歳時記(diary):六月の項

十五日

新章開始、ということで。

こちらの当直は深夜に交互に休憩時間を保証しているので、その間はしっかり寝る。
終わった後でちょっと自分の患者さんに会ったりして、それから地元へ戻った。

世の中的には父の日だったりして、それらしいプレゼントを買ったり「るくるく 2」(あさりよしとお)や「あの山越えて」(夢路行)を買ったりしてから帰り、「十二国記」のアニメをみた。

今日の特記事項としてはiPod購入があるかしら。携帯用ハードディスク&音楽プレイヤーとして使おうかと。
つなぐとさくっと認識する。この素早さはいいですね。

十六日

残り二週間ですか?
それでも受け持ち増加。(っつっても現在5人か....)

S.B.さんの日記の見え方について。
自宅にあるWin98マシンにはoperaが入ってるんですが、それで見るとハングルが埋め込まれているとおぼしいところが文字化けして見えたりしてる訳です。IE for Macでみるとその部分は文字がないように見えてますし、iCabでみてもやっぱりそうなので、正しくISO-2022-jp-2を解釈しているとはいえないのではないかと。
Safariではどうなのかなぁ。(ぼー (その前に早く10.2にアップグレードしろよ>自分)

十七日

午前中救急外来で一人入院させる。──下痢がちょっとあったくらいで、うーん入院でなくても良かったかなぁとちょっと後悔。ま、よくなったら早く退院ということで。

夜、発作性の不整脈の患者さんの脈が少ない。抗不整脈薬が効き過ぎているっぽい。夜寝ている間は普通でも脈は少ないということで余計に。
悩みつつ、とりあえずは様子見、ということで。

十八日

昨日の人は何とか脈を保ったまま朝を迎えたよう。昼頃から目も覚めてきて食事もしっかり摂っているし。

午後はちょっとお休みでももらおうかな〜と思っていた矢先、定期検査のつもりでとった心電図に異常ありとの連絡。心筋梗塞疑いということで一気に緊張する。リハビリしていた患者さんをベッドに連れ戻して、採血して確認するけれどもちっともそれらしくない。
最後は循環器科の先生を呼び出して心エコーまでしてもらったけれども(心電図はほぼ確実に心筋梗塞に見えるにもかかわらず)大きな異常なし。──振り回された一日。

余談。某全国紙の紙面にわたしの顔写真が掲載された模様。

十九日

けっこう今は新人の先生方も含めて多くの医者がいるせいで一人あたまの受け持ちが減っている。その上に比較的患者が安定しているとやることはほんとに少なくなる(爆)。
昨日の心筋梗塞疑いもほとんど疑惑は晴れ、穏やかな一日となる。

二十日

往診。ルーチンの患者さんに加え臨時一件飛び込み一件(つーか、忘れ物を届けに行ったら調子を崩していたので診察してきたってのが一件)。けっこう多忙。おかげで研修先に戻るのがけっこう遅くなった。

戻る電車の車内では「解夏」(さだまさし/幻冬舎)を読む。
んー、無粋なこととは思いつつ、ベーチェット病について。多分、眼が治まれば他も治まる、とはいかないとは思うのだけれども。小説の中で核となる設定だけに、これはこれでよし、かなと思う。

夜は当直。はじめにばたばたと入院を入れた後は比較的平穏。

二十一日

午前四時過ぎに寝ついた後は朝礼まで寝こけた。

昼前──つまりぼちぼち仕事も終わろうという時間に一人受け持ち。仮診断は心不全。せっかく定時に帰ろうと思ったのにぃ。(死)
患者さんは定時なんて無視して調子を崩したりするものだからしょーがないんだけど。

二十二日

午前中だらだらしながら「BANANA FISH」(吉田秋生/小学館FlowerComics)に読みふける。相方の蔵書。
んー主人公の関係が「八雲立つ」に似てるなーとふと思ったり。アッシュ=闇己、英二=七地、ゴルツィネ=眞前, って感じかな? ハード系少女マンガ(そんな分類あるのか?)ってそれでも血に酔うような感覚と一線を画す感じがして好き。

昼から出かけて、アフガニスタンの難民キャンプを調査してきたかたのお話を聞く。予想通りといえば予想通りにひどい状態。どんぱちやってそれでも生活が改善するってよっぽどのことだよと思ったりする。
十二国記の世界と対比して現実の政治の問題を考えたりすることがしばしばあるのだけれど、王が悪政を敷いたとしても、王がいなくなるよりまだましな状態てのは示唆的な設定かもしれない。

二十三日

本日の教訓。できない約束はしないようにしましょう。
確か五時と約束した面談の相手が七時になっても来ない。自宅に電話すると当人が出る。「店を閉めてから出ますので.....八時半くらいになるかと」──だったら八時半とか九時とかにしてくれればこっちも予定が立つのに。
結局会えたのは九時。
この不況のさなか、早く店を閉めろの勤務先を早退しろのといえる立場じゃないのはわかっているのだけれど、つい愚痴っぽくなったりする。

二十四日

昼休み。某先生と雑談していてふと大学時代の友人のことを思い出す。確か今は某大学の解剖学教室にいたはず〜と思いつつGoogleに聞いてみると本人のページがヒットする。
リンクをたどって教室紹介に行き着くと、助手のはずなのに教授より大きな顔して写真の真ん中に写っている友人の姿が....。これでも渡っていけるのか>世の中

二十五日

いや、忙しくはないんだけどね。逆になんだか気抜けしていたりする。

二十六日

午前診療、夕方から医局会議とケースカンファレンス。
ケースカンファレンス、といってもさまざまで、お勉強的な内容になる場合もあれば、苦労している症例で皆さんのご意見をお寄せください的なものもある。今日の中身は比較的前者の傾向。
一年目の先生方が担当だったけれど、よく調べていた。

二十七日

午前中往診。午後研修先に戻る道すがらで「嘘つきは妹にしておく」を読み直す。
夜は歓送会。そろそろ研修終了ということで宴会をして頂く。ありがたいことです。
一年目の某先生の身ぶり手振りがなんとなくちよちゃん(C)あずまんが大王 的だなと思ったら他の先生方はだれもあずまんが大王を知らなかった。うーむ、さすがはあんまりたいしたことない話題作。

二十八日

骨休め、ということで小旅行をもくろむ。目的地は那須高原。
いきなり出発が昼近くなったりもしたがとりあえず車で自宅を出る。SubWayでブランチを買い込んでから車を走らせて東北道へ。那須についたのはすでに三時近くだった。

どこに行こうとかあまり決めていなかったのでガイドブックを見て目に付いたステンドグラス博物館へ。西欧の教会風の建物の中に各種のステンドグラスが飾ってある。ステンドグラスというとつい「"青の季節"のステンドグラス」に連想が行ってしまうのだけれど、もっと普通というか、写実的な絵のステンドグラスだった。
その後は宿にする予定のペンションへ向かったのだが、近道をするつもりで細い道に入ったらほんとに細くなってしまって目標をロスト。しょーがないので宿の人に電話して教えを乞い、それでも少し迷ってようやく着いた。

二十九日

おいしいお料理とジャグジーバスに満足して宿を出る。本日の目的地はオルゴール博物館など。小さな博物館。
昔のオルゴールって、蓄音機の前身だったのねと実感。大掛かりな自動演奏機械なども展示されていて、ふとこれがSFに転化すると「ムジカ・マキーナ」(高野史緒)になるのかしらんと思ってみたりした。

帰り道では研修先に寄って、お土産をおいておく。そして宿舎のお引っ越し。荷物を積み込んで掃除をするとけっこう遅くなってしまった。
そっから環七経由で戻ってきたのだが....高速使うのと一般道と、所要時間は大差なかった気がする... 。

三十日

研修先最終日。この日は当直で締めくくる。
ぼちぼちと呼ばれていたけれど、日付が変わった頃に切傷がくる。けっこう派手な奴。かくして創縫合のお時間となった次第。──慣れないことすると、疲れる。あとで外科の先生がフォローしてくれて助かった。  


Written by Genesis
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