歳時記(diary):八月の項

一日

午前中外来透析を診て、夜は会議があって。まぁ普通の日、でしょうか。

二日

腎生検やって、午後は外来で。
終わったところで早々に帰って子どもの迎えなど。

三日

休みがあったりする関係で、午前中は透析外来。午後は回診をして。
明日から出かけるのだが、その直前に調子悪くなる人あり。経過観察の手だてをあれこれ打ちつつ。

やることだいぶあるなぁと思っている八時近くに相方から電話。仕事残った状態で帰ってきたから早く帰ってきて欲しい由。しょーがないのでいったん帰って子どもの世話をしたり出かける準備をしたり。十二時前に帰ってきた相方と交代して病院へ戻る。仕事済ませて寝たら二時半だった。

四日

朝は五時半起き。どれだけの睡眠時間があったかとか気にしてはいけない。

諸般の事情で原水爆禁止世界大会へ参加。新幹線にのって広島まで。車内では「戦車のような彼女たち」(上遠野浩平)を読む。
暑い。じりじり焼かれる感じの暑さで汗もだいぶ出て。会議場はいちおう冷房も効いていたのでまだましだったけれども。

五日

路面電車を乗り継いで分科会に参加。
憲法9条と核抑止力論、というお題。パワーバランスで世界情勢を推し量っていくならば、核の力の大きさを考えるとそれは決定的な力になると思う。非軍事のパワーが世界情勢にどこまで影響するようになるのか。核を持つことがコストとして引きあわないような時代を作れるのか。そんなことを思った。
講演聞いている最中に「ストライクウィッチーズ2」のオープニングテーマが鳴り響く。着信音がならないようにしとけよと。あと、曲を選んでおけよ(笑)と

六日

この日の朝は早い。八時には平和記念公園について、平和祈念式典に参列。もっとも公園内におかれたモニターの前で様子をみただけだけれど。
粛々と式は進んだのだけれど....。周辺の道路で原発再稼働に反対するグループが大音量で宣伝をかけていてちょっとげんなり。言論の自由は勿論あるけど、時と場合を考えようよ、と。

帰りの新幹線の車内で「ラ・パティスリー」と「人類は衰退しました4」を読了。上田早夕里さんはSFマガジンか何かに載っていた作品を読んだくらいだけど、なかなか面白い。

七日

平常業務へ。
透析診療所の回診して、夕方は勉強会。透析療法について、過激な意見を拝聴する。

八日

透析の回診で午前午後と潰れ。夜は院内腎生検カンファレンスを。

九日

腎生検のあとは外来。一人休みということもあって結構多い。
久しぶりに外来に来た人が、パーキンソン病と診断を他院で受けたとのこと。改めて自分のカルテを読み直してみると、そう考えると納得のいく所見がいくつも残されている。「何でもっと早くわからなかった」と詰められたら「わたしが至りませんでした」と返事するしかないなぁ....と思ったり。

十日

当直明け。
骨髄穿刺を久しぶりにやることにしていたのだけれど、その患者さんから強烈に拒否をくらい。痛い検査はイヤとのこと。結構高齢の方なのでやむなしとして引き下がった。
疑っている病気はあるので確証はなくても治療することは不可能ではないのだが、それはあまり上策ではないので。とはいえ、患者さんの同意がないならばやむを得ない、と思う。

十一日

コミケット二日目。朝から行きたいところではあったのだが相方は仕事、こどもらは学童に保育園。子どもをそれぞれ送りだしてから会場へ向かうと到着したのは十時過ぎ。
この日回ったのはStudio Maruanのみ。軽く暑い、くらいでスタッフ的にはそれほどきつくはなかった、かな。(絶対評価的には常にきついんですが)

十二日

コミケット三日目。相方からの不評を受けながら朝一で出発。
一時は雨もぱらつく天気で気温としては過ごしやすく。倒れる人もそれほどではなかったかな。
行き帰りで「STEINS;GATE 円環連鎖のウロボロス」を読む。……なんつー分厚さだ...。

お買い物リスト。

十三日

外来やって病棟診て。落ち着いているっていうか手が出せないというか、そういう人が多くて。

十四日

外来透析の処方日〜。処方せん書くだけで疲れる...。

十五日

午後臨時で腎生検に骨髄穿刺。腎生検は超高齢者でどきどきものだったのだけれど、実際にはほぼ一撃で成功させる。
その後骨髄穿刺はとっても久しぶり。無事に成功してほっと一息。

夜は子どもを迎えに行って晩飯食べさせて。

十六日

二日続けて夜はお迎えして飯を喰わせて。
少し時間があったので「宇宙兄弟」みてたらオープニング観ながら踊りだす子どもが約一名....。

十七日

一人休みがでたので二人分仕事をこなす羽目に陥る。そんな中で急な退院取り消しとか。

「プロチチ」(逢坂みえこ)読了。アスペルガーと育児か....ある意味もっとも苦手な組み合わせかもしれないと思いつつ。

十八日

夜は当直。まあまあおちついてた、かな?

十九日

明けて、CHDFを開始して。
帰ったらぱたりと昼寝を。最近このパターンが多いのはやっぱり疲れてるんだろうなぁ。

二十日

午前外来、午後病棟。入院も一人入れて。休み前と思うとせわしない.....。

帰り際に子どもの傷手当て用でキズパワーパッドを買い込む。虫刺されの傷や掻きこわしを手で触ってさらに治りを悪くしてしまっていることが多いので、貼ったらしばらくはがさないでいいハイドロコロイド系の創傷保護剤を使うほうが最終的にコストパフォーマンスがいいような気もする。

二十一日

明日から休み、ということは残務整理を多量にしなければならぬということで。

二十二日

夏休み初日。
妙に早起きな子どもと一緒に朝のJRに乗る。大宮駅へたどり着いて新幹線へ。盛岡まではやてに乗車。車内では同人誌を読んでいた。
盛岡駅でレンタカー借りて八幡平へ。道すがら道の駅西根で昼飯を喰い、八幡平アスピーテラインを走って八幡平山頂まで少し散歩。晴れていて眺めも良かったのでこれは楽しかった。子どもが少々ぐずついていたのが何でしたが.....。
泊まりは八幡平リゾートホテル。ホテルの目の前がスキーゲレンデというロケーションはいいですね。温泉入って晩飯食べて。

二十三日

ホテルをチェックアウトして、手頃な遊び場を探して森林ふれあい学習館「フォレストi(アイ)」へ。ちょこっと見て見ようかと思った程度だったのだが遊具がとても気に入ったようで半日遊んでいた。
温泉入ってから安比高原へ回ってみたが、もう夏休み体制が終わっていてイベントがない。かろうじて開いていたキリリの森に行ってみたら、「今日初めてのお客さん」ときた。(爆) 子どもたちは世界のカブトムシを堪能したようだったが。

今夜の泊まりは母方の実家。叔父と祖母に挨拶して、牛舎に子どもを連れていってみて。はじめはかなり引いていた娘が徐々に慣れてきてわがもの顔で歩き回っていたり。

二十四日

朝普通の時間に起きてきた息子.....そんなにおまえは勤勉だったか?と思ったり。
朝飯食べてから牛舎を再訪。卵拾いに行ったり息子はウシのうんちとりを少々やってみたり。どんなものにせよ経験って大事だよね、と思っている。

午後時間の余裕がありそうなので竜泉洞まで車を飛ばしてみる。従弟が行くの初めてといっていたので同道。一気に汗が引く中の気温は、夏に行くにはふさわしいところかも。

二十五日

朝ご飯を食べて辞去。盛岡まで車を飛ばし、少々時間が余ったので不来方城へ。石川啄木の短歌を思い出しながら少しのんびり。
帰りの新幹線ではきっちり子供らが寝こけたので、「天地明察」を読みふけっていた。

二十六日

遅く起きて、子どものリクエストにそって市民プールへ。安くて気軽に行けるのが取り柄というところだが値段分以上は堪能した。

「天地明察」(冲方丁)読了。和算のことや算額のことは多少知っていたけれど、貞享暦のことまではさすがに知識がなく。囲碁のこと、算術のこと、天文のこと、そしてそれらが渋川春海という人間の中で渾然一体となって生まれたのが新しい暦であったのかもしれない、そんなことを読み終えて思った。
ちらっとWikipediaを調べると、その後の暦は短命が続いたようで。諸行無常、なのかなぁ。
あと印象深かったのは会津藩主保科正之というキャラクター。「凶作において重税を課し、領民を疲弊させるばかりでなく飢えに陥らせるのは、慎みでも質素倹約でもなく、ただの無為無策である」とは強烈な言葉だなと思った。

二十七日

外来やって、午後はカンファレンスで。
休みの間に患者さんに大きな変わりはなくてよかったよかった。

二十八日

午前透析外来みて、夕方透析当番を診て……の予定が、患者急変とかいろいろで夕方の透析当番をかわってもらう。そういったことを受けてもらえる体制が組めているのはありがたいこととは思う。

二十九日

昨日の夜から長男が発熱。朝ちょっと元気がなかったので小児科で診察してもらう。連れて来る頃には元気になっていて、大きな心配はないだろうとのことでそのまま実家で預かってもらう。

三十日

長男の熱はまだ続いていて、この日も実家へ。
そのまま当直。引き継いだ時は患者さんいなかったのに、その後一人みると二人来るようなペースで来院あり。
昨日失神して頭ぶつけて、傷は大したことないから様子見ていいといわれ、今日頭が痛いとかって来院した患者診ながら前医に「まず失神した原因を調べようぜぇ」と思ったり。

三十一日

当直明け。そのまま夜まで急性血液浄化対応とか。
理性的でない依頼をどう捌くかについて思いをいたす今日この頃。


Written by Genesis
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