合唱団たちばな

第11回 演奏会


1993年9月4日に行なった「第11回演奏会」のプログラムを紹介します。

ごあいさつ
 本日は、お忙しい中ご来場いただき、合唱団を代表して御礼申し上げます。
 合唱団たちばなも早いもので創立15周年を迎え、演奏会も第11回を重ねることとなり、誰よりも舞台に乗っている私たちが、時の流れの早さに驚いています。
 この15年を振り返ってみると、もっと人数の多かった時もあったし、練習にならない程出席者が少なかった頃や、存在をあきらめかけたこともありました。それでも未だに存続していることは、ちょっと不思議な気さえします。
 さて、合唱団たちばなとは何なのでしょう。最近では私にもよく分かりません。でも、きっと団員の一人一人にとって必要な場所なのだと思います。昔はほとんどが学生だった団員も、それぞれ主婦になったり会社員になったり、そしてまた新しい団員が加わり今のたちばながあります。その一人一人にとって日常を離れる場だったり、リフレッシュの時であったり、友達との交流の場であったり、大人の世界をかいま見る場であったり。決して1つにまとめられないけど。みんなにとって欠かせない場所、それがたちばなであり、これからもそうあり続けてほしいと思うのです。
 今日は、みんな張り切ってます。ぜひ、最後までご覧ください。
代表 秦 伸介

結成15周年にあたって
 「最終ステージの伴奏をお願いします。ついでにソプラノが足りないので他のステージでは歌ってもらえませんか。」という電話をもらったのは、たちばな第一回演奏会のわずか三ヵ月前でした。なんといいかげんな、と腹を立てながらもそれを引き受けてしまったのが「たちばな」との付き合いの始まりでした。
 それから十数年、こき使われたなあというのが率直な感想ですが、でもそのおかげで、ずいぶん色々な事を学んだようにも思います。本番中、私の数々の失敗にも動ぜず歌い続けてくれた頼もしい団員の皆さん、そして永く温かい目で御指導くださった指導者の岡本さんに、ピアニストとしての私を育てて頂いたといっても過言ではないでしょう。
 「各人の個性を大切にしながらも、それを大きな一つのコーラスの輪の中に包み、さらにその輪を拡げていく」事を願う「たちばな」の中に身を置くと、誰もがのびのびと自分を表現する事ができます。
 そんな「たちばな」に心より感謝すると共に、いつまでも一緒に演奏できる事を願っています。また、結成して十五年、ようやく地に足がついて来た「たちばな」が、今後ますます成長し確かな歩みを続けられますよう、皆様方の御理解と御支援を切にお願いいたします。
ピアニスト 米良 賀代


プログラム
第1部 混声合唱組曲 海の構図
 T.海 と 蝶
 U.海女礼賛
 V.かもめの歌
 W.神話の巨人
作 詩
作 曲
指 揮
ピアノ
小林 純一
中田 喜直
秋吉  亮
米良 賀代
第2部 混声合唱組曲 十ぴきのねずみ「ことばあそびうた」より
 T.Rock'n Roll 〜十ぴきのねずみ〜
 U.Ballad 〜いるか〜
 V.Scherzo 〜だって〜
 W.Romance 〜たね〜ののはな〜
 X.Finale 〜さる〜ことこ〜
作 詞
作 曲
指 揮
谷川俊太郎
吉岡 弘之
岡本 俊久
第3部 混声合唱組曲 幼年連祷
 T.花
 U.不眠
 V.憧れ
 W.熱
 X.喪失
作 詩
作 曲
指 揮
ピアノ
吉原 幸子
新実 徳英
岡本 俊久
米良 賀代
第4部 頑張れ!日本レコード大賞
 T.黒い花びら
 U.北の宿から
 V.北酒場
 W.愛のエチュード(落選メドレー)
 X.シクラメンのかほり
 Y.パラダイス銀河
編 曲
指 揮
ピアノ
金川 明裕
岡本 俊久
米良 賀代



曲目紹介
海の構図
 混声合唱のための組曲「海の構図」は、NHKの委嘱により、1961年に作曲されたもので、田中信昭指揮の東京混声合唱団により初演された。詩はこの曲のために小林純一が新しくかいたもので、海の様々な表情を綴ったものである。
 『海よ、海よ、あなたの表情は、どういう時が、ほんとうなのですか。』広大で、たゆとうすべてのものに平穏をもたらす海。しかし時には嵐に波うねり何者にもどうすることもできないほど荒れ狂う。終曲「神話の巨人」では、後半、台風一過の夕映えの風景がうつくしくうたわれている。この大合唱団向きの曲を30名程の合唱団がどこまで表現できるか。その困難にあえて今回挑戦します。『う゛いん、ういん、るいん、るいん。』
(細井)


十ぴきのねずみ
 この曲を演奏するにあたって、合唱団“たちばな”にとっては3つの難関を突破しなければなりません。@リズムに乗れない。(最近男声陣はお腹が大きいのです)Aアカペラである。(ピアノがないのでごまかせません)B歌詞が無い。(暗譜でなくてよかったですね!)
 この曲集の詩は谷川俊太郎氏の「ことばあそび」より選ばれたものですが、その名のとおり大変意味深く、かつユーモアに富んだ歌詞なのです。私たちも完全に詩の意味を理解しているわけではありませんが、少しでもみなさんに詩のエッセンスが届けられたらと思います。
 なお、岡本先生は、第2曲目〜いるか〜の詩が大好きだそうです。
(福澤)


幼年連祷
 誰もが、一人ずつの異なる各々の(幼年)を持っています。この曲によって、日頃はすっかり忘れてしまっている一人一人の(幼年)に何らかの形で触れる、そんなことがあったらと願っています。……作曲者の言葉です。そう、意識の底に隠されている様々な情景を浮かび上がらせる、そんな言葉と旋律が綾をなして綴られている曲なのです。そのフラッシュバックはまばゆいほど明るいかもしれない、でも、決して無邪気なだけではなかった(幼年)の情景。……けふはなんだかつかれちゃったのにかなしむのは、もういやだなあ……「合唱団たちばな」自身の幼年期の思い出を伴ったこの曲への思い入れを、皆様にお伝え出来る事を願っています。
(櫻井)


頑張れ!日本レコード大賞
 おまたせしました。たちばな名物「4ステ」です。今回は懐かしのレコード大賞オンパレード。子どもの頃、大晦日といえば「レコード大賞」という時代に育った私達です。家族そろってこたつに入ってテレビを見ていたあの頃を思い出して、今宵は少し、ノスタルジックに唄ってみましょうか……。いえいえ、たちばなにはそんなことは無理。何が飛び出すかは見てのお楽しみ。では、ごゆっくりお聞き……御覧ください。
(秦




合唱団たちばな
月末の日曜日。午後三時頃になると、新大久保のイカガワシげな一角にある音楽スタジオに、ワラワラと集まってくる人達。合唱団たちばなの面々だ。総じて女は強く、男は優しい。ピアニストは美しく、指揮者はワガママだ。皆、無理をしない自然体で、好き放題で都合がよろしい。だから演奏会でも練習も皆それぞれマイペース。世間一般のペースからはズレてるけど……。
(大山)



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