたのかね業者よ。まぁ、頭に「適切に改修を加えれば」てつければ正しいんですが、改修の費用はマンション管理組合もちってわけに行かないでしょうよ。
けどまぁ、消防法の特例なんてあったんだぁと、そういう意味でも興味深い事例とは思う。

十七日

夜は当直。さすがに一週間で三回当直なんて、あんまりやりたくないですなぁ。

十八日

休憩時間で一寝入りしかけたところで急変でたたき起こされる。CPAOA(来院時心肺停止)ってことで蘇生を始めるのだけれど、末梢点滴できる血管が見当たらないって方。長期に療養している人だと結構いるんだよね...。心臓マッサージしながら大腿静脈穿刺してカニュレーションして血管確保。そこから点滴を開始して蘇生継続、気管内挿管して心拍再開したところで中心静脈カテーテル穿刺を行って。
安全に手技を実施するということで最近ではエコーガイドで中心静脈カテーテル穿刺するのが推奨なのだけれど、そんなものがない時代に手技を身に付けたオールドタイマーとしては、のろのろとエコーガイドなんぞやっていたら助からない患者もいるんだぞとか一喝してしまいたくもなる。リスクを取ってでも迅速に、という場合も安全最優先の場合も、求められることを実施できるようでありたいと思う。

仕事終わって家に帰ってみると、それなりに遅い時間なのに宿題を終わらせていない息子....。宿題終わるまでご飯なしと言い渡してじっと背中からプレッシャーをかけ続ける。いい加減眠いと思われグズグズだったのだけれど、一応なんとか終わらせたのは立派、と思う。こっちも腹減ったけれど。

十九日

夜のCPCのお題は肉腫型の悪性中皮腫。組織で言われないと全然思いつかない鑑別診断だよ....。

二十日

朝方布団の中で患者急変の報を聞く。寝耳に水という感じではあったのだけれど、もともと状態もあまりよくない方でもありこういうこともあり得るかと思って対応。
剖検まで行ってお見送りする。結構付き合いの長かった方で、スタッフもたくさんお見送りに参加してもらった。少しでも遺族の慰めになってくれればいいのだけれど。

二十一日

「三鷹バス痴漢事件」の判決がトンデモすぎるとのニュースを読んで現物を探しているのだがなかなか見当たらず。PDFでダウンロードできると書いてあるんだけどねぇ。
すべての裁判判決が電子的にアクセスできるように公開されるといいんだけど、と思ったりする。勿論適切な匿名化が必須だろうから、それなりの手間が発生するのだけれど。

夕方投票に行って、それからステーキハウス"けん"まで行って夕食を食べる。……昼飯が遅かったんであまり入らない。ご飯食べ放題だったりするのがポイントの店なのに...。
夜は参院選開票速報をザッピングして過ごしてしまった。

二十二日

外来がてんこ盛りでひぃひぃいう月曜日。

参院選開票速報番組ではテレビ東京が大人気だったらしいと知る。まとめサイト読んでいると確かに池上彰氏のツッコみがよく斬れている感じで。次はチャンネル固定してみようかな。

二十三日

twitterで #池上無双 を読んでひとしきり笑う夜。

二十四日

夜、症例検討会で他院まで出向く。バイクを飛ばしたのだけれど、近くにバイク駐車場があってよかった。

二十五日

午後外来やって、そのまま当直へ。

二十六日

当直明け。終わって帰って9時でしたが何か。

二十七日

Windows Media Player形式で公開されている動画をローカルに保存したくて情報を漁る。たまたまVLCは持っていたのでmms上にあるwmvファイルをVLCを使ってダウンロードするに書かれたやり方で試してみる。どういうわけかMPEG-4では書きだせなかったのだが、wmvで無事書きだし終了。

立川の昭和記念公園花火を見に行ったら、打ち上げ開始直前の時間から雷鳴が。花火大会じゃなくてかみなり大会になってしまったとか言いながら撤退してくる。

二十八日

日直。

国内シェア98%の製造工場が被災したとき、甲状腺ホルモン薬を死守した人々の記録を読む。現場で地道になすべき仕事に精を出す人々が、そして理性的にことに当たったすべての人々が、とても大事なのだと思う。

二十九日

激混みの外来を片づけて病棟みて。最近どんどん時間が経つのが早くなっている気がする。

三十日

転院にからんでいろいろ揉めていた患者さんが無事に転院。患者さん自身も一癖ある人だったが、最近ではすっかり家族の方が癖が強い人になってしまい。とりあえずは一区切り。

三十一日

夜腎生検カンファレンス。悩む症例二例を提示して検討する。
その後飲み会して。


Written by Genesis
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