歳時記(diary):十月の項

一日

午前外来結構多かったつもりなのだけれど、終わって見ると普段通りの時間。

二日

朝から診療所の外来。
回診が終わると待機になるので一休み。最近いつでも寝られるような感じなのは疲れてるのかなぁ。

三日

病棟受け持ち患者が膨れているのだが長期になっている人が多くてあまり具体的な動きは少なかったり。

四日

午前病棟・午後外来。血圧の管理やら鉄欠乏性貧血やらリンパ節炎やら、いろいろ来る。そんな中にもしかしたら稀な病気が隠れているかもと思うと気が抜けないところだけれど。

五日

病棟みて、午後は回診をして。ケースカンファは一応しっかり出て。

六日

夜から当直。そこそこ救急車も取ったけれどなんだか若い人が多く。自力で来てもいいんだよ、と思ったり。

七日

朝方来た若い人、受診理由が「まぶたが浮腫んだ」 何のアレルギーかなあと思いながら診察したら、どうもクインケ浮腫のよう。初めて見た.....。

そのまま日直業務をこなし、夕方終わってからコミケスタッフの友人の結婚式二次会。軍人さんが盛り上げていた(滅)のですがはたして一般の人たちはついてこれたのだろうか。

八日

祝日。いい感じにぐったりして過ごした。

九日

後輩から投稿論文読んでくれといわれてちら読みして頭痛。学術論文って一応なんらか「これは新しい」「これは他ではみられない」って何かを論じないといけないと思ってたんだが。
論文の何たるか、から語らなければならないとなると結構辛いのだが。

十日

午前外来と夜外来処方日で、その合間に病棟みてちょいちょい指示を出して。代り映えがしないとはつまり平穏だってことだと思わないとやってられませんがね。

十一日

日中研修医を指導して中心静脈カテーテル挿入を。散々脇から口を出しながら一応成功。
意識障害のある患者さんだったので注意点を話したり「そうじゃない」と言葉で止めたりできたけれど、意識晴明な人だったらそうは行かないからなかなか難しくなる。本日の研修医は「初成功」とのことだったのでよきことかなと思う。

夜は宴会。早めに帰って子どもを保育園に迎えに行き、連れて帰ってからの参加。
ウチの奥さん教育ママで、と愚痴る同僚のお話につき合ったり。わたしは子育てのゴールはいかにタフに育てるか、だと思っているのだが。転んでも立ち上がる力、壁にぶつかった時に壁を登ったりよけたり穴を開けたりしてなんとかやり過ごせる知力体力を身に付けること。そう思うと、子育ての過程でいかに適切に転ばせたり壁に当たらせたりするか、が課題だと思うのだが。きっと世の教育ママには理解できない発想なのだろうけれど。

十二日

午後総回診して、発表の予演を。直し指示が出たけど結構あれこれ出たのと明日朝の発表という。
新幹線の中と着いたホテルでやりましたさ。

O-157と溶血性尿毒症症候群になって入院したよ。はーとまーくつけている場合じゃないと思うのだが。グロ注意ということで。

十三日

睡眠時間三時間少々で起床する。シャワー浴びて軽食を摂ったあと、荷物を持ってホテルを出る。直した読み原稿のプリントアウトのために。結局ホテルのロビーにあったパソコン&プリンターで済ませた。
発表は恙なく。わりと類似の報告が見当たらない例なのだけれど.....紙にはしなくていいよな?

「伏 贋作・里見八犬伝」(桜庭一樹)を読了。面白い。
異形の人間は好きですが、この伏という種族の造形が気に入った。犬のように短命で、時に衝動的に暴力を振るい、人間社会に馴染めない人型の生き物。本当にそんな種族が人に混じっているのではないかと思わせるような描写で。浜地もとてもいいキャラクターですけど。
表紙帯に描かれた犬面?の男は映画でも登場するんですかね。どうでもいいけれどこの手のお面を見るとどうしても「ディスコミュニケーション」を思いだしてしまうわたし....。松笛くんですな。

十四日

目を覚ましてみたら9時過ぎてた。宇宙兄弟見逃した...じゃなくて学会始まってるじゃん。後輩の発表には間に合いましたが。

帰りの新幹線では「鬼談百景」(小野不由美)を読了。ラフカディオ・ハーンの「怪談・奇談」を意識しているんだろうなこれは。面白い。

十五日

外来やって入院みて。午後一人入院入ったのを受け持ちして退院書類を用意して。いつも通りの業務進行ですがね。

十六日

午前中透析診療所。空いた時間多少のお勉強。

十七日

外来透析をみて、午後病棟みて。いつも通りな感じで。

十八日

午後の外来は、転院搬送適応患者が発生したりしてほとんど一人態勢。悪性高血圧っぽい人やら精査希望やらを数こなして、それでもなんとか普段の時間に終える。

十九日

仕事終わったら早めに帰ってみる。学童が閉まる時間になんとか間に合わせて子どもを拾う。残業付きだと子どもの相手は大変だなぁと。

二十日

午前中子どもの運動会。途中で切り上げて日当直。
「尋常じゃない」で検索すると不思議なカンファレンスが引っかかってくることに気付く。今度都合がつけば参加してみたいな。

二十一日

当直明け。
帰って少しのんびりして、昼を食べたあとから子供らと公園へ。走り回っている子供らを眺めながら「残穢」(小野不由美)を読了。
あとで調べると、「鬼談百景」→「残穢」の順に読むのがお勧めとのことで、期せずしてその順番に。ホラー小説で始まって歴史小説になる、とでも言おうか。じわじわ大きくなっていく展開がよい方向で裏切られる感じで面白かった。

二十二日

午前外来。
午後から体が重い感じがするので無理せず早めに帰る。夜中にはしっかり熱が出ている感じで。

二十三日

朝結構ぐったりな感じで、熱を測ってみると39℃。これまでみたことないレベルだな.....。さすがに動けないので仕事は休みとして、家で寝倒れる。
もっともあまり眠れた感じではなく。解熱剤飲んだら夕方切れてきたところで悪寒が来て困った。
解熱剤効いて落ち着いている時に「ふしぎの海のナディア」観損ねている分を少し消化したりして。

二十四日

なんとか熱が下がってきた感じだったので出勤。……結局夜透析までついてきてしまいましたが。
熱が出るというほどではないけれどなんとなくからだが熱いような感じが残るのはまだ本調子ではないんでしょうね。

二十五日

夜中寝汗結構かいたのは布団が厚かったせいだけとは思えず。でも熱はなし。
外来に結構数が来ており。捌くのは苦手と思ってはいるのだが数を捌かないわけにもいかないような状況で。

二十六日

まだ本調子じゃないんだよなーでも今夜当直だなーって夜。
あんまり患者さんが来なくてよかった.....。

二十七日

明けて土曜日。出勤日ではないので帰宅。
天気も良くないので家でおとなしくしていた。それでもあまり眠くならなかったのは、やっぱり休日摂ってよく寝たせいなのかなぁ。

二十八日

相方は朝から研修といってお出かけ。
宇宙兄弟観たあと何しようかなぁと思いながら、結局子どもを車に乗せてイオンモール武蔵村山へ。Kid-Kidで遊ばせたらわりと満足したようだったので何より。

二十九日

外来。予約が少なめだったけれど来院がまとまらないので効率が悪いという。

三十日

夜、病院の仕事でインタヴューに駆り出される。都内へ出る間に「キノの旅 XV」と「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の小説を読む。

三十一日

透析外来やって午後は少しのんびり病棟みて。
そろそろ書き物もしないといけないのだが....。


Written by Genesis
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