歳時記(diary):二月の項

一日

ある会話。
「来週の金曜日は祝日だから....」
「ああ、──紀元節だね」
「なんですか、それは?」

ま、こんなもんですよ、普通は。
紀元節・明治節・海軍記念日。由来をひととおり話しておく。そしたら「なんか十二国記みたい‥‥」とつぶやいた後輩。どうやら同志であるらしい。(笑)

午後から熱っぽい。一応インフルエンザのチェックをして帰った。

二日

体調不良。熱あるし。最低限だけ仕事して、早寝する。──それでも残業付いちゃうくらいいたけど。

三日

高熱。午前半休取って、それでも治まらずに這うようにして病院へ行く。ほんのちょっとだけ仕事して、その合間にインフルエンザのチェックをする。──B型陽性が出てしまった。

えう〜そんなこと言う人嫌いです〜などと言ってみてもはじまらず。
多少体調悪くても努力根性気合で仕事するのは可能なのだが(するな、伝染性疾患では致し方なし。「とっとと帰れ」とありがたい言葉を受けて職場から追い出されてしまった。一応タミフルは持って帰って、すぐ飲む。

いちおうインフルエンザ予防接種は受けてたんだけどな。型違いだったのかもしれず。

四日

タミフルの恩恵か、(寝苦しくはあったが)夜のうちにだいぶ熱は下がって、朝は37.0度。
熱は下がったものの感染力はまだあるので出席停止。(ぉ じっとネット巡りしたりしている。まだだるさが残っているのと、寝過ぎで体が痛い(ぉぃ)ので、あんまりまじめ〜なのは読む気がせず。
午後にはONEをリプレイしたりして。椎名探偵登場〜とか。

寝る前あたりの時間で「Magic」(清水玲子/花とゆめコミックス)読了。相方の本棚から掘り出す。(自分じゃあんまりマンガ持ってないんだよね。いい加減ディスプレイの文字追うのに疲れてたもんで)
清水さんってどうしてこう硬質な絵柄で綺麗に異形な世界を描くんでしょうか。ええわたしは大好きですが。

五日

おどりこさんが禿胴だそうなので読みに行った文章。同じく禿胴っつうことで。

さすがにインフルエンザの影響もだいぶ抜けてきたということで、午後には少しお出かけ。昼食かねてサイゼリヤでメシ喰いながらシュミの書き物。つまったところで放棄。

夜は久しぶりにお料理。──お粥。(笑) 一応米を煮るところから始めたんだけど、少し水を多めに入れたつもりでも米が生煮えのまま水だけなくなってる罠。途中から水を注ぎ足しするなんてよくなさそう。圧力鍋の方が良かったかもしれず。
冷蔵庫にあったので入れてみた山芋が甘くていい味を出しており。おお、なかなかのできだ。一合ちょっとのご飯で二食分はたっぷりできてしまった。

六日

ネット遊びちょっとだけして、ONEのリプレイ。茜エンドみながらちょっとほろほろ。
その後休日出勤。自分の仕事を少々やって、帰ってきた。

「モニター上の冒険X」(渡辺浩弐/電撃文庫)読了。結構昔のだけど。今読んでもなんか新しい気がするのはなんでかなぁ。

七日

久しぶりな感じのする出勤。わーい仕事だぁ(<莫迦)
世の中的にはインフルエンザ流行りまくりのようで。病棟でも何人か発症が。

八日

夜から当直。
インフルエンザかな?と思うと半々くらいで当たったり。でも、熱でてすぐだと出ない人もいるような気がする。
休んで体力は戻ってるつもりだけれど、それでもやっぱり本調子じゃない感じもした。

九日

外来の日〜。こみこみ。
糖尿初発はくるし、カゼとかカゼとかいつもの人とかごたまぜに。

十日

内科認定医の受験のために症例まとめをしているのだけれど、やーめんどくさい。
月内で仕上げないといけないんだが、間に合うんだろうか。
「提出することに意義がある!」とか言いながら。オリンピックかいおい。

十一日

休日だったような気がする。
のんびり起きてカラオケして。帰りにDVDとか「名探偵ホームズ」アニメとか仕入れて帰ってくる。

十二日

出勤。透析当番〜。
そんでもって夜から当直〜。いやぁ、カゼとかカゼとか、くるわくるわ。インフルエンザもどきが多くて片っ端からインフルエンザのチェックをするのだけれど片っ端からスカ。念のため、みたいなのはともかく、これはでるだろう!と思って出しても陰性で帰ってくると「これがウデの違いなんですかね....」と拗ねてみたくなったり。
そんなのに紛れていきなりひどい貧血の方が混じってて、緊急胃カメラを依頼したり。ばたばたしていた。

十三日

直明け。
んで、午前中うじゃらうじゃらと症例考察をしていて、昼食を食べに行く。その後は慶応大学北里記念医学図書館に行って文献あさり。

帰りがけに紀伊国屋書店に寄ってみたら「ふるほん文庫やさん」のコーナーがあって、そこで「イーシャの舟」新潮文庫版なんぞを発見してしまったのですが。
ここで 1.値段も見ずに速攻Get 2.「ソノラマから出てるんだからいいさ」と呟く 3.「‥‥そもそもこの本なんだっけ?」  のうち、どれが正しい行いなんでしょうねぇ.....。

本日の収穫:「解決 浪漫倶楽部」(遠藤淑子/白泉社) 「スケッチブック2」(小箱とたん/MagGarden) 「知る辺の道」(紺野キタ/幻冬舎) 「未来のおもいで」(梶尾真治/光文社文庫) 「永遠の森 博物館惑星」(菅浩江/ハヤカワ文庫)

十四日

天の配剤と呼ぶべきか、患者さんは落ち着いているし数も少ないしで、ひたすら認定医症例まとめに精を出す日々。遅くまで残っている先生は同じことしている仲間だったりして何となく連帯感。
「膵炎とか調べてるんですよ〜」とかぼやいていたら、膵炎の最新診療ガイドラインの本を貸してもらえたりして。ありがとうございます!という感じ。おかげで帰るのは遅いけれど、充実している感じはする。

十五日

朝病棟へ行くと他の先生の患者さんが急変中。主治医は別件で午前中出勤できないということで、代理で対応して指示出して家族に説明して。ふぅ、焦った。

午後は一年目の先生と救急外来。ついつい饒舌になってあれやこれやと喋りすぎる自分を感じる。教えたがりイコール教師として適切というわけじゃないんだよね。

十六日

午前中外来。午後病棟診て、夜は症例まとめ。
研修医の先生が遅くまで残っていたので、ご飯にお誘い。少しはカッコつけておごったりしないとねぇ(ぉ

十七日

@niftyのttyフォーラムが終了する由。わたしが会員になったのが1995年の秋だったと記憶してますから、十年に少し欠けるくらい、ですか。お世話になりました。
これだけ高速のネットワーク・ハイパフォーマンスなPCが普及しても、わたし自身としては実はttyフォーラムとそれを読み書きするために作られたさまざまなツールが一等使いやすかったと思っている。ユーザーが自らの目的に一番添うようなツールを作ったから、ではないかなと思っているのだけれど。
現在もいろいろなインターネット上のコミュニティが存在するのだけれど、実はWebブラウザでハイパーリンクをあちこちクリックしながら行き来するのがすでに面倒で、あまり手を出していないのが実情だったりして。

十八日

朝出勤して、医局朝礼しているところに院内急変コール。心不全から不整脈。蘇生処置してなんとか落ち着かせる。
ただまぁ、内科的管理で落ち着かせるにも限界があるという話で、外科の先生も交えて手術治療について検討が始まる。麻酔科の先生も呼ばれて、結局緊急手術に。
傍目にもハイリスク、最悪術死もありえる状態なのだけれども、全身状態悪化の原因を手術でコントロールしなければ改善しないという状況。厳しいな....。
そーゆー厳しい患者はしばしば腎臓内科的処置を必要とするんだよな....。

十九日

出勤してみると昨日の重症患者さんは腎不全が進行して来ているよし。
ふっ、所詮血塗られた道さっ。(違)
というわけで、昨日の予感通り透析へ。先輩が出勤してきていたのでお任せしてしまったけれど。

夜は腎臓病理のカンファレンス。その後中華を食べて、症例まとめを夜遅くまで。午前様続きを更新してしまった。

二十日

昼過ぎに出勤するとICUの重症患者はやっぱり安定してない。当直明けの先輩は「少し休んでくるわ」っていなくなっちゃうし。どきどき。
そのまま当直へ。外来はインフルエンザとかインフルエンザとか。
これだけインフルエンザが流行ると「熱があるからインフルエンザの薬をくれ」とか言い出す人もおり。検査で陰性、といっても食い下がってくる。困ったもんだ。

二十一日

夜更け。ふらふら透析室へ戻ると病棟の看護師さんがケーキを持ってきている。現在透析対応中の技師さんがなんでも昨日誕生日だったそうで。お祝い〜ということでケーキを持ってきた由。
かくして午前三時にケーキに舌鼓を打つあやしい小集団が発生。‥‥楽しかったけど。

この日はボスも兄貴分もお休み。腎臓内科の看板を不肖わたくしめが担う羽目に。
透析室から呼ばれ、研修中の一年目にも呼ばれ、ICUの重症を相手にしている二年目の研修医にも呼ばれ。はぁ...。
「先生だけが頼りなんですよ〜」って甘い声で後輩(♀)に言われてもなんか全然楽しくなかったり(爆)。

二十二日

午後、救急に腎不全の患者さんが来る。透析はイヤだと言い続け、死んでも構わん、覚悟はできているといっていたお方であるらしいのだが.....いよいよ呼吸困難が強くなって苦しくなり、透析開始を受け入れて、透析開始。
まだ若い人なのだが....、どのくらい受容ができているものなのか、測りながら指導を進めないといけないなぁ。

二十三日

外来。──なんで最後から二番目に「今後透析についてもご検討下さい」って紹介状持った患者さんが回ってくるかね。そんなこと一から話し出したら小一時間かかりますがな。
‥‥というわけで、大筋だけ話して、細かいことは予約の腎臓内科外来(通称:ありがたいお話外来)へと回す。
「病状説明(複雑なもの:30分以上)」とか「病状説明(極度に複雑なもの:一時間以上)」とかって保険点数がつくといいのになぁなんて話していたり。患者さんにじっくり病状を伝えることが医療保険の面からも推奨されるようであって欲しいわけですよ。セカンドオピニオンとかいうけど、まずファーストオピニオンすらも患者さんに十分理解してもらう時間がないのが現実かと思う。

二十四日

F尺度ねぇ....。
答えてみようとMac版のSafariから入力してみてもうまくいかず。IEでもうまくでなかったのはちょっと問題があるような。

新卒医師向けのオリエンテーションの内容についても頭を悩ませている。教育者が教えたいことと、学習者が知りたいこととのずれを埋め、適切な方略を練る、とか、そこまで考えた方がいいんだよなとか。

二十五日

午前中の往診が二時半までかかるってどうよ。メシ喰ったら三時過ぎてた。
そのあと往診中の患者さんについてのカンファが一時間半くらいあって。なんか一日在宅診療関係の仕事してたような気になる。

二十六日

久しぶりに腑抜けてだらだら。(爆死)
「解決浪漫倶楽部」(遠藤淑子/ジェッツコミックス)読了。──なんでこう妙なんでしょうね、この人のお話は。ある意味ぜんぜん絵も変わらないし。

二十七日

何となく「夢しだれ」を呟きながら、青梅は吉野の梅郷へ。その前に「夏への扉」なんて喫茶店でお昼を食べたりして。
ちょっとまだ早い感じ。来週末がいいかなぁ。

bsfilterでのspamフィルタリングを少しアップグレード。X-Spam-Probability:ヘッダを挿入するスタイルに。以下がprocmailのレシピ。

:0_fw
|_/usr/local/bin/bsfilter_--pipe_--insert-probability

:0
*_^X-Spam-Probability:_*(1|0¥.[89])
zz.temp/.

:0:
inbox/.

はまったのはtypoとスペースの取り方。特にX-Spam-Probability:の後のスペースを抜くと正常に動かなくなるらしく。というわけで、上記のレシピでは半角スペースの代わりに_(アンダーバー)で書いてます。
他にもバックスラッシュ(というか円記号というか)を入力したつもりでいて、実際に見てみたらキーボードの問題で入力されてなかったり。しょうがないからCarbon Emacsをわざわざ起動して書き直したさ。コンソールから設定ファイルをいじるような、アルファベットさえ入力できればいい処理には普段vi使っているんだけど、バックスラッシュが入力できないんじゃなぁ。なんとかならんかなぁ。

二十八日

ぼちぼち内科認定医の症例まとめのめどが立ってきたというところで病棟が忙しくなってくる。受持が重症肺炎を起こしてきて、週末でICUへ。
できれば人工呼吸器はつけたくないな〜という感じの弱った患者さん。つけるのは簡単でも、それを外すのはえらくたいへんで、しかも装着中に弱ってしまった患者さんを看病し続けるのはもっとたいへん、という。最終的にその辺を引っかぶることになるのは家族なのだけれども。  


Written by Genesis
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