歳時記(diary):八月の項

一日

当直明けじゃない月頭は、思いのほか数が少ない気がする。
とはいえ、重症の患者さん対応で右往左往。ICUに転床したりなんだり、しばらくばたばたと。

二日

気の重い日々。仕事がうまく行かないのってつらいやね。
なんとなく今日は腰椎穿刺の日。過去一年くらいやってなかったんだけれど、今日に限って二回もやる羽目に陥る。何とかなったけど‥‥偶然ってあるもので。

三日

サテライトの回診、重症対応エトセトラ。それでも比較的仕事は早く終わった。
そろそろカタログチェックもしないとなぁ‥‥。

四日

以前研修に来ていた先生の姿を久しぶりに見る。聞けばまだ書き終えてない退院時要約と引き継ぎサマリーを夏休みを使って書きに来た由。
‥‥そこまでしてみずからの責務を果たさんとするは正にであるといえよう。
その漢をつかまえて、「休みにわざわざ東京出てきてるなんて、女ができたとか疑われてないですかぁ?」とかからかったわたしはとても罪深いかなとか。

五日

外来。数多い割には比較的スムーズに進んだ。初診の人とかはやっぱりちょっと時間がかかったけれど。慣れてきた、ということなのかもしれない。

夜は「死亡時画像病理診断」についての講演会。autopsy──剖検によってしかわからないことは多々あり、重要な診断ツールではあるのだけれど、諸事情によってすべての死亡者に対して行うことはできない。
いっぽうで画像診断は非常に発達し、普及もしている。画像診断から死因を推定できるならば、有用といえる。まだ始まったばかりの死亡時画像病理診断の現状はなかなか興味深い。

六日

透析当番。平穏かなと期待していたらサテライトの透析クリニックからヘルプが入る。結局ひとり入院となってしまった。
この日はひさしぶりにバイク出勤。しばらくほっといたせいでエンジンの掛かりは悪くなっていたが、一度かけてしまえば問題なく動いてくれてほっと一息。毎日バイク通勤でも悪いことはないのだが、なにせ置き場所が遠いのが‥‥(/_;)

七日

のんびりゆっくり。
昼は粥専門店まで行って粥。美味しかったんだけれど‥‥腹持ちが悪いのが難点。おかげで当直入る前にはおなかがぐうぐう鳴る始末。しょーがないので補食。

八日

明け方。調子の悪かった患者さんをお看取りする。剖検を頂けたので、午前中は剖検にはいる。
剖検を画像で代替する試みもあるのは確かだけれど、実際にはそこまでの力はないようで、やはり剖検で実際に見せていただくことでわかる情報は数多い。しっかりこれを生かしていかなければ、と思う。

九日

‥‥気がつくと五時過ぎにはほとんど仕事が片づいている罠。珍しいこともあるもので。サマリー書いたりしても、十分に早じまいになった。(それでも残業少しついたけど)

十日

午前中は外来透析。午後は病棟。
落ち着いているときはゆっくりせな‥‥とかいいつつ、帰宅は八時を越えていた。

最近橋本紡を追いかけている。今日は「猫目狩り」を途中まで。

十一日

昼飯食べて、さて一休み‥‥と思った視線の先に、誰のものともしれない食べかけの菓子パン。
この季節だし、多分悪くなるな‥‥と思って処分したら、見てた先生がぼそりと「育ちがいいね〜」と。あのその、こーゆーもの食べちゃうとそれこそキケンだと思うんですが。
ちなみにそう曰われた先生も、しっかりお弁当は用意してこられていたのだけれど。まぁ喰うに困るわけじゃないしね‥‥。

十二日

当直して、明けて外来。はぁふ‥‥。

休む準備を済ませて帰ってくると、明日に向けて準備。具体的にはカタログチェックとか。(笑)

十三日

聖戦。(爆) 一泊分の荷物他を抱えて有明へ向かった。

戦利品
「彷徨える牙の封印」零細出版独創丸
「黒髪四重奏イ短調」ジャンク・ヤード
「ぴんくのくれよん」YuMiTo
「ノーウェイアウト」GLASSWORKS
「ケイシー・アット・ザ・バット!」Million Means
「旋律創造家-Melody Maker-」魔法使いのおぢさん
「ブギーポップ用語集 〜楽曲編」我城
「SF少女エス子ちゃん5」はしもとさちこ

Million Meansの本は、たまたますれ違った小熊さんから買ったもの。この広い会場ですれ違える偶然、って考えると、袖振り合うも多生の縁なんて言葉を信じたくなる。

行き帰りの移動の間に「猫目狩り」(橋本紡)「学園サンクチュアリ」(早見裕司)読了。

十四日

聖戦その二。

スタッフ業務的には猛暑のために熱中症やら脱水症が多発。それらに混じって不安発作とか過呼吸とかも頻発。やっぱし過酷な環境ですねぇ‥‥。
買い込んだものは「ほたまっく おじいちゃんの宝物」(Studio maruan)とTシャツ(武田商店の"ソーラーパワーで動いてます")。げんれい工房とか見にいったんですが行列にあっさり挫折(滅)。最後尾札には「挫折禁止 最後まで」とかありましたけど‥‥。

帰り道では「絶対少年」小説版を読了。──ウチBS入ってないんだよねぇ‥‥。最近おもしろいアニメはみんなBSって気が。

十五日

終戦記念日。だから、というわけではないのだけれど有休取得。
のんびりして、家探しで不動産屋を歩いて、「イリヤの空 UFOの夏」のDVDを見て。

太平洋戦争終結から六十年、という節目であることもあってか、回顧企画も少なくない。あの戦争の中で何があったのか、今となってはわからないことも多いけれど、年を経て見つけられる事実もあったりする。
戦いの中で、たくさんの人が死に至ったのは事実だ。あるものは銃で、あるものは刃で、あるものは飢餓で、あるものは爆薬で。人の行為によって人が死ぬ、そういうことがなくなるようにとわたしは願う。だから、同じことが起きないようにするために、どうすればいいのかが知りたい。
絶対に戦わないで済むとは思わない。ただ、戦争が起こらない世界ができるという希望を、捨てないだけだ。

十六日

久しぶりに仕事。(たかだか数日休んだだけだが‥‥)
受持は二人増える。それでも比較的落ち着いていた。

十七日

午前夜間とサテライト透析の担当。
夜勤がないこともあって透析室の看護師さんは子どもがいる人が多い。ふと気づくとすでに子どもたちの夏休みは終盤戦‥‥。自分の夏休みはこれからなのに。(sigh)
いつとるのかもまだはっきりしていないというのは‥‥冗談、だよね?

十八日

ぱたぱたぱた。何かに追いかけられるように。
外来透析の方でブラッドアクセストラブルの患者さんを即日某大学病院へ紹介。夜になって戻ってきて、そのまま本日分の透析を始める。透析医療の辛さは、休めないところが大きいと思うのはこんなとき。

十九日

最近透析用カテーテル挿入が多く。ひところ全然なかったんだけどねぇ。
最近ではひとりできっちり成功させられるようになり、手技の習得、ということで言うとほぼ自立なのかなぁ。もっとも、次には「しっかり教えられる」ってハードルが待っているんだけれどねえ‥‥。

Google Maps Satellite Links in Japan 分家 (オタ聖地編)。いや、自分ヲタと違うけど。
AIRの霧島医院は国立駅前ですか。そんな都会にあったとは‥‥(違)

二十日

仕事済ませて帰りがけ、先輩の先生(♀)が別の先生(♀)と談笑中。「昨日テレビつけたらガンダムの特集してて、思わず夜更かししてしまった」などとお話が。聞けばBSでそんなのをやっていたらしい。
「ウチBS入ってないからなぁ‥‥観たいアニメはBSだし‥‥。」とかつぶやいたら「アニメ好きな人?Yes/No」ってフラグ立てられ。Yesで答えたらヲタ呼ばわり。レンタルヴィデオで「名探偵ホームズ」借りてくるヲタがいるかっ。(爆)

献血しながら「玉響」(時海由以)読了。

夜、ようやっと「AIR」をラストまで。何故かCG達成率が98%ということでもうちょっと続くけど。
感想。「長っ」 よくできた物語だなとは思うのでアニメは楽しみであったりするのだけれど、ゲームとしてよいできかどうかには疑問が残ったり。個人的にはやっぱりONEが好き。
でもまぁ‥‥あの男の子と女の子はいったいなんだったんだろう。

二十一日

♪あの仕事〜どこまでも〜つづいてた〜遠くまで〜.....

日直で出勤した後、相談受けて夕方から緊急透析を開始。不整脈なんかもでて全然状態が落ち着かず‥‥じっとつきあいつづけた。
仕事終わらない‥‥。

二十二日

夕方、準夜透析当番。
晩飯食べながらイスラエルのガザ撤退を報じるニュースを見る。国策に乗って入植し、いままた国の政策で移住を余儀なくされるというのはたいへんだろうと思う。しかし、それを不当だと語る人々の意見に違和感を覚えたのも確か。
十二国記で読んだ「間違ったことを盾にとっても、誰も認めてくれないんだよ」って言葉が頭をよぎった。力で他国の領土を切り取るやり方は間違っていると思うから、ガザ撤退はその間違いを正しただけのことであって、間違った行動の結果を盾に取っても、やはり認められないだろうなと思う。‥‥というか、そういう世界であって欲しいのだけれど。

二十三日

なぁんか、のんびり。
いいのかなぁ‥‥

二十四日

医者なんかヒマな方がいいんだとか思いつつ。
ヒマならばそれはそれで何したもんだか悩んだり。

二十五日

某先輩によると、薬を十種類以上処方されている高齢者は有意に死亡率が高いとかいう統計があるそうな。
薬のせい、とばかりはいえないだろうけれども、薬を重ねることで相乗効果を出すことは、相互作用で副作用を出すより難しいのは確か。少ない薬で同じ効果を出す方が名医、とはいえるだろう。

台風の中、泊まり。
さすがにこんな夜は来る人も少なかった。

二十六日

「ドラゴン桜」とか相方が見ていたので付き合っていたら「偏差値50でも東大に受かる奴はいる」とか「E判定でもあきらめるな」とか。何を当たり前のことをと思っていたら、相方曰くどうもそれは常識ではないらしい。
ウチの高校では「現役は冬に伸びる」「直前模試の結果は鵜呑みにするな」ってのが合言葉だったからなぁ‥‥。

二十七日

休日。相方連れて街歩き。
古本屋で買い物して、のんびりして帰る。
行き帰りの電車など使って、「疾走 千マイル急行(上)」(小川一水/ソノラマ文庫)読了。

二十八日

卒業式の裏方やってる夢を見た。高校時代のクラスメイトとか登場したりして。何故か会場はまったく知らない場所だったけれど。
裏方大好きなんだよね‥‥表舞台よりよっぽど好き。

夜、Perlのスクリプトをこねくりまわす。いや、RSSとか対応させてみたいかな〜とか思ったもので。
思った通りに動かないのがこういったものの常で。ううむ。

二十九日

夜間透析の回診。なんだか今日はとっても時間がかかってしまい。
別に悪いことじゃないのだけれど、立ったまま回診しているからちょっと疲れたりは、する。

三十一日

夏も終わり、か。
残暑の選挙戦はなお熱いけれど。個々の政策課題はともかく、大きな流れを考えながら選びたい、かな。


Written by Genesis
感想等は、掲示板かsoh@tama.or.jpまで。リンクはご自由に。

日記のトップへ
ホームページへ