歳時記(diary):九月の項

一日

月が変わり、新入職の医師が一人。午後はオリエンテーションということで引き連れて説明することになっていたのだけれど....そこに救急から緊急透析適応の入院依頼。説明してたっていうか患者対応していたっていうか。まあ普通の姿をみてもらったということで。

夜は病理の先生をお招きして「SLEの腎組織」の勉強会。終わった後の飲み会はあちこちの病院から参加者がいてさながら病理部門内幕暴露会と化していた。

二日

朝は娘を連れて保育園。連絡ノートのカレンダーにシールを貼るのが日課なのだが、いくつもシールは種類があるのになぜかこの二日間娘が選んだのはロケットの絵柄のシール。
もしやこの子は第二の氷室友美に(なりません)

三日

午前中ちょっと余裕を持って病棟を回る。いまちょっとメンドウな人が多い感じなのだけれど。
午後は病棟カンファレンスやって、レセプト処理して帰宅。

四日

昼前からちょっと病院へ寄ってから内科学会関東地方会へ。そろそろ内科認定医の資格更新が近いので、単位とり。
あまり内科学会そのものには行ってなくて、来年春までに一度は参加しないと点数が足りなくなるということで、都合をつけて参加しておく。
往復で「とある飛空士への恋歌4」を読了。けっこう激しい戦いが描かれてるんだが....順当にはこの後最終決戦と思うのだが、こんなに盛り上げといて大丈夫か?とおもったり。

数日前旧友に久しぶりにメールを送ってみたが反応がないので、電話をかけるとつながる。メールを見たか尋ねたらみていないと。
「SPAMが多いんで、そっちに埋もれているかもしれない」とのこと。……SPAMフィルタはちゃんとメンテしておけと。

五日

昼前から子どもの七五三写真を撮ろうかと出かけたのだが、写真撮る前の着替えですでにイヤイヤ攻撃が激烈で断念。朝一番とか、もうちょっと機嫌のいいときを見計らうか。

六日

息子を連れて出勤。保育園までバイクにて。昨日購入したタンデムベルトを試す。体格的には多分想定されている範囲で一番小さいクラスになると思うのだけれど、フィッティングにそう大きな問題はなく、保育園までの五分ほどは危なげなく使用可能。爆睡するほどの長距離ライディングだったらやっぱりチャイルドシートの方がいいのかもしれないけど。(自作になるけどね....)

七日

最近いろいろとメンドウなことが多く。ルーチンワークってプログラミングして自動処理したくなるタイプなもんで。ただしプログラムするような能力はないってところが弱点なんですが。
ひと言いえば素晴らしい能力でこなしてくれる秘書募集とか妄想をつぶやくことが増えた今日この頃。

八日

第二の氷室友美ネタの続き。
彼女的にはお気に入りのシールは「ロボット」のシールであるらしい。「ロケット」と訂正しても「ロボット」と言い返す彼女は今後有望なのかどうか。

九日

後輩が最近ライトノベルをよく読んでいるというので、「古典だから」といって手元の「星虫」(新潮版)を渡してあった。今日聞いたら「星虫が額に付きました」とのこと。
「でも、この後きっといいもの扱いから落とされるんですよね」って.....。

十日

夜、東京腎生検カンファに参加。行き帰りで「ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊がんばる」と「サクラダリセット3」読了。

十一日

土曜出勤。
透析業務始めていると救急コール。走っていってどたばたと蘇生処置に参加。はあ、疲れる。

夜、「ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊恋する」「ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊はじける」と続けて読む。嗚呼この百合百合しい展開.....。

十二日

朝一番で子どもと軽くお散歩。そのあとは家で読書やらビデオ観賞やら。
夜からは当直。

十三日

当直明け。
外来やって午後外来やって。とどめに会議まであってからICUの重症患者を見ると9時。そういえば今日の会議の議題で「当直明け保障について」とかって話が出てたなぁ(棒)

十四日

緊急検査実施の相談でCT室に行ったら患者さんと看護師さんがお話し中。それはいいのだがなぜかことばが津軽弁。
「標準語でしゃべっても通じなかった」らしい。たまたま津軽出身の看護師さんがいて津軽弁で話しかけたら通じたそうな。……袖すりあうも他生の縁ってこういう話でしょうか(違)。

帰りがけ、買い物のためにスーパー寄ったら、買い物を終える頃から豪雨襲来。うっかり帽子もかぶってなかったので、突っ込んでいくと前もろくに見えなくなるような雨。古本屋でしばらく雨宿りしたが、やまないのであきらめて相方に迎えに来てもらう。
自転車放置して帰ったのだが....合羽を持ってきてもらってそれ来て自転車で帰ればよかったと思ったのは寝ようと思ったときだった。

十五日

昨日自転車を放置してしまったので、朝は単車で出勤。普段は下の子どもを自転車に乗せて保育園へ行くのだが、今日は単車に上の子どもを乗せて出勤する。なんだかバイクの後、好きらしい。どういうわけだか。

十六日

子供たちの最近のお気に入りは、お風呂上がりにバスタオルを肩にかけて「スーパーワン!」
やりたがる前に体をちゃんと拭いてくれればいいんだけどね。

十七日

夜から当直だったのだが、仕事しているうちにふっと忘れかけてて、「さあこの書き物終わったら帰ろうかなあ」などと考えている時間があった。
なんだか今夜はえらく呼ばれなかったけれど。

福岡高裁で「爪切り事件」に無罪判決の 看護管理学会意見書を出していたりして、判決自体は妥当なものだと思うのだけれど、さてこの事件、そもそもなんで事件になったのか。職場からの告発、ということなのだけれど、そうだとすれば、控訴審判決を妥当とする立場に立てば、職場の看護レベルが低すぎたことが事件の端緒、ということになるのだろうか。
それで起訴されたり有罪判決が出るようだとかなり困った状態だと思うのだが。

十八日

昨日の日記を書きながら、見つけたblogエントリ。ネット上で診療を評価する
医療事故について、しばしば専門家の鑑定の内容の是非が問われる。特に、稀だが重大な病気の見落としとか、非典型的な病状経過をたどった場合に、「診断が確定したところから見れば何とでも言えるじゃないか」というような鑑定書が提出されることがある。
少しでも現場の実情、平均的な医療水準を反映した鑑定にするためには、全体を知ってから後付けで考察するだけではよくないのではないかという問題提起と受け取った。

当直明けで帰ってきて、録ってあったテレビを。Dr.G岩田健太郎先生がDr.Gとのことで、「こいつは感染症だろう!HIV感染かなあ?」などと考えてしまったのだけれど。この番組は再現VTRがなかなか秀逸なので、シャーロックホームズよろしくじっと隅から隅までみるとヒントが隠れているのがよろしい。

十九日

本日日直で出勤。当直→明け→日直じゃあ休みなんかないじゃんって感覚は非常に正しいのです。よく日記を読んだら先週の日曜日も夜から当直だったじゃんって突っ込みも正解なのです。月月火水木金金なんてどこにでも転がっているのです。(死)

二十日

きっちり休みな一日。
子どもを公園に連れだして遊ばせていると、お互いに張り合うので制御が大変だったりする。もう少し年が離れてたほうがよかったかなぁ。
夕方、キリの枝をばさばさ剪定していると葉の裏に毛虫がいる。調べた感じはクロシタアオイラガの様子。キリは丸坊主にして枝の虫はすべて捕殺したのだが……すぐとなりがヤマザクラなんだよね。こっちにもついているかも。

二十一日

昼には臨時で腎生検。ご高齢の方でなかなか指示が入らない。かなり心臓に悪い腎生検であった。
夜は子どもを迎えに行って、メシ作って風呂入れて。ほんっとに言うこと聞かない連中ではあるが。

二十二日

夜、自宅に帰ってから「蒼路の旅人」を少し読む。

二十三日

祝日出勤。透析当番。
朝家を出るときは大丈夫だったのだが、病院について仕事を始める頃にはしっかり大雨。こんな中でも受診しなければならないのだから患者もラクじゃないと思う。

そのまま夜は当直。雨を衝いて来院するような人はほんとに調子悪い人かそこそこ元気な人というわけで、あまり数は来ず。

二十四日

当直明け。少し病棟見回ったりした後で腎臓学会東部会へ。
道すがらで「ボクらのキセキ」(静月遠火)を読了。前作がわりとシリアス・SF設定在りだったのに対して、今回は会話などにコメディ要素を入れながら、超自然に始まって謎解きがきれいに決まる感じ。読後感もいい、と思う。

演題いくつか聞いて、夜は懇親会。バスで案内される懇親会は初めてで、着いたところは大谷石資料館。大谷石を掘っていた地下空間で立食パーティーとフラメンコダンスのショーという趣向。寒かったのをのぞけばしっかり堪能。

二十五日

朝からいくつか演題を聞いて、昼過ぎに自分ところの演題発表を見守って。
午後は教育セッション聞いた後で、古なじみのgamma氏と会う。ぐだぐだと雑談して、宇都宮ギョウザを食べて帰ってきた。

二十六日

子どもの相手しながら家で過ごす。
合間で柿の木にイラガがついているようだったので、虫のいる葉を剪定して捕殺。高いところとか、まだいそうだったけれど。

二十七日

朝から雨。子ども連れてくのをどうしようかと思ったのだけれど、結局合羽をしっかり着せてバイクでタンデム。

午後はサテライト診療所へ。待機の間に勉強会用の資料作りなど。

二十八日

火曜日は朝から夕方まできっちり透析当番。処方も重なるとなんだかそれしかやってない気分で。

二十九日

「秘密 -top secret- 8」(清水玲子)を読了する。このシリーズを見ながら「映っていないものを見抜く力」を考えることがある。映っているものを解釈するより、映っているべきであるのに映っていないものを見抜くことの方が数段難しい。

三十日

午後外来。昼過ぎに「一人引き継ぎお願いします〜」って頼まれたけれど、カルテ見てみるとまだまだ時間は残っているうちから引き継ぎと決めていたようで。
キャパシティ低くて診きれないのは本人のせいと言いたくないけれど、キャパシティ低いといいながら最大限の労力を使わないタイプには....困ってしまいますな。

夜は当直。どういうわけか消化器疾患が続き。一人は緊急胃カメラと相成った。


Written by Genesis
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