★アートたけしのモロトピア 諸星大二郎クロニクル(4)





第四回COM新人賞受賞追伸(「ジュン子・恐喝」補足)


 「COM」1971.4月号 1971.4.1発行





 同号掲載の「特別座談会 1970年度ぐら・こん総決算−新人は'70を越える


べし!!」から、一部を抜粋。出席者は、つのだじろう氏、峠 あかね氏、


長谷邦夫氏、および編集部。





  峠 諸星くんはどうですか? 二本載りましたけど、一本目と二本目とは


    少し違う様な気がしますけども・・・。





つのだ ぼくは「ジュン子・恐喝」の方が好きだね、自分で選んだせいもある


    けど。「ジュン子・・・」は自分で目で見、体験した中で、(おそら


    くこんなことは体験できないと思うけど)非常に地に付いた感じがす


    るわけですよ。丹念に歩いて描いている。作品も心も地に付いている


    んだな。だから絵はまだへたクソだけど雰囲気がよく伝わってくる。


    「現代間引考」を最初に見せられたら、是非とも入選にしたい、とい


    う意欲は出なかったと思う。





  峠 ただね、「ジュン子・・・」ではいいたいことが沢山あって押し込ん


    だけれど、こぼれているという感じがする。「現代・・・」ではいい


    たいことがこれだけあって、きっちりはいった・・・・・・終わり・


    ・・・・・といった感じなんだなァ。(笑)





 長谷 アイデアはこぼれなくちゃいけないなァ。赤塚氏のいい作品は、アイ


    デアがこぼれてますね。どうしても捨てなきゃならないものがあるわ


    けですよ。おしいけど・・・・・・(笑)そうしてできあがった作品


    はやはりおもしろい。


    やはり二十四ページの作品だったら、五十ページのアイデアを崩して


    いくテクニックが必要なわけですね。それがこぼれなくなってくる


    と、プロの勢いはないですね。(笑)








 クロニクルの(2)で「年間新人賞の発表は1971年4月号誌上」と書いた


が、同号では編集部が予告を翻して、”はじめての試み”読者投票を実施。発


表は5・6月合併号に持ち越された。


 1970年度の月例新人賞は不作で、対抗作品は1971年2月号の第18回月例


新人入選作「序曲」(芥真木)一作のみ。


 投票募集ページには、両作者の紹介およびコメントが、当時の若々しい写真


とともに(!)載っている。