歳時記(diary):二月の項

一日

朝から透析室の処方日。なんだか他のあれこれまであってえらく時間がかかった。昼飯は結局二時。

IE8でISO-2022-JPで書かれたWebPageが表示できないという問題が持ち上がっているということで、とりあえず今年の分からコードをUTF-8にしてみた。
しかし、基本的にISO-2022-JPで書いてきたから、昔のものとか文字コードを変えるのは非常に面倒なのだが。トップページでお断りしておくことにするか。

二日

午前と夜間が外来透析の処方日で、入院を計三人受け持ちして午後には胸腔ドレーン挿入までやってましたが何か。
腎臓内科全体で今日は入院が六人(うち緊急四人)もあったもんでねぇ....。

三日

昼頃から調子の悪かった患者さんを夜になったあたりでお看取り。けっこう入退院は繰り返していたので付き添っていた家族も覚悟は出来ていたと思うのですが、それでも家族が取り乱すほどにあっというまの出来事。
最後の言葉をきれいに言い残して目を閉じる、ドラマのシーンのようには人は死なない、というのがわたしの意見なのですが、今回はある意味それに近い感じで、急に呼吸が止まったかと思うと心停止という。家族がだいたい見つめる中でのことだったのはそれはそれでよかったのかな、と思ったりする。

四日

午前中で病棟診て、午後回診。木金は割とゆったりしているのでバランスがとれているような。

五日

土日と続けて休暇。
大相撲の八百長の件を読みながら、「当日会場に行ってみないと相手がわからないってのもアリなんじゃ?」と思ったり。支度部屋ではメールや携帯電話禁止にしておけば相手がわかってから八百長の相談、てのもやりにくいだろうし。

午後たっぷり昼寝をしてしまったので、夜中起きてスライド作りなんぞを。子ども起きていると進まないからねぇ....。

六日

昼飯喰いがてら外出したくらい、だろうか。ついつい出不精になって。
庭のハナモモの縮葉病予防にビスダイセン水和剤を撒く頃かと思い、引っ張り出してみると「展着剤を混合するといい」などと書いてある。かくしてホームセンターにいってダインを買ってきたのだが.....これってごく少量でOKらしいので、使い切るのはいつの日だろうか。

七日

午前中の外来は少なめで、合間で普通の外来の手伝いなど。

八日

「勉強部」なんて記事を読みながら、そういえば高校時代、新入生歓迎会のネタとして「東大現役合格会」を名乗って3〜40人くらいが舞台の上に集合してたけど、そのうちの誰一人として東大を受けなかったなんてことがあったなぁと懐かしいことを思い出した。

九日

午前中透析外来で、午後は病棟。夜は会議をやって九時過ぎの帰宅。まぁ普通かな?

十日

午前中病棟診て、午後は外来。
それなりに数も来てて、レントゲン撮影の指示が多い....。

十一日

透析当番で出勤。昼前には透析導入直前で外来で見ていた人がきっちり尿毒症で受診。緊急透析を開始したりして。

十二日

内科地方会。朝から在宅当直のPHSを返しがてら病院へ寄って、そのあと内科会館へ。
発表はまあそれなりに無難に。他の発表もちょっと聞いて帰ってきた。
行き帰りで「銃姫(7)」と「とある飛空士への恋歌(5)」を読了。「恋歌」の終わりを考えるに、カルエルとアリー、そして彼らを取り巻く人々の物語はここで終わり、なのかなぁと思ったりした。カルエルはまだ旅を続けるのだけれど、これはまた別の物語、という感じがした。

高校時代に聴いた合唱曲で"Soon ah will be done." という曲がある。正確な歌詞を知らなかったのだけれどふと思い立って検索するとすぐに見つかる。
「歌詞不明」なんて書かれていたこともあったのだけれど、訛りの強い英語の歌詞、であるらしい。

十三日

「せっかくの休日なのにぃ〜」という相方の叫びに応えたつもりで車でお出かけ。三井アウトレットパーク多摩南大沢へ.....の予定だったのだが、駐車場の込み具合にあっさりめげて途中で見つけたぐるぐる大帝国八王子店へ。個人的に店内で見つけたラムちゃんコスプレのケンシロウの絵に「ををっ、こんなネタコミケでみたことあるっ」とか思ってしまったり。

夜は当直へ。入院ベッドなくかなり苦しい夜。

十四日

夜半に来院された方は入院適応なのだがかかりつけ病院も遠く当院へ入院もできないということで、救急外来で夜明かし。午前中外来をやりながら転院搬送の当たりをつけていた。

仕事終わって帰る途中は見事な雪。「わ〜け〜い〜っても〜、道をうずめて光る雪〜」とかって「山の輝き」歌いたくなるのだがそういうものですよね?

十五日

朝は見事に雪化粧。
こんな中いつも通り自転車で子ども乗せて保育園に行くとかなりの確率で滑って転倒するだろうと思って、少々時間はかかるがいったん車で保育園へ送ったあと家へ取って返して改めて自転車で出勤。
そんなことをしたあとで雪で3人乗り自転車転倒!女児ひかれ大ケガ とかってニュースを読むと、ああやらんでよかったと思ったり。

十六日

雪もだいぶ消えてきていて何より。
透析の患者さんは雪が降ろうが槍が降ろうが通院しないといけないので、切実に荒天はつらいと思うんですな。

十七日

朝起きてみると雨。どうやって子どもを保育園に送るか考えて、結局早めに車で出る選択で。ところが子ども送り終わって家に戻った頃には雨がだいぶ止んできており、職場にバイクで到着する頃にはほとんどやんでいて。……まあ、こんな日もあるとしか言いようが。

十八日

当直帯になる頃に入院した患者さんを相手していたらCPC出られなかった....興味持っていたのでしくしく。

十九日

夜、相方とふと議論になった。「ユニバーサルデザイン」と「バリアフリー」はどう違うか、と。直接的にはユニバーサルデザインを謳った歩行者用通路を車いすで利用できないのは看板に偽りありかどうか、ということから始まったのだけれど。
本当の意味で「すべての人が使いやすいデザイン」は非常に難しいのだけれど、少なくとも普通の車いすでユニバーサルデザインの通路が使えないってのは期待外れだろうという結論に至った。どっちかというとオーダーメイドするほうが個々の人にとっては使いやすいものができ上がるだろうから、機能障害がある方が使うものについては注意が必要だろうなと思う。

二十日

日直。土曜も日曜も出勤なんて別に珍しいことじゃないけどさ(sigh)
午後には患者さんからのクレーム対応したり。こっちが興奮するわけにもいかないから冷静にと念じつつ、相手の心理を考察してみたりする。先天的なものなのか後天的なものなのか、恫喝することで優位に立とうという行動様式しかとれない人って、確かにいるんだよなぁ。

帰ってきてちょっとささくれた心を「Gosick」観ながら慰めたり。わりと好みの作りをしているので気に入って観ている。

二十一日

午前外来。けっこう話が長くなってちょっと面倒、かな?

二十二日

毎日の特集「明日はある....か?」の消費税・考 /3「給付削減いつ誰が」を読んで怒り心頭。こういうこと書いている人々は絶対に給付削減で生活が立ちいかなくなることがないってのがポイントだろう。
こういう記事で必ず触れていないことがあって、ひとつは医療や介護・保育などの福祉分野に投資した場合の経済成長がどのぐらい見込めるかって話。もう一つは、消費税以外の税を増やすって話。
「財政悪化 ばらまき続けた自民・民主」に載っている図表を見てなるほどと思ったのだけれど、国と地方の長期債務残高と社会保障給付費の推移という表を見ると、社会保障給付の伸びはペースがあまり変わった印象がないのに対して、1994年頃から急に長期債務残高の伸びが増している。2005-2008年くらいの間は長期債務残高は横ばいだがその後また急増している。記事では高齢化社会に伴い福祉に関わる支出が財政を圧迫しているように読めるが、実際はそうではないだろうと思える。一般会計税収・歳出総額及び公債発行額の推移のグラフを見るとこの20年ほどはゆるやかに税収は減ってきているが、少なくとも長期債務残高の伸びが増した時期に著明な税収減はない。公債発行に伴う借金が増大したわけで、しかもその主因は社会保障に費やしたお金ではない。
となれば、国民の生存権に関わる社会保障費をさしおいて増えた出費があるはず、ってことになるのだが、そこについての分析はきれいさっぱり書かれない。借金ができた原因は不問にして借金返しにばかり走っていると、放蕩息子は普通新しい借金を作りに走るものだと思うのだが。

二十三日

午前中透析外来、夜間の透析外来の回診も。
患者も多いのでちょっと息切れ....。

二十四日

午後の外来で、韓国へ帰国して治療を受けるという患者さんがいた。診療情報提供書を書くことを了承したあとで頭を抱える。英語で書けばいいんだろうけれど、どう書いたものやら。
日本語で書いて向こうで訳してもらうのもアリだろうけれど、それもなぁと思いながら、幸い経過は簡単なのでなんとかそれらしい内容を英語ででっち上げた。
あとで在日韓国人の看護師に聞いたら、彼女でもハングルで病状経過を書くのはちょっと難しいとのこと。やはり壁は医学用語と。nephrotic syndromeが日本語でネフローゼ症候群になるように、英語がそのままハングルになったことばもあるらしい。

二十五日

午前中急病の先生の代診。それでいて一人新規入院対応して週末の退院予定患者の診療情報提供書を作成してカンファレンスやって歯医者に行ってたら、帰るときにはそろそろ日付が変わりつつあった。

二十六日

朝はのんびりしていたら少し遅刻。
一昨日穿刺トラブルがあった人の血管穿刺。かなり慎重になりながら何とか問題なし。

「つばき、時跳び」(梶尾真治/平凡社)読了。タイムトラベルものでラブロマンスもの。個人的にはつばきが丙午なんていう設定が妙に説得力がある気がしたり。
このエンディングはハッピーエンド、といっていいと思うのだけれど、個人的には「クロノス・ジョウンターの伝説」のように、時間の壁に引き裂かれながらそれでも想いは続く、というようなお話が好み。

二十七日

朝から義弟に来てもらって、庭木の枝下ろし。
冬で葉が少ない時期でないといけないってのが主な理由だが、葉の茂っている時期に大きく切るとただでさえ面倒な片づけがさらに大変になるって思いもあったりして。
枝を落とすのは割とざっくりできたのだが、案の定片づけにだいぶ時間がかかり。間でゆっくり昼食を食べたせいもあるが、夕方までかかってしまった。

二十八日

外来やって病棟の患者さんをちょろっと診て夕方から診療所の透析当番。せわしない。
しかも移動の足にしているバイクはなんだかふけが悪いし。


Written by Genesis
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