歳時記(diary):十月の項

一日

急に寒くなると感冒で体調崩す人があり。スタッフが体調崩すと大変。

二日

在宅介護困難な患者さんの今後について家族と話しあい。在宅でそれでも看ていく方針としたが、有り体に言えば金がないのでそれしか手がないってのが現状で。
舛添さんは介護経験を本にしたりしてるのがひとつのウリなのだけれど、きっと彼は金のない状態での介護ってものをわかってないか、目を瞑っているのかじゃないかと思っていたりは、する。

三日

見た目は全然悪くなってないのに検査上は思いきり危険な状態に落ちている罠にはまる。高齢者は見た目だけじゃ分からないから‥‥。

四日

気がつけば時間が過ぎる。やること多いようでそれほどでもないような一日。
ムダに過ごしたような気になってしまうのだけれど。

五日

朝単車を走らせていると、前を走るえらく小さい車に目が留まる。光岡自動車のMC-1Tであろうか。原付のエンジン音してたしな。
Webページみるとどうもいまはエンジン付きモデルは製造中止になっていて、電気自動車のモデルだけのようだが、それでも使いでは十分にありそうな気がする。

六日

日中透析当番して、夕方から都内へ。往復で「乃木坂春香の秘密5」を読了。

厚生労働省が「妊婦緊急受け入れ診療報酬で優遇」の方針なのだそうだ。まぁやらんよりはましと思うが。
しかし、ここ最近報道されている救急受診希望の妊婦の受け入れがうまくいかないケースって、ほとんどが妊娠中期に至っていながらかかりつけの産科を持っていないケースじゃないか?妊娠初期で流産に至るのはほとんど受精卵に問題があって助からないケースとされるので、手を入れるべきは妊娠中期から後期のトラブルにどのように対応するか、って話のはず。
まず妊娠したら早めに産科を受診して、かかりつけ医を決めさせることとか、妊婦検診を保険適応もしくは無料化してかかりやすくすることとかの方がよりスマートで現実に効果を発揮する気がする。医者の方も自分ところで定期的に見ている患者となれば責任も発生するし、ハイリスクと判断すればそれを管理できる病院へ紹介もできるし。
救急患者の怖さはそれがどのくらいハイリスクであるかの予測ができないことで。妊娠中期になってもかかりつけ産科をもっていない患者ってだけでハイリスクと評価されているのが実情なのだから、多少診療報酬に色をつけても大勢に変わりはないと思うのだが。

七日

ぢつはいま論文はTeXShop使って書いているのだが、提出はWordで要求されていたりする。文献の引用なんかがめんどいのでTeXShopで始めたのだが、完成したらWordで出力しないといけないというわけで、あれこれ探してdvi2tty日本語版をインストール。ちなみにxpdf付属のpdftotextを使用する案もあったのだが、ちょっとやってみて動かなかったのであっさり放棄。
emacs-w3m.elもなかなかうまく動かなかったのだけれど、どうもload-pathを強制的に指定してやると動くようで。もすこしスマートにemacs.elを書けば何とかなりそう。

八日

透析当番で出勤したら夜間帯で入院した患者さんが無尿になっている由。──緊急で透析ですか。
血液浄化をやり出したら尿量が改善、血圧も上昇し出してほっと一息。

九日

午後外来はどういったわけか予約の谷間になったらしく数が異様に少ない。大体の患者さんは四週に一度ペースなのだけれど人によって三ヶ月おきだったり六週に一度だったりするので、たまたまその日が空いてしまったらしい。のんびりやれて楽は楽、だったけれど。

十日

外来透析に通っている癌の患者さん。大分調子が悪くなってきていて入退院繰り返し中。それでもできる限りは家で看ていこうという家族の気持ちもあって在宅で看ているけれど、いよいよ歩けなくなってきたと話を受ける。
はっきり言って今の医療保険制度は在宅介護困難な終末期患者に対して冷たい。「入院したって世話をするだけで治療はできないんだから病院にいる必要はない」って感じだろうか。かくて途方に暮れる人は後を絶たない。

十一日

当直明け。朝方に十代の尿路結石患者が。若い人が苦痛にのたうち回っているとこっちもなんだか落ち着かなくなるのだけれど、尿路結石と判れば対応はそう難しくはない。大事なことは診断、なのだけれど。

十二日

午前外来はなんだか妙に患者が多い。てんてこ舞いするのはあんまり好きじゃないんだがなぁ。

十三日

数えてみたら約半月ぶりに午前中仕事が入っていない日。もちろん日曜日もコミですぜ。
でも午後には病院行く用があったりする。(滅)

夜、手持ちの北京鍋に錆が浮いてきてたので鍋磨き。昔ためしてガッテンでやってたやり方に沿って、いったん鍋全体に紙やすりをかけてから油を塗ってよーく焼く。鍋肌の色が全面変色するまで丁寧にあぶると皮膜が形成されて錆びにくくなる。
この処理をしても、鉄鍋を焦がさないためには使ったら洗って空焼しとくとか、使う前に多めに油を引いてよく馴染ませるとか、注意点があるらしい。‥‥相方の教育か、後は。

十四日

在宅往診対応の日。ほとんど電話はかからなかったけれどそれでも拘束って辺りがなんとなくイヤ。

十五日

ちょっと時間ができたのでemacsの設定をいじる。どう設定をいじってもload-pathの値が変わらないのに首をひねりながらネットで情報あさり。
初期設定ファイルは.emacsでいいんだよな‥‥と思いつつ記述を読んでって、ふと".emacs.el"の方が優先されるという記述を見つける。探すとやっぱり.emacsと.emacs.elの二つの設定ファイルが。つまりは色々試したのってかなりムダだったってことに。
がっくりしながら.emacs.elをいじって起動してみると、しっかりnamazuもemacs-w3mも起動しました。

十六日

夜は当直。結構引きも切らず、来る。

十七日

朝方入院になった患者さんを昼過ぎに看とる。他に入院一人いて、ルーチンワークが山とあって。剖検までいただいて入って。はふ

十八日

 自衛隊の大砲を使ったコンサートってどうよとか思ったり。
とりあえずiTune Music Storeで「1812」を買ってきてしまった。

十九日

Mew話の続き。
残っていた問題としてemacs-w3mとの連携ができていないということがあったのだけれど、mew-distの記述参照で解決。
これまでEmacsって単一の文書編集くらいでしか使ってなかったので、mewを使い出すといくつものバッファを切り替えて使うようになり。キーボードショートカットをだんだん憶え出すと、他のツールが使えなくなるんだろうな、きっと。

二十日

休日。朝もはよから汎用人型目覚ましが活動開始するため起こされる。朝寝は遠くなりにけり‥‥。
PHSの買い換えを。J3001SからシャープのWS011SHに。HP200LX以来、久しぶりにPDAっぽいものを持つことになるが。なにせモノがWindowsだからなあ。
まずはもともと使っていた端末から電話番号・メールアドレスなんかのインポートができないのでがっくり。とりあえずはもともとのデータをメールで送信しておく。必要時はエディタで開いて探すようだろうか。

二十一日

保育園の保護者同士で外遊びの会。子ども連れてしばしまったり遊ぶ。
子ども同士で遊ばせてると個性が見える感じで面白い。親元を離れない子、親のところに戻ってこない子。ウチの子は自己流でふらふらしてるタイプと見た。
おベント食べてさようなら、したのだが、割と面白く過ごした。

二十二日

早速WS011SH持って病院行ってみたのだが、そんなに使ってないのに一日電池が持たず。フル充電だったんだけれどなぁ。
バックライトを消すとか各種ランプ類がつかないようにするとか、パワーセーブ設定をかまさないと辛いようで。もっとも、初め電池が早く消耗する現象もあるらしい。

二十三日

午後の外来に、最近経過観察し始めた患者さん来院。まだ若いんだけれど病気がしっかり重たそうな印象。とりあえず入院予約に。予想が外れてくれた方がいいんだけれど。

夜は当直。軽〜中等症くらいの患者さんがそこそこ来院。入院指示もいくつか。

二十四日

当直明け。

昼前に調子が悪いと電話相談があって早く救急外来へ来いと伝えた患者さんが来院したのはもう夕方六時‥‥。病院の診療時間を何だと思っているんだと小一時間(ry
医療機関へのアクセシビリティを下げるつもりは毛頭ないので時間外労働には従事しますが、それは予期せぬ病状悪化に対応するためであって、患者が何時でも受診したいときに受診する権利を保障するためではない、と思っている。──つーか、その権利を保障できるほど医療機関に余裕は、ない。

とかなんとかぶつぶつ思っていたら、受け持ち患者が心筋梗塞発症ということで緊急心臓カテーテル&緊急透析に。止まらない不整脈は出すし、ぐったり。帰路についたのは日付が変わっていた。
ちなみにこの日の連続病院在院時間は40時間。睡眠時間は5時間足らず。

二十五日

子どもが保育園で肘内障起こしたらしい。それはいいのだが、発症機転が寝返りってのはどうよ。そんなに簡単に起こされちゃ困るんだが。なにしろわたしは整復できんし(滅)

昨日に引き続いて今夜も夜間の緊急透析〜。夜の七時というのに全員集合している辺りがイイところだよな。

二十六日

新しく買ったPHS用にストラップなど買いたいと思っているのだが、買いにも行けないで日が過ぎる。ちょっと不便。

二十七日

先日書いた妊婦の救急要請お断りの実態調査の結果が消防庁から出された
報道されたような受け入れ困難例は少なからずあることが分かる。ただ、数として多くを占める理由は「処置困難」が四分の一、「手術や患者対応中」が五分の一、というところ。かかりつけがいない例も3%あるということで、野良妊婦なんて言葉が出てくるのも実情を反映したものなのだろうと思う。
一般の人には理解しがたいだろうと思われるのは「専門外」が10%あること。妊婦といえども普通の非婦人科疾患にかかるわけで、頭痛がひどいとか胸が苦しいといって救急車を呼んだケースなんだろうなと思うのだけれど、産婦人科医は「症状から言って内科で診てもらってください」と言って断り、内科医は「妊婦はちょっと診れません」といって断る、みたいなことが発生しやすい現状がある。わたしの勤務先はお産も診ている病院だから、産婦人科の先生と相談しながら対応することも可能だけれど、それでも他院の産婦人科にかかりつけで診療情報も何もなく救急搬送依頼が来ると、受け入れには二の足を踏む。
解決に向けての問題は数多いのだけれど、それでもなんとかやっていくしか、ないんだろうな。

二十八日

日付変わったところでNHK「秋の夜長もさだまさし」視聴。このチープさはなんとなくラジオのノリ。

「Mist」(さだまさし)とか「あの山越えて(11)」とか、買って来る。

二十九日

新しいPHSはパワーセーブのために色々小細工したら数日しっかりバッテリーが持つようになる。もともと大して電話かけないし携帯メールも使用しないし。着うたやら何やらやる気もないし。
バックライト暗くしてあるのがちょっと不便なくらいだろうか。

三十日

入院予定にしていた患者さんが他院に入院になった由。体調悪くなって入院が待てなかったらしい。
それ自体は仕方ないこと、とは思うのだが、予測できなかったかな?とは思う。

三十一日

研修医の指導、を久しぶりに担当中。基本的に良くできる人なので楽は楽なのだけれど、それでもやはり気は使う。
世代が離れると指導もしにくいし。


Written by Genesis
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