合唱団たちばな

第13回 演奏会


1997年9月27日に行なった「第13回演奏会」のプログラムを紹介します。

ごあいさつ
 本日はご来場いただき、まことにありがとうございます。
 私たち合唱団「たちばな」は、月一度の練習で2年に一度演奏会を行うという、皆様に聴いて頂くには余りにも無謀な(失礼な?)集団ですが、とにかく歌うことが好きで、ついに13回目の演奏会を開くことになりました。これもひとえに皆様の絶大なるご支援の賜と、深く感謝しております。
 それでは、ごゆっくりお楽しみください。


プログラム
  1. 混声合唱曲「海のディヴェルティメント
    作 詩  川崎  洋
    作 曲  新実 徳英
    指 揮  岡本 俊久
    ピアノ  米良 賀代

  2. 日本民謡による合唱のための12のインヴェンションより
    作 曲  間宮 芳生
    指 揮  秋吉  亮

  3. 混声合唱組曲「白い木馬
    作 詩  ブッシュ孝子
    作 曲  萩原 英彦
    指 揮  岡本 俊久
    ピアノ  米良 賀代

  4. 晴れたらいいね」〜 Dreams Come True ナンバー より 〜
    編 曲  金川 明裕
    指 揮  岡本 俊久
    ピアノ  米良 賀代
    ドラムス 星  雅子



曲目紹介
海のディヴェルティメント
 若々しい音楽です。聴いているとすがすがしい気分になってきます。
 ラジオドラマで使われた音楽だそうです。少年少女がいかだで南の島に行く物語だったそうです。
 私は中学生の時の「クラス対抗合唱コンクール」を思い出します。音楽の先生が一生懸命指揮をしているのに、皆ちっともまじめに歌わなくて「なんで、この先生こんな事でムキになっているのだろう?」と笑っていましたが、今なら「悪ガキを受け持って本当に大変だったろうな」と同情します。今思えば、あの先生は現在の私よりずっと年下だったんですね。
 この曲を聴いていると、そんな昔の風景も心の中に浮かんできます。是非皆さんもこの曲で子供の頃の思い出とともに、懐かしいすがすがしい気分に浸ってください。

日本民謡による合唱のための12のインヴェンションより
知覧節(鹿児島県知覧町民謡、混声)
農村の若い男女の合いを、素朴で美しい旋律で歌う。
「二人で菜畑ゆけば、どこが果てやら、出口やら」という詩が二人の気持ちを歌っているようで好きです。
米搗まだら(長崎県諫早市民謡、混声)
旋律は2拍子だが5拍ごとにアクセントが入る。
臼のまわりに数人が輪になって、各拍ごとに一人ずつ米を搗く。5人だと各人は5拍に一度搗くことになる。
田の草取り唄(秋田県山本郡八竜町民謡、女声)
田の草を取りながら、出稼ぎにでた男たちを思いながら「たより無い、たより聞きたい、聞かせたい、わが男」とうたう。
中間の「デギャンボ(太鼓虫)」の部分は秋田県のわらべうた。
米搗唄(岩手県稗貫郡亀ヶ森村民謡、男声)
唐臼の米を足で踏んで搗く。
奉公先での唐臼搗きで足にできたまめを見て、親もとを思い出す。
天満の市は(大阪地方民謡、混声)
結構難しく、しかも有名なので歌う側としては手こずった曲。さて本番はうまく歌えるでしょうか。
おぼこ祝い唄(青森県八戸市民謡、混声)
おぼことは赤ん坊のこと。お七夜にうたわれる出産祝いの唄。
もともとは素朴な歌ですが、この合唱団は赤ん坊が泣き出すほどガンガンうたいます。

混声合唱組曲「白い木馬
 この曲は、1974年に日本合唱協会及び文化放送から萩原英彦に委託されて出来た。詩はブッシュ孝子の遺稿詩集「白い木馬」から5編が選ばれた。
 第1曲は、この組曲の主要動機であるピアノの旋律で始められる。遠くを夢見るようなしかしどこか不安を秘めているような旋律である。突然、「一陣の風」のごとく速い上昇旋律が現れ、一気に聴く者を詩と音楽の世界へと連れていく。
 淡々とした中に、たぶん病床で書かれたであろう作詩者の息づかいが伝わる第2曲を経て、思い出したように主要動機が現れると、続いて第3曲が女声合唱で始められる。鮮烈な色彩感を持った詩が、ときに優しく、ときに激しく歌われる。
 第4曲は、「翼が生えた」ようにピアノが自在に活躍する。
 終曲では、どこか知らない異国の輝くばかりの風景が歌い出される。けれども、ふと沸き上がる静寥感。「ここにも私の故郷はない」。何度かこの旋律を繰り返した後、主要動機が遠くへ去っていくように奏でられるが、最後にユニゾンで一気に輝きを増し、曲を閉じる。

晴れたらいいね」〜 Dreams Come True ナンバー より 〜
 さて、当団名物、最終ステージのお時間と相成りました。このステージ、例えて言うなら、秋の大運動会における“パン喰い競争”といったところでしょうか。歌って楽し、聴いて(見て)可笑し、なければ寂しい…?
 今回は天下のスーパースター『ドリームズ・カム・トゥルー』の特集をお送りします。毎回、このステージのアレンジをしてくださる金川先生からは、原曲に輪をかけて難しいアレンジ譜が、こんなメッセージとともに届きました。
 「たちばなの皆さん、最後の譜面を送ります。(中略)今回、“ドリカム”を書いてみて、余りの難しさに僕自身、閉口してしまいました。さぞ、苦労なさっていることでしょう。でも、書きあげてしまえば、こっちのもんです。いか様にとも、お好きな味付けで、どうぞ。」う…、この挑戦、受けて立ちましょう!
 ロマンチックな歌詞とメロディに、年甲斐もなく胸をときめかせたりしながら、演奏いたします。お聴きくださる皆様も、どうそお楽しみください。


対談『♯音楽神 対 ♪たちばな神』より
生れてもう19年もたつんだね。
俺も年取るわけだ。でもまあ、精神年齢はいつまでも20代だと思いたいけれどね。
生まれた頃は、これからあと何年生きられるか心配だった。今も体はそれほど大きくないけれど、個性的に育ってくれているね。
育てる親は大変だよ。育つほうは自分で育った気になっている。それも、生きる長さと成長とを混同して考えている。これからは自分なりの生き方を見つけてほしいと思うね。
でも、一緒にいると色々な刺激を受けて楽しいよね。ただ時々、“常識”ということが何なのかわからなくなる時があるけど。
世間の常識が我が家の非常識といわれることもあるけれど、『そういう考え方もあるな』と柔軟に考えれば、結構楽しいもんだ。
<中略>
そして何よりも、「好きなもの」に向かっている姿は評価できる。「好きなもの」にひとすじの心で向かっていけば必ず道は開けると思うし。
これからもしばらくコイツと付き合うか。
そうしようか。
♯♪
パンパカパーン!


これまでの演奏会に戻る